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中学7人制サッカーの可能性

都内の中学校部活動に広く携わるようになって2年が経過します。
そして昨年度、世田谷区で新しい取り組みをスタートさせました。
それは中学校部活動を対象にした、7人制サッカー大会の開催です。
中学校部活動はクラブチームと違って、公式戦と呼ばれる試合が少ないことが特徴です。予選リーグで敗退してしまう学校は、年間で経験する公式戦の試合数が5試合程度のところもあったりするのが実情です。
そこで中学校部活動が抱える課題を解決すべく、世田谷区中学校体育連盟サッカー専門部の先生方にご協力いただくことで、中学校部活動を対象にした7人制サッカー大会を開催することになりました。

この大会の趣旨としては、以下のとおりです。

1.すべてのチーム・すべての選手に試合の機会を提供すること
2.部員の少ない学校でもサッカーの試合の機会を創出すること
3.顧問教員の異動に左右されず、試合の場が在り続ける環境を整えること

1.すべてのチーム・すべての選手に試合の機会を提供すること

冒頭でも触れましたが、中体連主催の試合において予選リーグで敗退してしまう学校は公式戦の数が著しく少ないです。
学校によっては半年間ほとんど試合がないまま、次の公式戦に臨むところもあるほど。
加えて、都大会に進出するような学校でも1年生や補欠と呼ばれる選手は公式戦の出場機会が0(ゼロ)ということも。
こんな環境では、「サッカーがやりたい!」と思う選手はクラブチームに行ってしまうのは必然ですよね。
7人制サッカー大会では、公式戦の入っていない冬に開催をし、複数チームのエントリーを認めるなど、より多くの選手に試合機会を与えられるようなレギュレーションを設定しています。

2.部員の少ない学校でもサッカーの試合の機会を創出すること

どの地域でも学校部活動の部員減少が深刻化していきています。
サッカー部においては11人の人数が高いハードルで、部員は15人程度いるけれども、「平均して活動に参加する人数は10〜12人」といった学校も少なくありません。待ちに待った公式戦の日に集まった人数が10人でキックオフ時から数的不利なんてこともしばしば。
そんな環境で活動している学校は7人制サッカーは安心して試合に参加できる貴重な機会となっているようです。他にも、普段は2校合同で活動しているけれども、「7人制サッカーだと自校だけで参加できるので嬉しい」といった声もいただいています。

3.顧問教員の異動に左右されず、試合の場が在り続ける環境を整えること

そして最後に3つ目。
新年度になり、「これまで熱心に指導してくれていた先生が異動になってしまった」といった状況で、週末の活動がほとんどなくなってしまった学校もあるようです。
週末の活動がなくなってしまえば、必然的に対外試合の数も激減してしまう。これでは選手たちがかわいそうです。
ですから、公式戦とは別に7人制サッカー大会が在り続けることで、先生が誰になろうと、その地域の選手たちは試合の機会が得られる環境づくりをしています。

さいごに

今後も部活動において、1校あたりの規模は徐々に縮小していくでしょう。
そんな中で、サッカーを選択してくれた選手の活動を充実させること、成長できる環境を提供することは、我々のようなスポーツを支える側の大人の使命です。
人数が少ない学校も、人数が多くて全員に出場機会が与えられない学校も、7人制サッカー大会を活用して、すべての部員がサッカーを好きでい続けてくれるようになることを願っています。

また次回、7人制サッカーとはどんなものなのかを記事にしたいと思います。では、また。

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