日本だけど日本じゃない、北の大地の果てへ!「世界自然遺産・知床|流氷ウォーキング&野生動物探し」ができるまで
10代前半・思春期真っ只中だからこそ絶対に経験してほしい、石垣島7日間生活に匹敵する “一生モノ” プログラム、やっと募集開始まで漕ぎつけることができました。
世界自然遺産「知床」流氷ウォーキング&野生動物探し(2024)– 募集要項
これぞ “一生モノ”
asobi基地ユニバーシティのよりかね隊長です。
もう「最高」のひとことです。世界自然遺産の大自然の中で、防寒&浮力のある専用スーツを着用して、流氷の上を歩き、流氷の中に入り(!)、箱メガネで海中のクリオネ探し。
陸でも、スノーシューをはいて原生林を歩き、キタキツネやエゾリス、エゾシカなど野生動物を探します。さらには、翼を広げると最大2.5m(!)にもなる感動の生き物、オジロワシ・オオワシ探しも。
(知床では、シマフクロウも2m前後になります。滅多に見られないんですけど。ヒグマが世界有数の生息密度で、“そのあたり” で普通に見られるのも含め、知床はやっぱすごい!!)
国内最高峰どころか、世界レベルで見ても、有数のスペシャルな体験ができると自信を持って言えるプログラムに仕上がりました。
“ただの自然体験” を超越している理由
思春期真っ只中のお年ごろの子どもたちにこそ、絶対に絶対に経験してほしいと強く思います。
なぜなら、私は年間100日近く全国のアウトドアフィールドを駆け回る生活をしてあと少しで10年というところですが、その目で見ても、世界自然遺産・知床は明らかに異質だからです。
これまでに2020年と2022年の二度、プログラム開発のために視察に訪れていますが、いったん足を踏み入れ、その空気を味わい、風景を見れば、ただちに圧倒的な実感が迫ってきます。
2022年・秋には、知床半島の世界自然遺産エリアの入り口付近にそびえる最高峰・羅臼岳に登ってきました。
これは海から眺めると、こうなります。
そして冬になると、海を流氷が埋め尽くします。
この流氷こそが、知床を世界自然遺産たらしめている象徴そのものです。
なぜなら、知床半島の特徴的な生態系の起点となっているから。
流氷が植物プランクトンをもたらしてくれる結果、豊かな海になり、植物プランクトンを餌に動物プランクトンが増え、それを餌にサケ・マスが育ち、それを餌にするヒグマや猛禽類を育み……という食物連鎖が成り立ちます。
ヒグマが世界有数の生息密度なのも、2m超のオオワシ、オジロワシ、シマフクロウが生息できるのも、海に目を向ければクジラやイルカがいるのも、すべては流氷の恵み。
地形・景色といい、自然の豊かさ、生き物の豊富さといい、ここが日本だとは信じられないほどの衝撃を受けます。
日本全国を見渡しても「ここだけだろう」という個性的な大自然。そしてそれはきっと、世界レベルで見ても同様なはず。だからこその世界自然遺産なんですね。
「サファリパーク」で止まっては超もったいない!世の中に広く目を向けるためのエッセンスが凝縮
まるでサファリパーク+水族館のような野生動物の宝庫・知床半島ですが、様々な野生動物に出会えたり、流氷で遊べたり、という要素は、実は、世界自然遺産・知床の魅力の一部でしかありません。
asobi基地ユニバーシティでは、そもそも大前提として(親の前にまず)子どもたちに「おもしろそう」と直感してもらうためにどうしたらいいかを、考えに考え、“野生動物探し” を全面に打ち出していますが、これはとっかかり・入り口に過ぎないんです。
圧倒的体験 × 世界自然遺産の知識=自分なりの化学反応を!
たとえば、流氷の上で遊べるのは、それは特別な体験ですし、楽しくもあるでしょう。
でも、その流氷には、いまお話したような、知床を世界自然遺産たらしめているストーリーがあります。
さらには、流氷はどこからくるのか(シベリアから来ます)、そもそも海で氷ができるにはどういう条件が揃わなくてはいけないのか、などなど、自然科学のクエスチョンも無数に存在するわけです。
ただ氷の上で遊んでおしまいだなんて、そんなもったいないことがあるでしょうか!!!
アプローチの仕方、そしてプログラムの作り方によっては、10代前半の思春期真っ只中の子どもたちに、何にも代えがたい興味・関心、そして好奇心が育つはずなんです。
身体=圧倒的に現実感のある体験と、頭=世界自然遺産を取り巻く知識を、同時に取り込んで、自分なりの化学反応を起こしてほしい!
