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【絵本レビュー】 『ねむたいひとたち』

作者/絵:M.B.ゴフスタイン
訳:谷川俊太郎
出版社:あすなろ書房
発行日:2017年9月

『ねむたいひとたち』のあらすじ:

いつでもねむい、ねむりこびとの一家。
いちばん幸せなのは、ねむるとき。
ねむる準備をはじめるところから、もう幸せそう。
あくびをしてから、のびをして、にんまりしたら、
お休み前のスナックをいただきます。
ねむたい父さんが寝息をたてはじめたら、
ねむたい母さんが、ねむりうたを……。


『ねむたいひとたち』を読んだ感想:

題名はもちろんですが、イラストも眠気を誘います。絵本の終わりに近づく頃には私はあくびをし始めていました。
「ねちゃダメ〜」
そういう息子だってあくびをしています。

私は寝ることが大好きです。息子が幼稚園に行かなくてはならないし、仕事もあるので頑張って早起きしていますが、放って置かれたら昼くらいまで余裕で寝ていることでしょう。先日読んだ『やまのかいしゃ』のほげたさんと競い合ってもいいくらいです。

私は四年間大学へ実家から通っていました。片道二時間かかったので、九時の一限目に間に合うように、朝六時半に家を出ていました。そのためには朝五時起きという生活をしていたので、特に大学の最初の二年間は毎日寝不足でした。ついでに言うと、私は大学の授業中疲れすぎてほぼ寝ていました。週末も日曜日は背中が痛くなるまで寝続け、時には起きたら午後三時なんていうこともありました。あんまり静かに寝ているので母が心配して、いきなり張り手を食らわされたこともありました。びっくりして飛び起きると、
「あ〜、死んでるかと思った〜。」とのこと。
息、していたじゃないですか。

夜も枕に頭をつけたら、十まで数える前に寝ていることが多いです。ところが旦那は筋金入りの不眠症体質。息子が生まれてからは割とすんなり寝られるようになったのですが、それでも仕事が詰まっていたりストレスが多かった日などはなかなか眠れないようで、暗くしたリビングでポッドキャストなんかを聞いて眠気が降りてくるのを待つことが多いのです。

なので、旦那は私と同時に寝るのが大嫌い。だって私は「おやすみ」と言って数秒後には寝ているのですから。それにイラついた旦那は余計に寝られなくなるようです。困ったものですね。寝られない旦那は大抵一人でリビングに戻るようですが、時々イライラ解消のため私を突っついたりして睡眠妨害をして来ます。
「ねえねえ、もう寝た〜?」
「起こされるまではね。。。」
嬉しそうにクスクス笑う旦那。

「なんでそんなにすぐ寝れるの?」
「寝るためにベッドに入ってるから。」
「僕もなんだけど。」
「だったら目をつぶって寝てください。」

私はごろりと寝返りを打ってまた寝に入ります。隣からは洞穴の龍みたいな荒い鼻息が聞こえて来ます。ガサゴソ布団の中で動く音がして、顔の上にでっかい手がかぶさって来ます。
「寝ないでよ〜。」

仕方なく旦那の話し相手になります。目はつぶったままですけれど。でも眠いので、所々話は途切れ、返事をするのにも時間がかかってしまいます。
「寝てるの〜?」
旦那はご不満のようですが、夜は寝るためにあるのですからね、
「聞いてるよ。」
と言いつつも、私の身体はだんだん重く沈んでいきます。旦那も早く眠りにつけたことを祈りましょう。


『ねむたいひとたち』の作者紹介:

M.B.ゴフスタイン(M. B. Goffstein)
1940年、アメリカ、ミネソタ州セントポールに生まれる。
ベニントン大学卒業後、ニューヨークに移り絵本作家として活動を開始。1966年に最初の絵本を出版。ニューヨークタイムズ・年間最優秀児童絵本賞、コルデコット賞などを受賞。1989年以降は小説を執筆。晩年は自然や天国についての物語や詩を書いた。2017年。77歳の誕生日に没。


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