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食べものから見てみるノルウェー

幼い頃から、私は食べることが大大大好きで、大人になった今では料理することも大好きなので、ノルウェーに来てからもいろんなスーパーに行ってはどんなものがあるのか見たり、試しに買ってみたりしてルンルンしています♪

日本と違って、いいなと思うところ

ノルウェーに限らずヨーロッパでそうなってきているのだと思いますが、まず同じジャンルの製品にも選択肢が多い気がします。

例えば、種類に差はありますが、これらの製品は大抵どこのスーパーに行っても手に入れることができます。

平飼いたまご、平飼い鶏の肉。英語ではフリーレンジ(free-range)と呼ばれ、ノルウェー語ではFrigården, Frittgåendeと書かれていればそれに当たる。国によって基準は違うようだけど、基本的には鶏に与える餌に配慮しており、鶏たちが放し飼いになっているなどストレスを軽減した環境で育ったことを示す。

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↑この卵はFrittgåendeと書いてある。

グルテンフリー:パン、パスタ、製菓用粉ミックス、お菓子、ピザ、ピザ生地などがある。ノルウェー語ではGlutenfriと書かれていればOK。スーパーではグルテンフリー製品のコーナーがあることが多い。主に小麦アレルギーの人、健康意識の高い人が購入するイメージ。あ、あとスペルト小麦(古代小麦)のパンが普通にスーパーに売っているのがうれしい。😊

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↑ スーパーの「〇〇フリー」「〇〇不使用」製品のコーナー

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↑スペルト小麦100%のパン

ラクトスフリー:牛乳、ヨーグルトなどの乳製品に通常含まれている乳糖が含まれない製品。また通常の乳製品に代わるココナッツミルク、ライスミルク、オーツミルク、アーモンドミルクなど。ノルウェー語ではLaktosefriと書いてある。主に乳糖不耐症やアレルギーの人、環境に配慮した食事をしたい人が購入するイメージ。

砂糖不使用の食品:ジャム、ヨーグルト、上にあげたような植物由来のミルク、ジュース、rislunsjやhavrelunsj(ノルウェー語でリースランシュ、ハブレランシュ。日本にはそれほど種類はないけどグラノーラやオートミールなどの穀物をヨーグルトに混ぜて食べる軽食)など様々な食品があるが、砂糖の代わりに人工甘味料が使われている場合もある。ノルウェー語ではutensukker, uten tilsatt sukkerと書かれている。

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オーガニックの製品:チョコレートやクッキーなどのお菓子、その他の食品やお茶、お酒、洗剤、衣類(オーガニックコットン)、衛生用品(歯磨きペーストや化粧品、生理用品)など、食べもの以外も含めたあらゆるもの。ヨーロッパ認証のオーガニックマークがついていることが多い。

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↑(拡大しすぎた💦)左のがオーガニックマーク。日本でもよく見かける。

ベジタリアン/ヴィーガン向けの製品:ベジ(大豆)ミート、上に挙げたような代替ミルク、アイスクリーム、化粧品...などこれも枚挙にいとまがない。Veganのマークが付いていることが多い。あまり詳しく知らないがこのマークもヨーロッパ基準だと思われる。

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↑右のがVeganマーク。これは洗濯用洗剤の表示。

アニマルライツの保護を謳った製品:食品では見かけたことはないが(そんな製品あるのかな?)シャンプーや洗剤などの生活用品に多い。これもマークがついている。ノルウェーは権利意識の高い国()なので、動物の生きる権利を守る意識も日本の感覚よりは強いのかもしれない。が、多分ノルウェーに限らず欧米全体の動きとして重要視されているのだと思う。平飼い・放し飼いも動物の生きる権利を重視しているとも言える。

)本筋と関係ありませんが「権利意識の高い国」と表現したのは、個々人が自分の権利の範疇を認識しており、かつ、自分が持っている権利の存在や実態を主張する傾向が強い、という意味です。裏で文句を言わない、泣き寝入りをしない、と言ってもいいかもしれません。
例えば、学校や大学における klage(クラーゲ)という制度。
自分に返ってきた成績評価が不当だと思う場合、学生は先生に成績のグレードアップを交渉する権利があります。交渉の際には自分がやってきたどんなことがグレードアップの根拠となるかを説明した上で、先生に成績を見直すよう要求します。
これはあくまで一例であり、自分にどんな権利があり、その権利に基づいてどういう対応をしてもらいたいかを相手に主張することは、どんな場面でも起こり得ますし、社会生活において大切なことと考えられています。

スーパーによって品揃えが違うので、私は気に入ったものを買うために、スーパーを使い分けています。
というか、おいしいものや自分が気に入ったものを手に入れることが楽しく、そのほうが自分の生活が豊かになると思っているので、日本にいたときからずっとそうしています。

