足と未病②

前回からの続きです。
私の友人のお話です。
私の友人とはもう30年来のお付き合いです。
私は彼女と知り合った頃たまたま彼女の素足を見る機会がありました。
その時、両方の足の親指の爪が分厚くなっているのを見て、ハッとした記憶があります。
最近、私がフットケアをやっているという噂を聞きつけて連絡をくれました。
実は変形性股関節症になり、人工股関節の手術をすることになった。手術の前に爪を切って足をキレイにしてほしいという依頼でした。
その時、昔の彼女の足の爪を思い出し、30年以上も経って彼女の爪は大変なことになっているだろうな!と容易に想像ができました。
案の定、痛い足を引きずって腰を曲げて尋ねて来た彼女の爪、どころか足の甲から足の裏まで大変なことになっていました。
まず、爪は肥厚して全部巻き爪になり、足の指先や関節など靴に当たると思われるところは全て硬く分厚く肥厚した角質がいわゆるタコになっていました。
足の裏も土踏まず以外に全て角質ができていました。
股関節の痛みの原因は彼女の歩き方かもしれないと直感しました。靴の選定も勿論ですがやはり歩き方だと思ったのです。
「○○さん、たぶん股関節の痛みの原因はこの足だと思う。」と話すと「私の足、ひどいよね。でも、足のせいで股関節が悪くなるなんて思ってなかった」
私は爪切りや角質を削るなどのフットケアをしながら、なぜ爪が肥厚するのか、なぜ指先や関節などにタコができるのかを話しました。
「ヒールのある靴や合わない靴を履き続けて前のめりに歩いたりしてなかった?角質は酷使している皮膚を守るために出来るものだから。」「巻き爪は、足を正しく使って踏ん張りを入れないから爪が間違って伸びちゃうのよ。」と、話すと彼女は自分のそれまでの生活を振り返ったのかポツリと言いました。
「私は、いつも旦那さんや娘の事しか考えてなかったから。いつもあの2人のためにすごく無理してきたんだよね。」
「自分の足なんて最後の最後よ」
「だからこんななっちゃったんだね。」

つづく

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