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要介護・要支援の原因から考える「高齢者フットケア」の必要性

「国民健康基礎調査」をご存知ですか?

厚生労働省が毎年、国民の健康に関わる事項のデータをとっています。

2019年の「要支援・要介護になった主な原因」の表がありました。

私が興味深く見たのがこの表です。

2019国民生活基礎調査

出典:2019 国民健康基礎調査

要支援・要介護の原因に転倒・骨折あり

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上の表の青枠が要支援になった原因の上位3つ、赤枠が要介護になった原因の上位3つです。

1位、2位の原因は違いますが、3位の「骨折・転倒」はどちらにも入っています。

上の原因を見ながら考えました。原因はそれぞれ、関係のないように見えますが、実は繋がりがあるのではないでしょうか?

下のイラストを見てください。

介護につながる悪循環

悪循環

例えば膝に痛みがあると、歩きたくなくなりますよね。

歩きたくないので外出を控えます。歩行の量が減ります。

運動量が減るので、筋力も低下します。

筋力が落ちると、代謝も悪くなり食欲も湧きません。

ますます筋肉の量が落ち込みます。

筋力が落ちると、運動能力も落ちます。バランス力も低下し「転倒」のリスクは高くなります。

もしも、転倒から骨折の事態になると安静期間が発生します。

高齢者の「安静期間」は、とても怖いです。

なぜなら、命取りになることがあるからです。

「安静期間」を発生させないケア

安静期間が長くなり、思うようにリハビリが進まないと、そのまま車椅子生活になってしまうこともあります。

また、動かないと認知機能も低下します。認知症を発症したり、初期の認知症が進むこともあります。

お元気だった方が、一度の転倒でガラリと様子が変わってしまうことを見かけます。

車椅子は免れても、足元が不安定になり、介助が必要になることもあります。

例え少しの変化だったとしても、介護者の負担が増え、生活が大きく変わってしまうこともあります。

要介護の始まりは、思いがけない原因のこともある

膝痛でお悩みの方は多いでしょう。私がお世話になっている整形外科でも、多くの方がリハビリや理学療法に通院しています。

フットケア外来をご利用の方の中にも、膝痛をお持ちの方がいます。

膝痛のお客様に共通していることがあります。

フットケア外来をご利用の膝痛の方の共通点。それは・・・足の変形が進んでいることです。

外反母趾は典型的な足の変形です。タコやウオノメ、巻き爪の原因になるばかりか、運動機能の低下の原因にもなります。

外反母趾が進むと長く歩くと、足に痛みが出たり疲れやすく、膝にもひびいてくると言う人もいます。

足裏のアーチが崩れ、衝撃を緩和できないのですから当然です。

まさか外反母趾から、要介護につながるなんて・・・と思うかもしれませんが、関係は密接です。

足元環境を整えよう

外反母趾を治すのは容易ではありません。ですが、快適に歩くために足に合う靴を選ぶことは足のためにも体のためにも大切です。

しかし外反母趾は、ピッタリ合った靴を見つけることが難しいです。

そんな時はオーダーで靴をつくるか、インソールで調整をしましょう。

足に合った靴を履いていれば、自然とタコやウオノメができることがなくなります。

膝痛は、足の痛みをかばいながら歩いていた結果の可能性もあります。

※原因は外反母趾だけとは限らないので、必ず受診をお願いします。

もし、ウオノメや巻き爪が痛む時は、フットケアで痛みの緩和をしましょう。

例え、腰や膝とは遠い部位の痛みだったとしても、関係していることもあります。

痛みをかばった歩き方をしていると、体の他の部位に負担がかかり次のトラブルに発展することもあります。

小さなトラブルでも、放置せずに悪循環を止めることが、要介護予防です。

その中のひとつに、フットケアがあり高齢者にはとても大切なケアなのです。






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