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【絵本レビュー】 『ゆうちゃんのみきさーしゃ』

作者:村上祐子
絵:片山健
出版社:福音館書店
発行日:1999年4月

『ゆうちゃんのみきさーしゃ』のあらすじ:


ゆうちゃんは、お菓子の缶とコップでつくったミキサー車に乗って出かけました。ふしぎな森を抜けると、行く先々で、ミツバチから蜂蜜を、ニワトリとウシから卵と牛乳を、サルから果物、クマからは雪をいっぱい、ミキサー車のおなかの中に入れてもらいました。ごろごろまわしながら、友だちのいる公園に帰ってきて、ミキサー車のボタンをおすと...

『ゆうちゃんのみきさーしゃ』を読んだ感想:

ママ友達が貸してくれた絵本です。ビスケットの缶がミキサー車に変身するなんて、いかにも子供達が考えそうなことですよね。うちの息子もミキサー車が出て来た途端私の組んだ足の間にスポッと収まり、1ページも逃すまいと目を凝らしました。

先日のこと。旦那が嬉しそうにやって来て見せて来たのは、そろばん。うちの母親がそろばんの説明をしたらすっかり興味を持って、教えてもらうんだと言っていたのは聞こえたのですが、まさか買っていたとは驚きでした。それを机の上に置いていたのですが、翌日の朝息子が起きて来て一人で遊び始めたのでそのままにして朝ごはんを作っていると、シャー、シャーとリズミカルな音がテーブルを滑る音が聞こえて来ました。あまり深く考えずいたのですが、朝食を持ってテーブルに来ると長方形の枠組みみたいなものにプレイモビールの人々が着席しているのが見えました。朝でボケていたこともあり、何だろうとは思ったものの流して朝ごはんを食べ始めると、息子がリンゴをかじりながらその木枠をシャーと動かし始めたんです。
「それ何?」と聞くと、
「新幹線」と息子。
「へえ」と答え私もリンゴをポリポリ。

「待った。それパパのそろばんじゃん」
「違うよ!新幹線。みて!」

何とまあ滑らかにテーブルを滑ること。それはまさに新幹線でした。そろばんはまるで新型の新幹線のようにスムーズで、乗っている人たちが振り落とされることもありませんでした。息子と私は今度は梨をポリポリかじりながら、しばし新幹線のエレガントな走り具合を鑑賞したのでした。

『ゆうちゃんのみきさーしゃ』の作者紹介:

村上祐子
1935年、東京に生まれる。東洋英和短期大学保育科卒業。東洋英和幼稚園、パークレイヒル・ナースリースクール、平塚二葉幼稚園を歴任。家族でアメリカ・ドイツに暮らす。現場を離れてからは趣味を生かし、文庫活動や書道グループを通してこどもたちとの交流を続けてきた。3人のこどもたちも独立し、今は孫たちと遊ぶのがなによりの楽しみ。著書に「幼児とともに」(1980年)日本基督教団出版局などがある。神奈川県在住。


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