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GLP-1のダイエット(体重減少)効果とは リバウンドを含めた解説

GLP-1受容体作動薬は、糖尿病の治療薬(血糖降下薬)の一つです。

GLP-1には、食欲を抑制し、食事摂取量を減らし、体重を減らす効果があると言われています。

欧米人の肥満者や肥満2型糖尿病の人に、GLP-1製剤を20週~56週間投与すると、3%~7%程度の体重減少効果が認められます。

しかし、日本人の2型糖尿病の人の場合は、セマグルチド(オゼンピック)以外のGLP-1製剤を常用量で投与しても、ほとんど体重減少効果は期待できません。

(セマグルチドには、日本人(平均体重70kg)に30週間投与した際に、平均2kg-4kg程度の体重減少を認めた報告があります。)

また、GLP-1製剤を投与して、体重が一旦減少しても、投与を中止すると、体重はリバウンドする事が報告されています。

日本人は、欧米人と異なり、GLP-1製剤による体重減少効果は乏しく、現時点で、日本人に投与した場合に、明らかな体重減少効果が期待できるGLP-1製剤は、セマグルチドだけです。

(ただし、セマグルチドも2020年に発売したばかりの薬のため、今後のさらなる調査が必要です。)

アスクレピオス診療院
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追記

巷でGLP-1ダイエットが流行っていますが、

実は、GLP-1ダイエットとして、リラグルチド(ビクトーザ)を投与しても、日本人では、ほとんど体重減少効果は期待できません。

ほとんどの医療機関が、薬剤情報や臨床研究の結果を確認せずに、イメージだけで販売しているのでしょう。

医薬品を用いたダイエット商法の実際は、

・本人の食事制限や運動などの努力で体重が減少した場合には、薬の効果があったと説明する。

・体重が減少しなかった場合には、もっと薬を続ける必要がある、もしくは、体質が合わないと説明する。

を行っているのではないでしょうか?

あと、いくつか体重減少作用のある薬はありますが、体重減少効果は、体重の5%未満で多くは3%未満です(60kgなら2kg痩せれば上出来)です。

もし、薬でそんなに簡単に痩せるなら、米国にあんなに肥満の人はいないと思いませんか?



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