Withコロナ時代のアジアビジネス入門⑪「ベトナムのコロナ封じ込めは<庶民の緊迫感>がカギ」@【予告】ベトナム・ビジネスONLINE講座
ビジネスに必要なことは本質を見極める視点
「ベトナムがコロナ感染対応に成功したのは庶民に緊迫感があったから」
「ベトナムの『交通の法則』にこそ、臨機応変、融通無碍なベトナムの特質がある」
日越大学(ハノイ)学長の古田元夫さんとじっくりと話し、古田さんの視線が常にベトナムの庶民に向けられていると感じました。古田さんは東京大学でベトナムの近代史を研究し、その後、生涯にわたってベトナムに関わってきた専門家です。
「庶民のパワーがベトナムの活力である」と強調する古田さんの変わらぬ視点こそ、ベトナムが同じ社会主義国でも中国とは違った道を歩んできたことを示していると思います。そのことを学術的、歴史的に掘り下げているのが著書「増補新装版 ベトナムの世界史: 中華世界から東南アジア世界へ 」(UPコレクション、東京大学出版会)です。ベトナムの近現代史の基本書といわれ、中国研究の専門家からも評価を得ている名著です。
アジアビジネスを知るには、各国の政治、社会、文化を知ることが必要だと思います。ビジネスはITやイノベーションによって進歩しますが、何よりも必要なことは本質を見極める確かな視点ではないかと考えます。
国際人材の育成に生涯をかける
古田さんが学長を務める日越大学はアジア屈指の国際人材を育成するため日越両国の共同声明のもと2016年にベトナムのハノイに設立された大学院です。今年9月には大学を開校します。東京大学を退官した後、古田さんは日越両国のみならず、アジア、世界の将来のため、古典などのリベラルアーツも体得した確かな視点を持つ国際人材の育成に残りの人生をかけています。
毎日アジアビジネス研究所は(案内動画→)アジアビジネス入門ONLINE講座を開設しました。中国編、インド編に続き、ベトナム編「古田元夫のベトナム・ビジネス」を6月19日からスタートします。
是非とも、古田さんのONLINE講座で、そもそも「ベトナムの本質とは何のか」を聞いていただければと思います。ベトナムへの変わらぬ思い、そうだからこその厳しい見方は、古田さんの飾らない真摯な人柄と相まって心にも響くと思います。
【アジアビジネス入門シリーズ3「古田元夫のベトナム・ビジネス」】
①6月19日(金)19:00~20:30
驚異のコロナ感染「死者数ゼロ」 ベトナムの国家と社会 交通、住宅、出稼ぎ
https://viet-biz1.peatix.com/view
ベトナムはコロナ感染「死者数ゼロ」で対策に成功した国に挙げられます。そうしたベトナムの国家とは何なのか。そして、その社会、交通、住宅、出稼ぎの現状はどうなのか。ベトナムはチョン共産党書記長兼国家主席、フック首相の現指導部の任期が終了し、来年には新体制に移行します。ベトナム研究の第一人者である古田氏が独自の視点でエピソードを交えながら解説します。
②6月26日(金)19:00~20:30
中国から生産拠点移転へ ベトナムの外資と裾野産業
https://viet-biz22.peatix.com/view
中国からベトナムへ生産拠点を移転する日系企業が目立ちます。ベトナムは順調な経済成長によって最貧国から中進国(2010 年)に仲間入りしました。そのけん引力は高い成長率を示す外資部門でしたが今後はどうなのか。サプライチェーンの再編で中国からベトナムへのシフトも注目されていますが、裾野産業の形成が遅れている現状も指摘されます。ハノイから古田氏が最新情報と現状分析を交えて報告します。
③7月3日(金)19:00~20:30
ベトナムの高度人材とは?アジア屈指の人材育成目指す日越大学
https://viet-biz3.peatix.com/view
IT分野のエンジニアをはじめ文系事務でもベトナムの高度人材・高度専門職人材は日系企業にとって必要とされる人材になっています。日越両国政府の共同声明をもとにベトナム国家大学ハノイ校の7番目の大学として開校した日越大学はアジア屈指の人材育成を目指しています。大手の日系企業に人材を輩出する日越大学は何が違うのか。教育者として人材教育・育成にあたる古田氏がハノイから「ベトナム人材」の最新報告をします。
■講師 古田元夫(ふるた・もとお)
日越大学(ハノイ)学長、東京大名誉教授、毎日アジアビジネス研究所シニアフェロー
東京大学でベトナム現代史を研究し、95年に東大教養学部教授。2001-03年総合文化研究科長・教養学部長、2004-05年副学長、2009年東京大学附属図書館長。2015年定年退職、東大名誉教授。16年にハノイで設立された日越大学初代学長に就任する。日本ベトナム友好協会会長。著書は「増補新装版 ベトナムの世界史: 中華世界から東南アジア世界へ 」(UPコレクション、東京大学出版会)など多数。
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