近年では、気候変動を阻止する動きも北欧を中心に広がっているので、企業が積極的に「環境に良いですよ!」と謳った宣伝文句をつけたりCMをつくったりしていて、一昔前には考えられないような「CO2 ○%削減!」と主張するパッケージも登場しています。

環境配慮は絶対に大切だけど、この傾向は企業側が利益向上のために便乗している感がちょっと強いなぁと、個人的には思っています。まぁ、ニワトリかタマゴか...って話なので、何とも言い難いですが。

...と食べもの以外にも話は及びましたが、とにかく選択肢が多いのは楽しいです。

また、こうした特別な製品と通常製品の値段にそれほどの差がないところも好きです。

日本ではオーガニック製品を扱っているお店を探して行ったり、ネットショップで取り寄せたりする必要もあるし、グルテンフリーやオーガニックの製品を買おうとすると、一般的なスーパーで買うよりかなり値段が高くなる印象があります。

ノルウェーでも通常製品に比べて高いは高いですが、あくまで選択肢の一つとしてオーガニックやグルテンフリーの製品も選べるといった印象であり、日本ほど大きな差はないように感じます。

これはノルウェーの物価の高さも影響していると思うけど、値段に差があるということは、むしろ日本では生産者側がいかに安く買い叩かれてしまっているかという証拠なのかな...とも感じています。

私のお気に入り製品

アーモンドミルク

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砂糖不使用でアーモンドの風味が強め。ちょっと杏仁豆腐っぽい感じ。他のブランドのも試したけど、これが1番好き。ただしRema 1000(レマ トゥーセン)というスーパーにしか売っていないが、どこにでもあるスーパーだから比較的手に入れやすい。

日本円にすると、1Lで380円程度。牛乳買うよりは高いけど、毎日大量に飲むわけじゃないし、日本でも砂糖・添加物不使用のアーモンドミルクを買ったら同じくらいだったと思っている...🙄(忘れた)

エスプレッソとアーモンドミルクラテにしたり、砂糖の入っていないカカオパウダーを溶いて自然な甘さのココアをつくったり。

グルテンフリーのパンケーキミックス

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これもRema 1000でよく買うもののひとつ。日本のパンケーキとはちょっと違って、薄めのがたくさんできるので、私は一度に大量にパンケーキを焼いて冷蔵庫や冷凍庫に保管しつつ、朝ご飯やおやつにジャムやフルーツと一緒に食べている。

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ノルウェーに来てから私がよく作っているもの

誰かを想って手間をかけて料理をする時間は、私の最高のリラックスタイム。と、書いておきながら、普段はすぐにお腹が空いちゃう自分のためにできるだけ時間をかけずに調理することが最優先なので、ここに載せるものは全く手間はかけていません(笑)
また、ノルウェーでどんなものをどんなふうに食べていたかの記録のためにも、メモしておこうと思います。ちなみにどれも日本でも同じようにできます。

オーブンで低温調理したチキン

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「鶏の皮やお肉の脂身が好き!」と言うと、日本でも海外でもドン引きされることも多いですが(笑)せっかくいただく命ならできるだけ多くの部位をおいしく食べたいもの。しかも鶏だったら皮を取り除く処理をしていない分(?)「骨つき・皮つき」のほうが、ササミ肉やムネ肉よりも安く売られているので、私にとっては一石二鳥!

強いて難点を挙げるとすれば、日本に比べて処理が雑!
というより、日本がいかにきっちり処理されてあるかがわかったというか。

例えば卵に鶏さんの羽がフワフワ〜ッとくっついていたり、皮つき肉の皮の表面にまだ羽の名残があったり...おぉ〜ワイルド😯 と思うこともしばしば。でもまぁそういうのは自分できれいに洗ったり、オーブンで最終的に高温で焼いたりすれば何の問題もないし、仮に口に入っても全てはたんぱく質だし、私はこのワイルドさ(より自然に近い感じ)が日本の製品にもあればいいのにな〜と思っています。

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で、このお肉の表面に自然塩を振り、オリーブオイルを塗り、トレイに水をうすーく張るように加え、100〜120度に熱したオーブンで1時間ほどじっくり焼きます。最後に200〜250度に一度温度を上げて表面をこんがりしても良いですが、必要に応じて。低温でじっくり時間をかけて調理することで、骨から身がほぐれやすくなります。

オーブンから取り出したら、そのままナイフとフォークで骨を取り除き、身を一口大にします。乾かないようにして冷まし、保存容器に入れて保存。
このチキンがあれば、パスタやサラダ、トルティーヤラップ、チャーハン、スープなど何にでもすぐに使うことができ、ケバブスパイスやカレースパイス、ハーブを使えばさらにバリエーション豊かにチキンを楽しむことができます。

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↑だいたい5〜6日で食べ終わる

基本的にオーブンに入れて放っておくだけなので、私は夕ご飯を作るのと同時に味付けをしてオーブンに入れて、夕ご飯を食べて片付けやその他のことを済ませてからオーブンから取り出し、味見をしながらタッパーにしまう、というパターンで作っています。

