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カメラを持ったファンは「熱狂的空間においてのデメリット」なのか

みなさま、こんにちは。
また「とある界隈」で不穏な話が挙がっていたので、個人的な意見というか、ちょっとした想いみたいなものを書いていきたいと思います。
「とある界隈」と主語をぼやかしていますけど、今回の話はおそらく「スポーツ観戦全般」に言える話題なのでは、と思っております。

事の発端

きっかけとなったツイートはスポーツ関係の起業家さんが試合中にファンが撮影した写真や動画に対して言及したものでした。
その起業家さんは、ファンの撮影に対して否定的な意見を出していた訳ではなく、むしろそういったファン(以下、撮影者)も含めてスポーツコンテンツを身近に…という発展を込めたものであると推測しています。

(引用)

「試合中の撮影禁止」は、あまりメリットがないと思ってる。配信権を独占しようと閉鎖的なルールにしてしまうと、そもそも知名度が上がらず配信を見る人も少なくなる。写真や動画をSNSに投稿できれば、スポーツコンテンツはもっと身近になる。人は魅力を知ってはじめて、試合や配信を観るんだと思う。

私もこの意見自体には賛成であります。
自分がカメラを持って撮影しているから…という、自分の行動に正当性を求めていると言われたらそこまでですけど、でも実際に友達やフォロワーさんが撮った写真や動画を見て「私も現地に行ってみたい」という気持ちになったことは何度もありますので、上記のツイートはとても説得力があると考えました。

実際だと、Jリーグはガイドラインを設けた上での投稿(収益化等もOK)を許可したり、Bリーグであれば15秒という制限はあるが動画投稿を許可していたり、スポーツによってはファンの撮影した写真や動画の投稿を受け入れているところもございます。
たとえば私はプロ野球…さらに細かく言うと独立リーグをよく撮ることがありますが、独立リーグに関してはファンの母数が少ないチームもあるので、そもそもファンが撮影する写真や動画自体がかなり貴重で、選手やチームにとってプレーを見返すことができる…といった利点があったりします。
(公式がそれをすべて行えることが一番ですけど、マンパワーの都合上厳しい場合もありますからね…)

閑話休題。

そんなツイートについた返信。
この返信主はとあるスポーツチームのトップです。その方の意見がこちら。

(引用)

禁止にはメリット無いは同意ですが、ルールを作らないと例えば全員撮影者になってしまった場合、会場の熱狂作りの観点からはデメリットも出るなと思ってます。現場重視の視点だと。
※撮影ルールがほとんど無いことで海外のコンサートでは観客がスマホで撮影しながら熱狂している、という返信に対する意見

(引用)

基本同意ですが、極端は例ですがスマホではなくて本格的なカメラを全員が持ち込んで撮影していた場合、歓声は殆ど無いです

もちろん、私も含めてカメラ(今回で言うと一眼レフといった物が該当)を持っていると撮影に集中してしまうので、応援に熱心な方のようにずっと声を出すことは厳しいかと思います。
(そもそも今現在はご時世的に声もほぼ出せてはいませんが…)
ですが、疫病以前ですと(私自身もですが)カメラを構えながら声を出して応援するという人も一定数存在していることを確認しています。もちろん私が見た限りのことなので、もしかしたら広い視点で見たら少数派になってしまうかもしれません。
が、上記の引用のように、極端な例とはいえ全員がカメラを持った観客席は本当に静まり返るものなのか、と言うと、それは胸を張ってYESと言うことは厳しいのでは…と思います。

この某トップの意見が一部ファンの間ででざわつき始めました。
極端な言い方にはなりますが「チームのトップが、一部のファンに対しては(ルールを設けない限りは)デメリットな存在だと思っていた」ということですし、当然荒れてしまうわけです。

撮影者の目的

そもそもスポーツ観戦のときにカメラを持って撮影する目的は何だと言われますと、私の場合は「漫画のような瞬間を自分でも残したい」というのが最初の目的でした。
昔はイラストをよく描いていたのですが、その資料を自分で調達するために撮っていたのです。
そこからだんだんとイラストではなくカメラがメインとなり、今では「備忘録」「"好き"の共有」と目的が変化しています。

「備忘録」というのはその名の通り、自分が見てきた景色を形として残すことですね。
基本的には自己満足でやっているだけですが、後から見返したときに「あー、こんなこともあったねー」とか「この瞬間残していたとか奇跡だわー」とか、笑って話せますよね。
前述しましたが、独立リーグとかですと、こうやって形として残すことで選手や関係者様も何かしらで見返すことができるので、使命感とかではないですが、行ける試合があれば可能な限りいろんな景色を残したいなと思っています。

「"好き"の共有」は、自分の推しているチームや選手のこういうところが「好きだよ!」と周り(主に友達やフォロワーさん)に見せて「あわよくば沼に落ちていただこう(ゲス顔)」って気持ちで載せていきます。
実際に沼に落ちてくださった方もいらっしゃるので、これからもいろんな「好き」を載せて、勝手ながらですけど地道にファンを増やしていきます。

