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【絵本レビュー】 『おんがくねずみ ジェラルディン』

作者/絵:レオ・レオニ
翻訳:谷川俊太郎
出版社:好学社
発行日:1980年4月

『おんがくねずみ ジェラルディン』のあらすじ:

音楽をきいたことのないジェラルディンは空き家のすみで、とても大きなチーズを見つけます。友達にもチーズをあげると、中からフルートを持つねずみの形があらわれて・・・。

『おんがくねずみ ジェラルディン』を読んだ感想:

チーズのネズミが音楽を奏でる。なんて素敵なお話でしょう。ただ、私はチーズの切れ端を食べ終わった後、ネズミを食べずにいられるかしら。。。芸術より食い意地とは、我ながら情けない話ですが。

初めて音楽を聴いた瞬間って、どんな気持ちでしょう。私たちの多くは子供の頃から何かしら音楽に触れていますよね。全く音楽のない環境に生まれたことを想像してみますが、多分ないことが普通なら特にどうということもないのでしょう。でも、そんな人たちが生まれて初めて音楽を聴いたらどうなんでしょう。

息子が生まれて数日後初めてうちへ帰ってきてからは、どの家庭もそうでしょうが、この新しい生き物を理解して生活の一部にしていくのにただ精一杯でした。泣いたら旦那と二人であたふたと抱き上げ、どんな動きをすれば泣き止むのか試行錯誤。ところがある日、旦那がたまたま聴いていたアフリカンムージックに合わせて踊ったんです。最初の数ステップで息子は静かになりました。ダンスが終わるまで腕の中でじっとしています。音楽が終わってベットに置こうとするとまたぐずります。では、と言って旦那はシャキーラをかけてまた踊ります。息子はまた静かに腕の中で揺られています。それからうちはいつでも音楽がかかっているようになりました。新生児用クラッシックも、子守唄風ボブ・マーリーは拒絶。その代わりラテン音楽、アフリカンダンスにアラブ系音楽ではピタリと黙る息子。あんな小さな赤ちゃんにも、好きな音楽ってあるんだなあと感心しました。

そんな息子も今は4歳。最近ではブレイクダンスに使うような曲が好きで、将来はクラバーか。。。

『おんがくねずみ ジェラルディン』の作者紹介:

レオ・レオニ(Leo Lionni)
1910年オランダ アムステルダム生まれ。イラストレーター、グラフィックデザイナー、および絵本作家として、米国でもっとも活躍した芸術家のひとり。「あおくんときいろちゃん」(至光社刊)「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」「さかなはさかな」「うさぎをつくろう」「じぶんだけのいろ」(以上好学社刊)などの作品がある。1999年没。


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