ちなみに日本にいたときは、オーブンより圧力鍋を使うことが多かったので、手羽元や手羽先を買って鶏出汁(チキンストック)と身に分けて料理によく使っていました。

鍋でじっくり煮た羊肉のポトフ

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こちらも一度鍋に入れたら放っておくだけ。ノルウェーは羊肉も結構いろいろあるのですが、日本のジンギスカンのように薄くして食べることはなく、大抵どでかいブロック。主にクリスマスの時期に食べるLammerål(ランメロール)↓なんかは、羊の脚そのもの。わ〜お😆

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さすがに大きいのは人数がいないと食べきれないので、私は骨の混じったブロックのを買っています。他の同量の肉に比べれば価格は安め。結構血が溜まっていることが多いので、よく洗うか、時間があれば少し塩水に浸けて血抜きをします。
こちら↓はすでに塩漬けにしてあり、そういう肉の場合は、ただの水に浸けて塩抜きします。ちなみに塩漬けはかなりしょっぱく塩抜きに時間かかるので、もう買わないことにする!

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鍋に羊肉を入れて、ざっくり大きく切ったにんじんと玉ねぎ(あればキャベツ)を入れて、ローレル数枚、ブラックペッパー(ホール)、塩と水(全体が浸るか浸らないかくらい)を加えて弱火で1時間以上。欲を言えばワインもほんの少し入れたい。最初だけ強火にしてもいいけど、噴きこぼれる可能性があるのと肉が硬くなるので、終始弱火がおすすめ。時間がないときは蓋を使うけど、使わなくても火力調整でどうにかなる。グツグツいう程度で吹きこぼれなければOK。

これもいつまで煮ていても問題ないけど、50分〜1時間30分煮ていればだいたい肉も野菜もとろけるほど柔らかくなります。骨がある場合は身と分け、ローレルを取り除き、羊肉の脂が固まらない温度まで冷ましてから保存容器に移します。

出来立てをそのまま食べても良いし、私は一口サイズに切ったじゃがいもを茹でてから加え一緒に温めて食べたり、ほうれん草を加えたり、スパイスやハーブを加えたりして食べてます。羊肉の良いところは、身体がポッカポカにあったまるところ。貧血やたんぱく質不足を防ぐためにも助かります。

また、年末にBigos(ビゴス)というポーランド料理をいただいたときに、羊肉と酸味の相性が良いと知ったので、最近はこのポトフにワインビネガーをかけて味の変化を楽しんでます。

日本でブロックの羊肉を買うのはなかなか難しいかもしれないけど、日本に帰っても、今のことを思い出してたまに無性に食べたくなる気がする、お気に入りの一品です。

キャロットラペ

にんじんをガリガリ削って酢漬けにしておくことで、野菜欲しいな〜というときにすぐに食べられます。フェタチーズを混ぜてサラダにしたり、ベビーリーフのサラダのドレッシングの代わりにしたり、トルティーヤラップの具材にしたり、パンの上にのせたりして食べてます。

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味付けは、自然塩・粗挽きブラックペッパー・オリーブオイル・いろんな種類が入ったドライハーブ・ワインビネガー。

使うお酢はどんな種類のお酢でもいいけど、私は今のところ白ワインビネガーを使っています。

本当はアルコールを加えていない天然醸造のお酢を使いたいけど、ノルウェーでは酸っぱい味を嫌う人も結構多く、あまり人気がないからか、お酢に関しては選べない印象。私はまだこれというものに出会えていない。

ちなみに日本のブランドでは、ミツカンの穀物酢は手に入ります。
酸味を求めつつ天然発酵の食材を手に入れるなら、輸入食品店にあるザワークラウトやピクルスは、きちんと発酵させているものもあるようです。
でも今度自分で作ってみようかな。

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ノルウェーに住んだら自分はどれほど日本の料理を恋しく思うんだろうか?どんなものが食べたくなるんだろうか?と、ドキドキ楽しみにしていた部分もありましたが、今のところ何も困らないというか、むしろここでしか手に入らないものを存分に楽しめている気がします。

ノルウェーでは、移民が多いこともあって国際色豊かな食品も手に入るし、工夫すれば日本的なものも自分で作れるし、食材の質や種類、調味料にも選択肢が多いし。

ただ、じゃがいもやにんじんなどの根菜を除き、野菜類は輸入が主流なので、野菜の種類の豊富さ・新鮮さ・おいしさ・栄養価の高さは日本には負けます。日本の自然の豊かさ、土壌の豊かさ、物流システムの素晴らしさを感じます。

日本にいてもノルウェーにいても、こうして食べものを通じて豊かな気持ちになれる時代・環境にいられること。幸せだなぁと感じます。

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