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【絵本レビュー】 『へんなどうつぶ』

作者/絵:ワンダ・ガアグ
訳:渡辺茂男
出版社:瑞雲舎
発行日:2010年4月

『へんなどうつぶ』のあらすじ:

山奥に住むボボじいさんは、毎日山へやってくるどうぶつ達のために美味しいものを用意して待っています。ある日そこへ変わった動物がやってきました。
ボボじいさんが「なんちゅう、どうぶつだい?」と聞くと、「ぼか どうぶつじゃない。どうつぶ」と答えました。
へんなどうつぶの大好物が、良い子の人形だと知って、悲しくなったボボじいさんが思いついたこととは・・?

『へんなどうつぶ』を読んだ感想:

印象に残る素敵なイラストが気に入っています。

習慣を変えるのはとても大変だと思います。子供の頃から肥満気味で日々体重と戦う旦那を見守りながら、そう感じています。出会った時、旦那は130kgありました。背も大きいのですが、それでも小山のような大きさを感じました。子供の時にはサッカーやラグビーなどをさせられていたそうなのですが、体重の重さで動きが取りづらく、いつもキーパーやディフェンスなどを任され、試合に出るということはなかったようです。本人もスポーツをするよりコンピューターをいじっている方が好きだったので、自主的に運動するというのは苦手なようです。

それでもやはり体重を落としたいそうで、いろいろなダイエット、運動法やヨガスクールを試してはいるのですが、どれもあまり長続きしません。「習慣を変えるということは、人格を変えること」と誰かが言っていたのですが、まさにその通りですよね。今日も新しい呼吸法を見つけ、寝室に一人こもってスーハー、スーハーしております。

私が変えた習慣は、利き手です。高校生くらいの時母とレオナルド・ダビンチのドキュメンタリーを見ていた時のことです。「万能の天才」と呼ばれるダビンチは、絵に優れているだけでなく、音楽も奏でれば、彫刻家、建築家、科学者、哲学者、アルピニストとしても才能を持っていたのだそうです。そんな彼は両利きだったというのです。

脳は右脳と左脳に分かれていますよね。右脳は五感と感情を操り、左脳は論理的な考え方を得意としています。そしてそれは利き手にも関係していて、右利きの人は左脳をよく使い、左利きの人は右脳をよく使うのだそうです。ということを知った私は、「両方使えればバランスがいいんじゃない?」と考え、その日からできることはなんでも左手ですることにしました。ただ食事中に端を左手で持つと父が「行儀が悪い!」と怒るので、それは父がいないときに練習しました。箸はなかなか難しかったけど、フォークやスプーンは簡単でした。歯磨きはちょっと大変で、字を書くのは慣れてくるとまあまあいけましたが、学校の授業で書き取りをするほど早くは書けませんでした。思いの外うまくできたのは、キャッチボール。今でも投げるのは左手です。ナイフを使うのもリンゴ剥きくらいならできるようになりました。

どれも慣れるのに数ヶ月かかりました。最初は何をするのも遅いし、もどかしいしでイライラしましたが、日記も左手で書けるようになりました。人格が変わったかどうかはわかりません。でもとても楽しかったのは覚えています。「右脳と左脳がコミュニケーションを取っている」と勝手に想像するだけで、やる気が持続できました。

習慣を変えるのは面倒だし大変だけど、大切なのは古い習慣をすりかえることですよね。「しなきゃいけないから」ではなくて、「素敵な自分像」を想像することができたら、ちょっとはしやすくなるのではないでしょうか。さて、うちの旦那、明日はどんな新しい健康法を見つけ出してくるのでしょうか。

『へんなどうつぶ』の作者紹介:

ワンダ・ガアグ(Wanda Gag)
1893年、アメリカのミネソタ州に生まれる。セント・ポール美術学校、ミネアポリス美術学校、ニューヨークのアート・スチューデント・リーグ校で学ぶ。1928年に出版された絵本『100まんびきのねこ』(福音館書店)は、日本にも1961年に紹介され、以来日本の子どもたちにも愛され読み継がれている。 絵本『へんなどうつぶ』(岩波書店)などの他に、昔話の再話と絵を手がけた『しらゆきひめと七人の小人たち』『すんだことはすんだこと』(福音館書店)などがある。1947年没。


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