β-94 AC 2020 その2

ここでは、ACジャパンの2020年度地域キャンペーンについてご紹介しようと考えております。

7地域の全作品、2019年度からの据え置きですが、ここまで特筆していなかったので、あっさりとしながらも、ちょっと書いてみます。

全国キャンペーンはその1、支援キャンペーンはその2、広告学生賞及びNHK共同キャンペーンはその4に書いておりますので、そちらもどうぞご参考に。

それでは、早速紐解いてまいりましょう。

数あるACジャパンのキャンペーンのなかでも、地域キャンペーンに関しては、その地域でも遭遇しづらい面があるので、公式サイト様様です。

テレビCMはすべて30秒、ラジオCMは40秒です。

やらなくちゃ!は、ちゃんとやらなくちゃ(北海道)

電通北海道制作のキャンペーンです。

2018年9月6日の北海道胆振東部地震が起こったときに、非常用のさまざまなアイテムを用意しなくちゃ、避難所を確認しなくちゃと考えたんでしょうなとは推察しています。

約2年経過して、大きな地震に関してはいまのところ起こっていませんが、あの時思った「~しなくちゃ、やらなくちゃ」ということをしっかりと実行していますか?

してるならその気持ちを忘れず、してなければ、ちゃんとやらなくちゃという内容のCMです。

テレビCMはモノクロトーンです、カラーが一切ない。

有事の出来事が起こった夜は、電気も止まって真っ暗になるということを暗示してるのかもしれません。

備えあれば患いなし、しっかりと用意いたしましょう。

未来に綴ろう、東北のこころ(東北)

東北6県出身の作家の一節をリレーしながら、それを通して特に東北の方々に向けて、大切にしていきたいこころ、継承していきたいこころなどを未来へ綴っていこうという内容の作品、東北博報堂制作です。

リレーは宮沢賢治(岩手・花巻)に始まり、志賀直哉(宮城・石巻)、太宰治(青森・五所川原)、小林多喜二(秋田・大館)、井上ひさし(山形・小松)、そしてアンカーは草野心平(福島・いわき)という順番です。

それぞれの一節をリレーすると、「前を向いて歩んでいこう」という文章になっているので、この組み合わせはなかなか素晴らしいなと思いつつ、6人それぞれのすべての作品が、必ずしも「前を向く」という趣旨の作品ばかりかというと「そうかな?」と思う部分もありますが。

ただ、東北出身者とお話しした時には、なにかしらのたくましさや目に見えぬ何者にも代えがたき強さがあるなあと感じました、ほかの地域と比べて。

きっと、寒さのなかで、自然のなかで、風習を通して、染みついてきたものがあるのかなぁとはうっすらと、でもその実態は出身者でもないので憶測の域は出そうにないのでこの辺にして。

知ってくれていた人。(名古屋)

電通名鉄コミュニケーションズ制作のキャンペーンです。

ヘルプマークは、列車の優先席付近や駅構内のポスターなどでその存在を認知している方は多くいらっしゃるでしょうし、実際に見かけたという方も多くいらっしゃることでしょう。

なぜ、ヘルプマークを身に着けなければならないのか、それは外見ではどういうものを抱えているかがわかりにくいけど、時と場合によって援助や配慮が必要になってくる場面が現れるからであり、そうした場合に遭遇したら席を譲ったり、声を掛けてみたりということをお願いしますという内容の広告であります。

もともと、東京都によってつくられたヘルプマーク、東京をはじめとした首都圏で配布されていたようですが、その後全国展開され、2019年には愛知県でも実施されるようになったということで、その普及活動も含めて、こうした広告キャンペーンを始めたのでしょう、制作会社が電通名鉄コミュニケーションズということで、今度名鉄に赴いた際は、そんな表記の広告があるか確認したいところですね。

3時4時のうた(大阪)

制作は電通関西支社です。

犯罪発生率ワースト1の大阪府、夜間の犯罪もさることながら、下校時の誘拐や性犯罪も多く発生していることも問題視されていることから、今回はそこにクローズアップして広告展開を図ろうという目的があったんでしょうか、いや、きっとそうでしょう。

