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タイのコーヒー文化 スペシャルティコーヒーへの道 ①甘い食文化

タイのアイスコーヒーは凄く甘い。売られている飲み物が全般に甘い。水以外すべてが甘いとは言えないまでも、ついこの前までペットボトルの日本茶ですら甘かった。タイ語はできなくても、甘くないドリンクの注文の仕方を覚えた人も多いのでは?

なぜ、こんな甘党の国でスペシャルティコーヒーがこんなに広まったのか?

南へ行くほど料理が甘くなる現象は、日本でも同じで九州の醤油は甘いし、味噌も甘い。

人は暑いと甘いものを欲する。暑いとカロリーを消費する為の生理現象かもしれないけど、そもそも南では年中甘いフルーツが採れることもあり、甘さへの耐性も強い気がする。

また、甘味には中毒性がある。その依存度からマイルドドラッグとも言われている。

特にタイはドリンクだけでなく料理にも砂糖をたくさん使うので、コクを出す為の大切な要素となっている。砂糖だけなくココナッツシュガーも重要な甘味の調味料。とにかくタイ人は甘いものが好きだし、実際に糖尿病患者も多い。タイ料理は年々甘さが増している話もあるようだ。

さて、本題のコーヒーに戻ると。
そんな甘党の国で砂糖だけではなくミルクも入れないスペシャルティコーヒー文化がなぜここまで広まったのか?

そもそもコーヒーはタイへいつ、どこから来たのか?
1800年前半には、貿易先のヨーロッパから流れこんだようだ。日本だと江戸時代にあたる。
栽培の記録としてはロブスタ種は1904年に、アラビカ種はすでに1950年からスタートしているようだ。その後、ラーマ9世(プミポン前国王)がケシ撲滅を目指し、ゴールデントライアングルでケシ栽培のかわりにコーヒーの栽培をロイヤルプロジェクトとして進めた歴史がある。(公表から参考)

そのゴールデントライアングルから、現在のタイ産のアラビカ種の栽培や処理方法が模索され、スペシャルティコーヒーへの発展へと繋がっている。

深いローストのエスプレッソ、練乳とミルクの泡をクラッシュアイスに注ぐ。

そして、甘いコーヒーの歴史にもふれておくと隣国のベトナムコーヒーも練乳ドバドバで甘くて有名。ベトナムだけでなく東南アジア全般にどこでもカフィーは甘い。

なんでそんなに練乳が好きなのか?
そもそも練乳ってなに?
実は、簡単に作れる。ミルクに砂糖を入れて煮詰めるだけ。
なんで東南アジアで練乳が流行ったのか?
それは保存し易いから。暑い地域でこのアドバンテージは大きい。そもそも食文化は、保存度にも依存している。
そこへ、欧州やフランスのカフェ文化が流れ込み、コーヒーにミルクが、コーヒーに練乳となった経緯があるようだ。そして、それがタイにも浸透し、タイの甘いコーヒー文化が出来上がった。

以上が、タイの甘党と簡単なコーヒー文化の流れをまとめてみた。
次回は、タイのスペシャルティコーヒーの話へ進めたいと思います。



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