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【絵本レビュー】 『ガンピーさんのふなあそび』

作者/絵:ジョン・バーニンガム
訳:みつよしなつや(光吉夏弥)
出版社:ほるぷ出版
発行日:1976年9月

『ガンピーさんのふなあそび』のあらすじ:


ガンピーさんが小舟で川下りをする途中、子どもやたくさんの動物たちが乗り込んできて……。ページごとに乗り込む仲間が増えていき、何やらだんだんにぎやかになっていきます。最後のすてきな場面に乞うご期待。

『ガンピーさんのふなあそび』を読んだ感想:

「だからさ、ガンピーさんのいうこと聞かなきゃダメなんだよ」とは読み聞かせに来ていた女の子が言った言葉です。

「そうだよね、きっとそういうことを本は教えたいのかもしれないよね」とは思ったものの、私は最後にガンピーさんがみんなをお茶の時間に招待したことの方が気になりました。注意したにも関わらずみんなが勝手なことをしてふなあそびが台無しになったのに、ガンピーさんは怒った様子もありません。それどころかみんなも攻める様子もなく、どうやらお茶の時間に遅れることの方に気を取られているようなのです。「大人だ。。。」私はガンピーさんに近づけるのだろうか。

ふなあそびといえば、旦那の同僚とカヤックをしに行ったことがあります。森の中の運河を行くという、週末にはもってこいの軽い運動と森林浴を兼ねた1日になる予定でしたが。。。私は旦那と彼の同僚ふたりと一緒に四人乗りのカヤックに乗りました。同僚のMさんはさっさと誰がどこに座るか決めます。旦那と彼は2メートル近くある巨漢なので前を後ろに座り、戦力にならなそうなTさんと私は真ん中に座りました。Mさんはカヤックに慣れている(自己申告)ので指示を出しやすいよう後ろで、旦那は前でワシワシ漕ぐ役。Mさんの号令で私たちは進み始めましたが。。。

命令されるのが大嫌いな旦那が勝手に判断して漕ぎ始め、Mさんと権力争い。「俺を後ろに座らせろ」「いや、君はカヤックの進み方を理解していない」他の同僚たちがスイスイと楽しそうに進んで行く中、私たちは川の真ん中で立ち往生。Mさんと旦那は勝手にバチャバチャ水を掻き、Tさんと私は水面を見つめ、「あ〜カモが来るね〜」とすっかり現実逃避。頭上で起きている両親の喧嘩を見てみないふりする子供たちと化したのでした。

幸い転覆することもなく無事帰って来られましたが、帰りもMさんの車に乗らなければならなかったので、とても気まずい道中となりました。いっそカヤックがひっくり返っていたら、一気に吹っ切れたのかもしれませんね。



『ガンピーさんのふなあそび』の作者紹介:

ジョン・バーニンガム(John Burningham)
1936年イギリスのサリー州に生まれる。若いころは、兵役を拒否し、さまざまな仕事をしながら世界中をまわった。その後、ロンドンにある美術学校に通いながらイラストの勉強をし、ポスターなどを描いていたが、はじめて手がけた絵本『ボルカはねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞、絵本作家として鮮烈にデビューした。その後『ガンピーさんのふなあそび』で再度受賞し、この賞を2度受賞したはじめてのイラストレーターとなる。『ガンピーさんのドライブ』『おじいちゃん』『ねんころりん』『旅するベッド』『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』など多数の作品を発表しており、いま、世界で最も注目されている絵本作家のひとり。夫人は著名な絵本作家であるヘレン・オクセンバリー。

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