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Withコロナ時代のアジアビジネス入門㊶「インド北東7州とJ-Popのサウンド」@インドロックバンドAvora Records.

モンドロイド系のセブン・シスターズ
 不覚にも紅茶の産地で有名なインドのアッサム州はネパールの南側に位置すると思い込んでいました。地図を見ると、インドの“飛び地”のようにバングラデシュ、ミャンマー、ブータン、中国に囲まれた北東部にあります。同州をはじめ“飛び地”の北東7州(アッサム、アルナーチャル・プラデーシュ、メガラヤ、ミゾラム、シッキム、ナガランド、マニプール)は「セブン・シスターズ(Seven Sister States)」と呼ばれています。この地域の人々は日本人とよく似たモンドロイド系の民族です。
インパール作戦と中国との係争
 しかし、過去に遡れば、そこは第2次世界大戦で日本軍史上最も無謀な戦いと言われたインパール作戦の戦場であり、現在は中国とインドの軍が国境付近でにらみ合う係争地になっています。一方、北東7州は人口4,600万人を抱え、日本に比較的近い食文化を持ち、インドの主要都市への出稼ぎではホスピタリティー、アパレルなどのサービス業界に従事する者が多くいます。
ロックバンドAvora Records.とJ-Pop
 興味をもってネットをみると、北東7州のうち、ミゾラム州の州都アイゾール出身のポップロックバンドAvora Records.のメンバーが日本人そっくりで、そのサウンドもどこか日本のバンドの響きで親しみを覚えました。軽刈田 凡平(かるかった ぼんべい)氏の「アッチャーインディア 読んだり聞いたり考えたり」によると、2016年に結成されたAvora Records.の(YOUTUBE→)曲Sundayはタイトルに「日曜日」という漢字が使われ、「インド人だけどどこか日本のバンドっぽいバンド」という印象と書かれています。
『ドラゴンボールZ』『ポケモン』を見て育つ
 彼がAvora Records.にメールでインタビューしたところ、次の答えが返ってきました。
 <僕たちの音楽は、ローカルの要素や欧米の要素が多いから、J-Popという呼び方は合わないと思う。でも日本のカルチャーは僕らにとって馴染み深いものだよ。僕ら『ドラゴンボールZ』とか、『ポケモン』、『デジモン』、『ふしぎ遊戯』や『烈火の炎』みたいなクラシックな日本のアニメを見て育ってきた>
インド北東部からの「介護」実習生
 私がインド北東7州に関心をもったきっかけは、毎日アジアビジネス研究所シニアフェローでインドビジネスコンサルタントの荒木英仁氏が4月23日のONLINE講座(同研究所主催)の後、アッサム州の女子学生が介護の技能実習生として日本で研修することのお手伝いをしていると話されたことでした。日本人によく似た同州の実習生なら介護を受ける日本のお年寄りも親近感をもつのではないかということでした。出入国在留管理庁によると、2019年の国別技能実習生数はトップがベトナムの204,586人、2位が中国の77,901人、インドは9位の225人でした。荒木氏は大手広告代理店「アサツー・ディ・ケイ」(ADK)インド法人社長を務めた後、ニューデリー郊外の新興都市グルガオンで日本企業のインド展開や日本企業との提携を求めるインド企業を支援しています。インドをこよなく愛する日本人の代表格です。アッサム州からの介護の実習生が日本とインド北東7州の関係の新たな歴史の幕開けになることを祈っています。

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