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【絵本レビュー】 『おこだでませんように』

作者:くすのきしげのり
絵:石井聖岳
出版社:小学館
発行日:2008年6月

『おこだでませんように』のあらすじ:

「ぼくは、いつでもおこられる。家でも学校でも…。休み時間に、友だちがなかまはずれにするからなぐったら、先生にしかられた」いつも誤解されて損ばかりしている少年が、七夕さまの短冊に書いた願いごとは…?

『おこだでませんように』を読んだ感想:

「みんなに読む前に下読みしておいてよかった」
これが今日一番してよかったことです。していなかったら、最後で泣いてしまっていたと思います。

最近の息子はほぼ一日中イヤイヤ星人。幼稚園もしまっていてストレス発散の場がなくなり、イライラしているのはわかる。それにしてもこっちも大変だからちょっとはコラボしましょうよ、コラボ、楽しいよ〜という誘いもあっさり切られ、イヤだイヤだの一点張り。しかも絶対私たちの話を聞いてない。何か話しかけた時点で「イヤ」。歯をギリギリ噛み締めながら、私たちが言ったことを繰り返すよう頼むと、肩をすくめ向こうを向いてしまう。砂糖断を試みている旦那は、ただでさえ中毒症状が出ているので爆発寸前。目が怖い。。。それでもこの1mちょっとの生き物は、断じて聞かない。プイッと横を向く姿が、絵本の主人公と重なった。

息子は「おこだでじゃなくて、おこられませんでしょ〜」と言ってケラケラ笑っていたけれど、私はただただこの男の子を抱きしめてあげたかった。そしてこの男の子は、息子なんだと思った。そのあと息子は遊んでいて、テーブルの上の花瓶を盛大にひっくり返し、絨毯もびちょびちょにしたけれど、今日は怒らずにいられた。悪気はなかったんだよね。ガラスが割れなくてよかった。

『おこだでませんように』の作者紹介:

くすのきしげのり
1961年徳島県生まれ。鳴門市在住。小学校教諭、鳴門市立図書館副館長などを経て、現在は、児童文学を中心とする創作活動と講演活動を続けている。絵本『おこだでませんように』(小学館)が、2009年に全国青少年読書感想文コンクール課題図書に、2011年にはIBBY(国際児童図書評議会)障害児図書資料センターが発行する推薦本リストに選出される。同作品で第2回JBBY賞バリアフリー部門受賞。また、『ふくびき』(小学館)、『ともだちやもんな,ぼくら』(えほんの杜)と共に第3回ようちえん絵本大賞を受賞する。その他の絵本に『もぐらのサンディ』シリーズ①~④(岩崎書店)、『あたたかい木』(佼成出版社)、『えんまのはいしゃ』(偕成社)、『みずいろのマフラー』(童心社)、『ええところ』(学研)、『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)など多くの作品がある。


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