見出し画像

Claude3 Opusで短編小説を生成させてみた

前回、前々回のGPT-4o、Gemini1.5 Proに続いて、今回はClaude3 Opusで短編小説を生成させてみます。


今回も性能のチェックなので、人間は編集していません。

結論としては、ユーモアの表現が上手だなと感じました。「私はペンギンですが、タキシードを着ているからってウェイターと間違えないでくださいよ」とか、「ペンギンは、海を泳ぎ、陸を歩く。二つの世界を生きる生き物です」から多様性の話につなげるのとかはエスプリに富んでいますね。

一方で「Change! Yes, We Can!」は、オバマ元大統領のキャッチコピーですね。オマージュというべきかどうかは微妙なところです。

ストーリーもGemini1.5 Proの方が良いですね。GPT-4oと比べても、Claude3 Opusは劣ると思います。具体的には、起伏が弱いですね。最初に主人公をドン底に落とすのはある種のパターンであり、どのモデルでもできていますが、Gemini1.5 ProやGPT-4oはこのドン底状態がある程度長いのに対して、Claude3 Opusはすぐにポジティブにしようとします。多分、倫理制限が強く効きすぎているのかな。プロンプトでサポートすれば改善できるかもしれませんが、使いづらさはありますね。

3つのモデルの長所・短所が見えてきたので、それは別の記事にまとめようと思います。

第一部

 朝日が道に差し込み、人々が忙しなく行き交う中を、私は颯爽と歩いていた。シルクハットに身を包み、モノクルをキリリと決める。今日から、私の大統領選への道のりが始まるのだ。

 選挙事務所への道すがら、私は街の壁に書かれた落書きに目を奪われた。『ペンギンに投票するな!』人種差別的な言葉の数々。私の心は痛んだが、同時に、この問題に立ち向かう決意も固まった。

「よし、街頭演説だ!」

 私は街角に立ち、通行人に呼びかけた。最初は皆、訝しげな目で見ていたが、私は めげずにユーモアを交えて語り始めた。

「皆さん、私はペンギンですが、タキシードを着ているからってウェイターと間違えないでくださいよ。ペンギン差別はいけません!」

 聴衆からクスクス笑いが漏れる。いい感触だ。私は調子に乗って続ける。

「私がアメリカ大統領になったら、ペンギンも人間も、皆が対等に暮らせる社会を作ります。そのためには、偏見という壁を打ち破らねばなりません。皆で羽を取り合い、共に生きる。それが私の目指す世界なのです!」

 演説に熱が入る。聴衆もだんだん私に引き込まれてきた。頷く人、拍手する人。私は叫ぶ。

「Change! Yes, We Can! ペンギンも人間も、一つになってアメリカを変えよう! 共に未来を切り拓こう!」

 割れんばかりの拍手が沸き起こる。私は翼を振って応えた。初演説は大成功だ。

 その夜、私は事務所で仲間たちと喜びを分かち合った。

「素晴らしかったよ、ペンギン! これからもその調子で頑張ろう。」
「サンキュー。私には希望がある。この国に平等をもたらしてみせる!」

 ペンギン大統領への第一歩を踏み出した。私の挑戦は、まだ始まったばかりなのだ。

第二部

 大勢の観衆が見守る中、候補者討論会の会場に足を踏み入れた。緊張感が張り詰める。司会者の合図で、私たち候補者が一斉に壇上に上がる。人間候補が3人、そして私。場違いな姿だと思っているのは、きっと私だけではないだろう。

 討論会が始まった。経済政策、社会保障、環境問題。論点は次々と移っていく。私なりの見解を述べ、持論を展開する。しかし、移民問題で思わぬ質問を受け、窮地に立たされてしまった。

「ペンギンのくせに、移民を語る資格があるのか?」
 ライバル候補の鋭い指摘。会場が一瞬静まり返る。

 私は目を閉じ、深呼吸をした。そして切り返す。

「皆さん、私はペンギンとして生まれ、人間社会で学びました。移民がもたらす文化の多様性の尊さを、身をもって体験したのです。」

 自分の留学経験を語り始めた。故郷を離れ、言葉も文化も異なる地で暮らす難しさ。そこで感じた孤独と憂鬱。しかし、理解し合おうとする友人たちとの絆。私はペンギンの比喩を用いて、聴衆に問いかけた。

「ペンギンは、海を泳ぎ、陸を歩く。二つの世界を生きる生き物です。一方の世界の住人になろうとして、もう片方を捨てる必要はない。多様性を認め合うこと。それが私たち皆の潤いのある未来につながるのです!」

 会場から大きな拍手が沸き起こった。私は翼を広げ、聴衆に感謝の意を示す。ライバル候補は悔しそうに唇を噛んでいた。

 討論会後、支持者たちが駆け寄ってきて祝福してくれた。

「流石だよ、ペンギン候補! あんたの言葉には心打たれるものがあるね。」
「ありがとう。君たちの理解と支援があるから、私は前に進める。共に這い上がろう!」

 私は溜息をつきながら、夜空を見上げた。果てしなく広がる星空。この国のどこかで、私と同じ思いを抱えて生きる仲間がいる。彼らの心の声に応えるのが、私の使命なのだ。

第三部

 選挙戦もいよいよ終盤。選挙事務所では、皆が息を詰めて開票速報に見入っている。テレビのモニターに、次々と票数が表示されていく。しかし、私の名前はなかなか上位に現れない。

「ウォドル候補、伸び悩んでるな…」
 若きスタッフの呟きが耳に突き刺さる。焦燥感が胸を締め付ける。

 ふと、隣で両親が手を握り合う姿が目に入った。温かな眼差しが、私の心を軽くする。いや、まだ希望を捨てるわけにはいかない。私はペンギンとして生まれ、人間社会の荒波をくぐり抜けてきた。最後まで戦い抜く、それが私のペンギン魂だ。

 開票が佳境に入り、各候補の票数が拮抗してきた。会場の空気が一層熱を帯びる。そして、ついに決定的な瞬間が訪れた。

「当選が確実となりました。アメリカ合衆国の新大統領は…ペンギン・G・ウォドル!」

 アナウンサーの声が、雷鳴のように会場に轟く。歓喜の声、溢れる笑顔、飛び交う抱擁。私の視界が滲む。涙が頬を伝った。

 胸を震わせながら、私は家族や仲間たちを抱きしめた。

「みんな、ありがとう。私一人の力では何もできなかった。この勝利は、君たち皆のおかげだ。」

 私は両翼を大きく広げ、雄叫びを上げた。ペンギンが、アメリカ大統領に選ばれた。歴史的快挙だ。しかし、この勝利は新たな始まりに過ぎない。共生社会の実現。私の真の戦いは、これからなのだ。

 エピローグ

 大統領就任式。私はペンギン姿でカメラの前に立ち、宣誓を行った。

「私は、人とペンギンの共生する社会を、必ず実現します。多様性を認め合い、共に手を取り合う。それが、私たちの目指す明日なのです!」

 群衆から喝采が沸き起こる。私は感極まって涙を流した。

 ペンギンの姿で大統領となること。それは、私が背負った使命だ。この国のために、この時代のために、私は泳ぎ続ける。陸の上で。そして、海の中で。

(了)


原案:葦沢かもめ
執筆:Claude3 Opus



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?