「好奇心から出発して没頭することを、あたりまえの自分の「武器」にする。」を掲げるasobi基地ユニバーシティが目指すのはそこです。
学びを深めるパートナー「ピッキオ知床」
そのためには、asobi基地ユニバーシティだけの力では不十分です。人は誰しも得意分野や専門領域があるわけですから、素人が中途半端に手を出すのではなく、このasobi基地ユニバーシティ式知床プログラムにぴったりな人・組織を探したい。
実は、アプローチしてみて、空振りもいくつもありました。
組織が大きければいいとか、TV取材の実績がたくさんあればいいというわけじゃないんですね。asobi基地ユニバーシティの価値観に共感して、やりたいことを汲んで協力してくださる、そんな方たちでなければ実現は難しかったでしょう。
そしてついにたどり着いたのが「ピッキオ知床」のみなさんです。
「ピッキオ」は、軽井沢町でのツキノワグマ保護管理や、被害対策で実績があり、エコツーリズムはもちろん、小学生向けのツアーや講演なども行ってきているので、もしかしたら軽井沢に縁のある方はご存知かもしれません。
何より決め手だったのは、実際に「ピッキオ知床」のガイドツアーに参加してみて、ガイドさん一人ひとりが「ああ、この人たち本当に知床の自然や生き物が、自分なりに大好きなんだな」ということでした。
まるで、一人ひとりが、さかなクンのようなんです。たとえば、ナイトサファリツアーを担当してくれた竹下さんは、シマフクロウが大好きだとのことで、話を聞いていると興味が湧いてきます。
後日打ち合わせをしたホテルのロビーに実物大の木彫りのシマフクロウがあるとのことで、見に行ったのですが、「これはもう森の神様ですね」思わずポツリとつぶやいてしまいました。なにせ翼を広げると2mにもなる巨大フクロウなんです。
そんな竹下さん、メールアドレスには「owl」と入っていました。
お年ごろの子どもたちには、こういう大人にこそ会ってほしいですよね。教科書どおりに授業をするのではなく、自分が大好きだからこそたくさん語ってくれる。まさにasobi基地ユニバーシティにぴったりだと確信しました。
価値観/ルールからも感じられる世界自然遺産・知床の異質さ
雪のない季節、知床半島ではヒグマが当たり前のように出没します。私・よりかね隊長も、羅臼岳に登るために車で登山道入り口まで向かう最中に、遭遇しました。
道路際の場合は、車で通過してしまえば済む話ですが、散策路に出現した場合はどうすると思いますか?
人間の側が近づかない。
これなんです。ちょっと思い返してほしいのですが、日本の他の地域では「クマが出た」なんてことがあろうものなら、警察・消防が出動しての大騒ぎになります。そして猟友会に射殺されますよね。
しかし知床では違うんです。なぜなら知床は、ヒグマはじめ野生動物の場所として守ることを決めたから。人間のほうがお邪魔している、ということなんですね。
そんな知床半島でも、ヒグマが射殺されるケースがあります。
どういうときかと言えば、ヒグマが「人の近くに行けば簡単にエサが得られる」と学習してしまったとき。あるいは車に近づいてゆするなど、人や人の物に慣れすぎてしまった場合もそうです。
しかしこれ、ヒグマが悪いわけではありません。
なぜなら、釣った魚をいらないからと放置したり、森や山中に食べ物を持ち込んだり、あるいはサファリパークと勘違いして近づいて写真を撮影したり、すべては人間側の行動に原因を求められるからです。
「日本だけど日本じゃない異質の地」これは、自然の豊かさだけではなく、地域に通底する価値観やルール、掟からして違うんです。
こうしたことも、ピッキオ知床のみなさんや、asobi基地ユニバーシティのオンライン・オリエンテーション(クイズ大会方式で楽しんでいるうちに世界自然遺産を取り巻く基礎知識が入っていくようにします)などを通じて、子どもたちが感じられるようにしていきます。
子どもたちが何を感じ、何を得て、どんなふうに成長してくれるのか、本当に楽しみです。
期末テスト等が終了している3月上旬に実施
1つだけ大きな問題なのが、知床半島は1泊では難しい遠方であるにも関わらず、冬休み・春休みにはプログラムを実施できない点です。
なぜなら、流氷がオホーツク海を埋め尽くすピークは、2月中旬から3月上旬の限られた期間だけ。世界自然遺産・知床の象徴である流氷を肌で感じるには、どうしてもこの時期でなければいけません。
石垣島7日間生活の6月開催も同様なのですが、学校との兼ね合いが問題になります。
少しでも参加しやすいよう、中学生であればおおむね期末テストが終了している時期になる、3月上旬に設定しました。
こればかりは、学校を休んでください、とは言えませんが、それだけの価値があるかどうかご家庭で検討していただいて、参加可能な方はぜひお待ちしています。
首都圏だけでなく日本全国から参加OK!
これまで、関東を拠点とするasobi基地ユニバーシティは、首都圏からの参加を前提にプログラムを組み立ててきました。
しかし、これだけの「一生モノプログラム」をリリースするにあたり、居住地だけで可能性が限られてしまうのは残念すぎるとの思いから、日本全国から参加できるようにスケジュールを構成しました。
2023年以降の石垣島7日間生活を始め、飛行機を利用するような遠方プログラムの場合は、同様に日本全国から参加できるようにしていきます。
子どもだけで飛行機に乗るのは、LCCの場合には難しいケースも多いのですが、JAL・ANAは、子どもだけの搭乗サービスをそれぞれ用意しており、手厚く子どもを見てくれます。
asobi基地ユニバーシティでも、「親から遠方に旅立つ経験も、自分の世界を少しずつ広げる機会にしてほしい」との考えから、見守りサービスを行っていますが、これとて自分の力で行き来できる子が対象です(スタッフは、必要に応じて道中のアドバイスをしたり、イレギュラー発生時に相談に乗ったりする等の役割)。
むしろ航空会社の子どものみ搭乗サービスのほうが手厚いくらいです。
首都圏だけでなく、全国から好奇心いっぱいの10代が集まってくれることを楽しみにしています!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?