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公式ルールは体育を嫌いにさせるかも

むりー‼︎

明日、42.195キロのフルマラソンをしなければならない。
明日、水泳で10メートルの高さからの高飛び込みをしなければならない。
明日、スキーでジャンプ台を滑り降りなければならない。
明日、外国人と英語での会話だけで1日過ごさなければならない。

えっ、それはちょっと。ってなりませんか?

「1キロで許して」「50センチの高さなら」「ジャンプ台はなしで」「日本語もありで」
そんな妥協案を言いたくなります。
体育・運動あそびの指導者をしている自分も「むり‼︎」って言って妥協案出します。

公式ルールは世界レベルの選手と同一条件。

もの作り系の専門校の体育で、
バレーボールのネットを公式の2.23メートルに設置してみました。「こんな高いはずがない。ブロック出来ない」と。
ホームベースサイズのカーペットを置いて、ピッチャーが投げる場所の18.44メートルの所にテープを貼ってみました。「こんな遠いはずがない。届かない。ストライクにならない」と。
そりゃ、我々素人には無理よ。

とりあえず何とかしようとしている

・バレーボールで相手コートからボールが来たら全て1回で相手コートへ返球。
 サーブでもブロックする勢い(サーブに対してはブロック出来ません)
・サッカーでは全てボカンっと前方へ大きくキック。
・バスケケットボールでは、ボールが来たら1〜2回ボールをついてパス。

こんな感じのプレー、よく見かけます。
ちょっとテキトーな感じに見えるプレー、なぜでしょうか。
サボっているわけでなく、頑張ってプレーしているんです。

バレーで1回目で相手コートに返球するのは自分の(自分たちの)ミスを無くすため。
サッカーでボカンと大きく蹴るのは、ボールを少しでもゴールの方向に寄せるため。
バスケットボールでドリブルでなく直ぐにパスを出すのは、自分のプレー中に相手に取られないため。サッカーも同じだと思います。
緊張するし、自分がボールを扱っている時に相手チームに取られたら自分の責任だから。

そんな感じでないでしょうか。

バレーボールでは上からサーブをしてレシーブ、トス、アタック。
サッカーやバスケットボールではボールを受けてドリブルで進んで味方にパス。最後は思いっきりシュート。

オリンピックやワールドカップで世界レベルのプレーを見て知っている。
知っているけど、自分のプレーは別。

ボールがきて何かしらしようとしたら相手チーム選手が近付いてきた。とりあえずパス‼︎
そのパス、パスでなくデタラメのキック(サッカーの場合)です。
そこを余裕持ってゆっくりプレーできるように配慮する必要があります。

そりゃ、部活でやってる人には普通かもしれないけど。物足りないかもしれないけど。
上手な人だけが楽しければ良いのか?初心者に人権はないのか?
こんな偏った科目って体育くらいじゃないですか?
って体育・運動あそびの指導者の自分が発言します。

ローカルルール、オリジナルルール、全員が未経験の種目

「怖い」「早い」「難しい」「慌ただしい」を全て無くして負担を軽くしましょう。
余裕を持ってプレーができます。これはプレーする人向けでなく、指導者に向けての言葉です。

キックベースで攻守交替できない!!
18歳以上のメンバーでキックベースを行うことになりました。ボールを使う種目の経験や運動の得意不得意はバラバラ。3アウトどころか1アウトも無理。打順が1周したら攻守交替にしました。
知っている&経験あると言うのに、ボールを蹴ったら3塁側に走ったり、1塁守備が2塁に走りだし1塁ランナーがボールをキャッチしたりハチャメチャ。知っている&経験あるを信じたのが失敗? 珍プレーを誘発? でもお互いそれを笑って許せる雰囲気だったのが幸いでした。
ただ、ルールをシンプル化していきました。

バレーボールでなく、バレーボールっぽい事。
風船で2〜3人でパス。イレギュラーな動きもしますが、ゆっくりなので続きます。
ソフトバレーボールやキャンディボール等の優しいボールで、
・バウンドOK。1バウンドでも2バウンドでもOK。恐怖心が減り、ゆっくりプレーできる。
・ネットを低くしてテニス。相手コートにそのまま返球。腕を振り上げなくなる。
・一瞬?ならボール保持OK。もう、ボール出し状態。次の人へのお膳立てプレー。

バレーじゃないんです。バレーボールっぽい事です。新種目です。でも、初心者や運動苦手な人には充分バレーボール気分になれます。程よく発散もできます。
「ボールが怖い」「スポーツ苦手」な人も楽しんでいました。

未経験者の多いスラックライン
綱渡りだと思ってください。歩かなくてもいい。最初は歩かない方がいい。最初は立つ(乗る)事さえできないので、補助具になりそうな物を駆使しています。おりゃってパワー&スピードではどうにもならない。
きっと大多数が未経験。スポーツに自信がある人でも難しい。
幼稚園・保育所でも行っています。友達とペア組んで補助をします。相手への配慮具合の観察ができます。
プールにも張りました。落ちたら水の中にドボン。ちょっとしたアトラクションで、芸能人水泳大会みたい。

誰もが可能な限り同じ条件で取り組みたいですね。

頑張り方の方向性

出来るようになる為に「頑張る」とは。色々あると思いますが、「力いっぱい」「早く」に頼らない事、これに気付いてもらいたい。

小さな頃は年々身体は成長し力強くなるので、本人は特に練習しなくても速く走れたり高くジャンプ出来るようになっていまいた。なので、力いっぱいにするだけで記録は良くなる。身体の成長が伸びている時期にコントロールする事で上達する事を体験していなければ、その力いっぱいの感覚に縛られている。

スピード&パワーだけでは何とかできません。

記録が良くなっているからだけでは安心できない。

幼児・小学生で運動能力や体力テストで記録が良くなっていても、それは身体の成長に伴った事なので、技術的な面でも成長しているかは別問題。
「脱力を出来る事」「慌てずゆっくり動ける事」に挑戦できる余裕やチャンスを作りましょう。

大きい強い速いは目立ちます。凄いって言われやすいし言いやすい。単純に評価しやすい。スピード&パワーを否定しているのではなく、そればかりに気を取られないでもらいたい。

大食い・早食いに似ているかも。

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