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Withコロナ時代のアジアビジネス入門⑨「<政治の季節>のベトナム 経済や人材政策はどうなるのか」@ベトナム・ビジネスONLINE講座

   ベトナムはコロナ感染対策に成功した国の一つにあげられます。ベトナムは今年、水面下で次期体制に向けての権力闘争といえる「政治の季節」を迎えています。チョン共産党書記長兼国家主席、フック首相の現指導部の任期が終了し、来年には5年ぶりの新体制に移行するからです。トップのチョン氏が退任し、後継者に誰がなるのか。コロナ対策で手腕を発揮したフック氏が後継になるのか、それとも「第3の人物」なのか。
  アジアビジネスは政治に左右される側面があり、それは経済・金融政策にも顕在化します。今でこそ、躍進目覚ましいベトナムですが、そもそもベトナムとはどういう特性をもった国なのか。日本の経済を支える存在になっているベトナム人材を今後、どうとらえたらいいのか。
 毎日アジアビジネス研究所は(案内動画→)アジアビジネス入門ONLINE講座を設立しました。中国編、インド編に続き、ベトナム編「古田元夫のベトナム・ビジネス」をスタートさせます。講師はハノイ在住の日越大学(ハノイ)学長で東大名誉教授の古田元夫氏です。著書の「増補新装版 ベトナムの世界史: 中華世界から東南アジア世界へ 」(UPコレクション、東京大学出版会)はベトナムの近現代を知るための基本書といわれています。
 裾野産業の育成や大卒人材の活用に課題
 古田氏は5月18日付の毎日新聞朝刊「ベトナム特集」で高木香奈・アジア総局長(バンコク)のインタビューに次のように答えています。
 <ベトナム経済は今後しばらく順調な成長を続けるだろう。民間企業が育ち、新型コロナ対策にも成功し、自信を深めている。ただ、ものづくりといった堅実な分野に力が入っていないのが問題だ>
 <進出した外資系企業を支える裾野産業の育成が遅れ、工業化が熟成する前に第3次産業の割合が高まる事態が懸念される。国内の大卒人材の活用もうまくいっていない。海外への出稼ぎを巡る悲劇はここ数年、ベトナム国内でも相当報道されており、リスクへの認識は広がっているはずだ。しかし、まだ経済的チャンスが強調されて伝わっていることが、密航の動機となっているのかもしれない>
 <新型コロナで生まれた、国境を越えることへの制約と人々の抵抗感が、違法な出稼ぎの歯止めにつながるかどうかはまだ見通せない。悲劇を防ぐには、短期的にはベトナム政府側が仲介業者の取り締まりに本気で取り組み、受け入れ国政府もチャンスとリスクの情報をきちんと伝えることが必要だ>

ベトナム・ビジネスやベトナム人材に関心のある方にONLINE講座をお勧めします。
【アジアビジネス入門シリーズ3「古田元夫のベトナム・ビジネス」】 
①6月19日(金)19:00~20:30
驚異のコロナ感染「死者数ゼロ」 ベトナムの国家と社会 交通、住宅、出稼ぎ

https://viet-biz1.peatix.com/view
 ベトナムはコロナ感染「死者数ゼロ」で対策に成功した国に挙げられます。そうしたベトナムの国家とは何なのか。そして、その社会、交通、住宅、出稼ぎの現状はどうなのか。ベトナムはチョン共産党書記長兼国家主席、フック首相の現指導部の任期が終了し、来年には新体制に移行します。ベトナム研究の第一人者である古田氏が独自の視点でエピソードを交えながら解説します。
②6月26日(金)19:00~20:30
中国から生産拠点移転へ ベトナムの外資と裾野産業

https://viet-biz22.peatix.com/view
 中国からベトナムへ生産拠点を移転する日系企業が目立ちます。ベトナムは順調な経済成長によって最貧国から中進国(2010 年)に仲間入りしました。そのけん引力は高い成長率を示す外資部門でしたが今後はどうなのか。サプライチェーンの再編で中国からベトナムへのシフトも注目されていますが、裾野産業の形成が遅れている現状も指摘されます。ハノイから古田氏が最新情報と現状分析を交えて報告します。
③7月3日(金)19:00~20:30
ベトナムの高度人材とは?アジア屈指の人材育成目指す日越大学

https://viet-biz3.peatix.com/view
 IT分野のエンジニアをはじめ文系事務でもベトナムの高度人材・高度専門職人材は日系企業にとって必要とされる人材になっています。日越両国政府の共同声明をもとにベトナム国家大学ハノイ校の7番目の大学として開校した日越大学はアジア屈指の人材育成を目指しています。大手の日系企業に人材を輩出する日越大学は何が違うのか。教育者として人材教育・育成にあたる古田氏がハノイから「ベトナム人材」の最新報告をします。

■講師 古田元夫(ふるた・もとお)
 日越大学(ハノイ)学長、東京大名誉教授、毎日アジアビジネス研究所シニアフェロー
 東京大学でベトナム現代史を研究し、95年に東大教養学部教授。2001-03年総合文化研究科長・教養学部長、2004-05年副学長、2009年東京大学附属図書館長。2015年定年退職、東大名誉教授。16年にハノイで設立された日越大学初代学長に就任する。日本ベトナム友好協会会長。著書は「増補新装版 ベトナムの世界史: 中華世界から東南アジア世界へ 」(UPコレクション、東京大学出版会)など多数。 

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