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【絵本レビュー】 『いつもちこくのおとこのこージョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』

作者/絵:ジョン・バーニンガム
訳:たにかわしゅんたろう
出版社:あかね書房
発行日:1988年9月

『いつもちこくのおとこのこージョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』のあらすじ:


ジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーにふりかかる災難の数々。それは本当に一大事なことばかり。詳しく聞いてみなければいけません。いや、聞いてみたくなる出来事ばかりです。でも、先生は一切耳をかしません。もったいないことです。

どうしても遅刻してしまう少年と彼を厳しく罰する先生の立場が、ある日逆転したら…。生きた言葉のくり返しがユーモラスな絵本。

『いつもちこくのおとこのこージョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』を読んだ感想:

ジョン・バーニンガムさんの絵本はこれまでに何冊か読みましたが、ちょっと不思議な感じのするものが多い気がします。彼の絵本を読んだ後は、なんだか世界を違う角度から見れるような気がします。

私はどちらかというと時間に着けません。仕事には間に合っているけれどいつもギリギリで、もうちょっと余裕を持って到着してエレガントに開始している自分を頭に描いているのに、全く効果がありません。かと言って頑張ると30分以上前に着いてしまい、することがなくて余計なことをし始め逆に遅れるという。。。なんなんでしょう。

学生の時の通学時間が比較的長かったので、朝は早起きをしなくてはなりませんでした。7時には家を出なくてはならないとなると、朝ごはんを食べ、お弁当を詰めて身支度をする時間を考えて、遅くても5時半には起きなくてはなりません。母には「30分あれば十分でしょ」といつも言われていましたが、絶対無理です。30分なんて気づいたらすっ飛んで行ってしまいます。「1時間半もかけて何をしているの」とよく聞かれましたが、私にもさっぱりわかりません。でも大抵は最後の10分が以上に慌ただしく、いつも猛ダッシュで家を出ることになるのでした。私はジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシーみたいに実際災難に遭っていたわけではないけど、多分違う時空に飛んでいたんだと思います。だってところどころ覚えていなかったんですもん。違う時空から押し出されたみたいに、気がつくと20分くらい時間が経っているのに、私はさっきから同じ場所にいる。もしかしたら宇宙人にさらわれていたのかもしれないですね。だから覚えていないとか。

うちの父は待ち合わせ時間には少なくとも10分前には着いているタイプでした。父と待ち合わせると私たちはいつも「遅刻者」のレッテルを貼られてしまいます。たとえ約束の時間ぴったりに着いたとしてもです。彼曰く「10分前に来ていたから、お前たちは10分の遅刻だ」だそうです。逆に母は少し遅れるタイプなのですが、困るのは遅れて来ても相手を探さずに、着いた場所に居座っていること。ある時私が先についていて駅の柱に寄りかかって待っていたのですが、いつまで待っても母が来ません。10分以上経ったので駅の構内を一周することにしました。そうしたらなんと母は私の経っていた柱の反対側にいたのです。「遅れたんなら探してよ」と私はプリプリして言ったのですが、母は「下手に動くと行き違いになるでしょ」と全く反省の色無し。ちなみに母が遅れる理由は「早く着いて待つのが嫌だから」だそうです。やれやれ。

今はコロナで人とあまり会うこともないのでいいですが、ロックダウンが解除されたら遅刻しないで行かれるかちょっと心配です。

『いつもちこくのおとこのこージョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー』の作者紹介:

ジョン・バーニンガム(John Burningham)
1936年イギリスのサリー州に生まれる。若いころは、兵役を拒否し、さまざまな仕事をしながら世界中をまわった。その後、ロンドンにある美術学校に通いながらイラストの勉強をし、ポスターなどを描いていたが、はじめて手がけた絵本『ボルカはねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、絵本作家として鮮烈にデビューした。その後『ガンピーさんのふなあそび』で再度受賞し、この賞を2度受賞したはじめてのイラストレーターとなる。『ガンピーさんのドライブ』『おじいちゃん』『ねんころりん』『旅するベッド』『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』など多数の作品を発表しており、いま、世界で最も注目されている絵本作家のひとり。夫人は著名な絵本作家であるヘレン・オクセンバリー。

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