お昼の3時から4時は、ちょうど下校の時間帯、その時に外に出る用事を集中させて、周囲の目を増加させて、犯罪件数を減らしていこうという趣旨の広告です。

さすがは、ACジャパンの発祥地でもあり、関西という特性もあるのか、普及させて定着させていくやり方が巧いですね、3時4時のうたを歌だけでなく、振り付けもしっかり用意しているあたりがまた。

あとは放映回数によりけりかな、定着度は。

夏の3時4時に外出するのは、なかなかに暑くてヘビーだろうけどね、出かけるときは暑さ対策も忘れずに。

防念会やろう。(中四国)

電通西日本制作、この作品も2020年度のキャンペーンであるんだろうけど、「集まり」という題材の特性上、敬遠してしまいがちになりそうな内容です。

もちろん、災害というものはいつやってくるかもわかりませんし、「"密"を避けている時期か、ほなら後回しにしましょうか」というほど自然もお人よしではないですし、そんなことを考えてると牙を剥いて試練を与えるものが災害です。

それ故に、日頃から地域の行事に参加して、顔を合わせることが有事の際にお互いに助けやすくなることにもつながります。

地域のおまつりや催事は、別の言い方をするならば、"防"災に"念"を入れる"会"、略して"防念会"、忘年会と掛け合わせてますが、べつに忘年会の時期でなくても、"防念会"となるのです。

とは言っても、地域行事に参加する気はそれほど・・・という層は絶対にいると思いますし、私もその一人です、恥ずかしながら。

でも、顔を出すだけでも大切だと思うので、その気持ちは忘れずに。

現在では、そうした祭りが感染対策のために軒並み中止・無期限延期になっているものもあるので、"防念会"の開催はまだまだなのかもしれませんが、また開催出来たのなら、ちょっとはあるべき日常に戻ってきてるのかなという感想を思い浮かべております。

ところで、このナレーションは「はじめてのおつかい」みたいな感じがしたのだけど、気のせいかな?

いつか来る日のために(九州)

電通九州制作のキャンペーンです。

NHKでも流れます、最後は「公共放送、NHK」ですけれども。

なお、新聞広告にはQRコードがついており、以下のサイトも特設に作られているくらいに力が入っていますが、その認知度は如何ほどなのか。

ひとまず、載せておきます。

内容としては、先述した北海道地区のキャンペーンとほぼ同じなのですが、こちらのほうがよりわかりやすいかなという印象を受けます。

専用サイトまで作られており、どんなモノを用意すればいいのか、非常時のココロの備えはどうしたらいいのかなど、端的にでも的確に載っているなという認識です。

雨が降ったら傘をさすのは、雨雲の動きや天気予報の動向から、対策しやすいけれど、災害というものは予測しにくい。

地震とかは特に、でも起こってしまってからでは遅い。

傘の模様に必要な防災グッズを描いて、それを上から撮影して、備え終わったら、傘をたたむという演出。

暗さや怖さで強調せずに、必要なことを無駄なく収めているなという印象を持ちました。

時々、私もこのサイトを巡回しておこうという気持ちになりました。

キャンペーンが終わったら、もう閉鎖してしまうのかな、勿体ない・・・。

1日1チムグクル(沖縄)

ブレーン沖縄が制作した沖縄地区の広告キャンペーンです。

「チムグクル」は、思いやりや優しさ、気遣いの意味を表す沖縄の方言です。

決して検索するという意味ではございません。

それこそ1日100ググルはしてそうな世の中ですが、チムグクルにもたまには目を向けて。

歌とナレーションは、夏川りみさんです。

りみさん、こんな曲調も唄うんだという意外性もありながら、視聴してました。

1日に1回、小さな思いやりを持って過ごしていきましょうという趣旨の内容です。

ラジオCMのバスや"モノレール"というのが沖縄らしさがありますね。

他の地区なら間違いなく"電車"になってたことでしょう。

チーム♡グクルのメンバーはどれくらい増えているのでしょうか?

それは、ちょびっと気になりますね。

さて、地域キャンペーンをひと通り見ましたが、東日本は全体的にまじめさが漂い、西日本では、全体的に明るめの印象を持ちました。

この方針は、地域差によるものもあるのかもしれませんが。

年度別にもよるのかな、実際に九州地区の一つ前のキャンペーンはけっこうシリアスだったことだし。

とりあえず、今回はこれにて。

あした・の・β<ベータ>でした。

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