あくまで私個人の目的であって、趣味の一環であり、自己満足でやっていることです。他の撮影者さんはきっと別の目的があるかと思います。
ですが、スポーツ会場にいらっしゃる撮影者さん全般に言えることは「自分の応援しているチームや選手を宣伝したい」気持ちって大なり小なり存在しているのでは、ということ。
そういった気持ちまでもが「デメリット」と否定されてしまうのは、やはり悲しいものがあるな…と思ってしまいます。

撮影者に対する偏見

今回の件に限らず、いろんなスポーツ観戦において定期的に出てくる、スポーツ会場に来られる撮影者さんに対する偏見。
「カメラで撮影する="応援"をしていない、試合を観ていない」というもの。
おそらく某トップもそういった偏見が心の奥底で存在していて、結果その発言に至ってしまったのかなと推測しています。
(あくまで推測です)

ですがこういった偏見は実際私も何度か見たことがありまして。この手の話題が出るたびに私は思うのです。

「いや、貴方の想像以上にカメラ持っている人って応援しているし、試合観てますよ?」

前述しましたが、カメラを構えながら応援する人は一部ではあるものの存在します。私の場合(もちろん疫病以前ですが)野球場でカメラを構えながら応援歌を歌ったりしたことは何度もございます。
声を出さずとも、心の中で祈ったりして応援する人だっています。声を出すことだけが応援ではありません。
熱狂的に応援する方と比べれば声量も何もかも負けているかもしれませんが、カメラを構えながらも応援したい気持ちで溢れている人もいることは、どうか理解してほしいです。

それに試合を観ていないという偏見に対しても、試合を観ていなきゃプレー全般撮れないんですよ、と言いたくなりますね。
野球に関しては物心ついた頃から観ているのである程度ここって場面が分かりますが、バスケットボールやバレーボールはテレビで観たことはあっても初見だと「どこ撮れば良いのさ…!?」ってなってしまい、試合展開を肉眼で見つつ、この辺かなと思い始めたら適当に撮る…。
そういった手順を踏み、回数をこなすことでようやくそれっぽい写真が撮れるようになっていました。
つまり、良いプレーを撮るためにはしっかりと試合を観ていないとできないことなのです。

おそらく「試合を観ていない」系の偏見は「肉眼で観ていない」という意味も含まれているかと思いますが、四六時中カメラ構えているのではなく、たまに腕の休憩も兼ねてカメラを下ろして肉眼で観たりしていることもあるので、まったくもって肉眼で観ていないわけではありません。
(もちろん全員が全員そうではないのかもしれませんが…)

邪険にする、ではない選択肢を

スポーツ会場に来られる撮影者さんに対して、こういった偏見が生まれたり、一部ファンから邪険にされてしまう要因は「悪目立ちする一部の撮影者」の存在かなと私は推測します。

席に浅く座って周りの視界を遮るような形で撮影したり…
人が通るはずの普通の通路を当たり前のように陣取って撮影したり…
(野球に限った話ですが)ネットに張り付いて周りの視界のことなんてお構いなしに撮影したり…
チアガールのローアングルを撮ろうとしたり…
選手の変顔を面白おかしく載せたり…
選手の着替えを撮って、半裸だなんだと載せたり…

上記はほんの一部だけですが、書くだけでも心苦しいレベルのものばかりで、悲しくなってきます。
たかがそれくらいで、と思う人も中にはいますが、ちょっとしたマナー違反やモラルのない行動で、(かなり極端ではありますが)「カメラ持ちはみんな悪だ」となってしまうことだって考えられます。
これを書いている自分も改めて気をつけなければ、と思いました。昔の話ではありますが、周りを考えない行動は私もしたことがありましたので、これは自戒も込めております。
マナーやモラルをしっかりと守らないと、自分たちの首を絞めてしまいますからね。

でも、それは逆の立場にしても言えることなのですよね。
例えば熱狂的に応援する方々が、何かしらマナー違反やモラルのない行動をとれば私たち撮影者からしたら「ちょっと引いちゃうな…」となってしまいます。
(実際、一部ファンの行動に辟易してそのジャンルから一時的に離れようとした…ってことはありました)

何でもかんでも邪険に扱って排除するのではなく、カメラを持つ人も持たない人も、(ご時世が許されたらですが)声を出して応援する人もしない人も、みんな巻き込んで、いろんな応援スタイルが存在して、どんな人でもウェルカムな環境にできるよう、主催者さんが整えていただけたら…と思います。
当然ながら、なんでもアリにして無法地帯になってはいけないのである程度の制約は必要だと思いますが、誰かが熱狂的な空間を阻害する「デメリット」になるのではなく、どんな人でもチームや選手を盛り上げてくれる「メリット」にさせられるようにしてほしいです。

そういった「共存できる空間づくり」を主催者さんが率先して行っていただけるなら、いちファンという微力な立場ではありますが、最大限の協力をしていきたいなと思えますね。

偉そうなことをずらずらと並べてしまいましたが、私は熱のこもった応援も、静かにお祈りしながらの応援も、カメラで写真や動画を撮って良さを伝える応援も、どれもこれも大好きな人間なので、どれかを排除しようなんて考えはとても寂しいし苦しいです。
どの応援にも良さがあるのですから、その良さが引き出せるスポーツ観戦であってほしい、そう願います。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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