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Withコロナ時代のアジアビジネス入門③ 「コロナ対策に漢方薬の効用」@ONLINE講座中国編(2)

  新型コロナの感染防止には有効な治療薬・ワクチンの登場が待たれる。今回の危機を契機に中国ではONLINE医療が急加速している。そして、高齢者の介護の最前線はどうなっているのか。
 毎日アジアビジネス研究所は「Withコロナ時代のアジアビジネス入門ONLINE講座」を開設しました。最初のシリーズ「陳言の中国ビジネス<北京からの最新報告>(2)治療薬・ワクチン開発競争の裏側 対応急ぐ介護・医療イノベーション」(5月8日開催)で、経済ジャーリストの陳言氏はコロナ対策として漢方薬が見直されているなどと語りました。

タバコの葉を活用したワクチン開発にも注目
   ――治療薬・ワクチン開発についてどうですか。
 「あまり報道されていないが、(最初に感染が拡大した)武漢に派遣された医療チームは漢方薬に注目しました。その効用を研究しています。(漢方のうち葛根湯などはどうかの質問に)葛根湯はあるでしょう」
   「日本の田辺三菱製薬の取り組んでいるタバコの葉を活用したワクチン開発も注目されています」
「中国では(治療薬・ワクチンなければ)2020年の冬から2021年春のパンデミックの広がりに危機感をもっている」
 講座の参加者からは「フランスではニコチンで新型コロナへの感染を抑制できる可能性があるとの研究結果が発表されたが、タバコの葉を活用したワクチンと関係があるのか」「中国では医者の社会的地位はあまり高くない印象だが、全土に広がった場合、対応できるのか」などの質問がありました。
 ――ONLINE医療についてはどうですか。
 「中国ではIT(情報技術)を活用して通信に医療ばかりでなく、教育、商品購入も融合しONLINE化が急加速している。しかも、医療分野において中国は多くのデータを持っている。最高水準の医療技術を持つ日本と協力することは可能だ」

 ――中国は急速に高齢化者を迎えています。介護の最前線はどうなっているのですか。
 「最初に武漢で感染者が確認された直後、一番早く閉鎖したのは老人ホームだった。親類も一切面会できない措置をとった。介護の分野は日本がノウハウをもっており、大いに提携できる分野だと思う」

 コロナ後の中国「新規基礎インフラ建設」構想

 参加者から、ONLINE医療などとの関連で「(中国のマクロ経済政策を担当する)国務院国家発展改革委員会が4月20日、新型基礎インフラ建設(新基建)の概念を示した。新基建の3つのインフラ分野(情報・融合・イノベーション)において日本企業が対応していくべき方向性が教えてほしい」と要望がありました。陳言氏は新基建の概略を説明しながら「こうした分野は50兆人民元(750兆円)の経済規模になっていくだろう」と話しました。新基建については講座(3)(4)でも引き続きフォーローしていきます。

【陳言の中国ビジネス】
(3) 5月15日(金)19:00~20:30 「アリババクラウド、オンライン教育のリアル ! 膨れ上がるオンライン市場」
https://china-biz3.peatix.com/

(4) 5月22日(金)19:00~20:30 「ビックデータ王国の変貌で日本はどうなる?『内製化』する中国経済」
https://china-biz4.peatix.com/


■講師 陳言(ちんげん)
 毎日アジアビジネス研究所シニアフェロー、NewsPicks プロピッカー(コメンテーター)、日本企業(中国)研究院執行院長、経済ジャーナリスト
 1960年、北京生まれ。82年、南京大学卒。82-89年『経済日報』に勤務。89-99年、東京大学(ジャーナリズム)、慶応大学(経済学)に留学。99-2003年萩国際大学教授。03-10年経済日報月刊『経済』主筆。10年から日本企業(中国)研究院執行院長。現在は「人民中国」副総編集長も務める。


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