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Gemini 1.5 Proで短編小説を生成させてみた

昨日、GPT-4oで短編小説を生成してみたので、比較としてGemini 1.5 Proでも同じプロンプトで試してみました。

今回も性能のチェックなので、人間の編集はなしです。

所感をまとめると、GPT-4oやこれまでのGPT-4を触った感じよりやや文章がうまい印象。Claude3と同じくらいかな?という感触なので、Claude3でも試しておきたい。描写はGeminiの方が好きだけど、生成のランダム性もあるし、個人的な嗜好の範囲かな。

物語の起伏はいまいち。GPT-4oと同じようにプロンプト側で面白くなるように指示していますが、効いてないのかも。Geminiで効果的に反映されやすいプロンプトを探索する必要がありそう。勝手に結末をハッピーエンドにする力はGPT-4oより明らかに弱めなので、そこは使いやすそう。


ペンギン大統領候補

第一部

凍てつくような風が吹き荒れる南極大陸。分厚い氷の層を切り出す機械の轟音が、静寂を打ち破る。僕はその音にかき消されないように、精一杯声を張り上げた。「おい、こっちのも切り離せたぞ!」
仲間が器用にクレーンを操作し、巨大な氷塊がゆっくりと持ち上がる。僕らはペンギン族が経営する漁業会社で働いている。氷山を切り出して、その下にいる魚を捕獲するのが僕らの仕事だ。
「ペッパー、お前、最近ぼーっとしてること多くないか?何か悩みでもあるのか?」
先輩のロイが心配そうに声をかけてきた。鋭い視線で見つめられると、隠し事はできない。僕は招待状のことを打ち明けることにした。
「実は…アメリカ大統領選に立候補しないかって招待状が届いたんだ」
ロイは目を丸くして、しばらくの間、何も言わずに僕を見つめていた。そして、大爆笑した。
「なんだそりゃ!アメリカ大統領だって?お前、政治のことなんて何も知らないだろう!」
その通りだ。政治なんて僕には全く関係ないと思っていた。平和に魚を捕って、家族と穏やかに暮らしたい。でも、招待状には「ペンギン族初のアメリカ大統領」と書いてあったんだ。
「もし僕が大統領になったら、人間社会とペンギン族の関係がもっと良くなるかもしれない。南極の環境問題だって訴えられるかもしれない…」
ロイは僕の言葉を遮って、真剣な顔で言った。
「ペッパー、お前は本当に優しいやつだ。でも、大統領なんて大変な仕事だぞ。人間社会は複雑で、ペンギン族が簡単に理解できるような世界じゃない」
ロイの言葉が胸に刺さる。確かに、僕は政治のことは何も知らない。でも、ペンギン族のために何かできることがあるなら、挑戦してみたいという気持ちが芽生えてきた。
「やってみるよ、ロイ。僕なりに頑張ってみる」
僕は決意を込めてそう言った。ロイは少しの間、考え込むような表情をしていたが、すぐにいつもの笑顔に戻った。
「そうか!お前がそこまで言うなら、俺も応援するよ!ペンギン族初のアメリカ大統領か…面白そうだな!」
ロイは力強く僕の肩を叩いた。僕は不安と期待が入り混じった気持ちで、アメリカへ向かうことを決意した。

第二部

華やかなイルミネーションで彩られたアメリカの大都市。行き交う人々、けたたましいクラクションの音、高層ビル群の眩い光。全てが僕を圧倒した。南極の静寂とはまるで違う世界だ。
僕は慣れないスーツに身を包み、選挙キャンペーンの真っ只中にいた。ペンギン族初のアメリカ大統領候補として、連日、街頭演説や討論会に追われている。
「ペンギンが大統領?そんなのありえない!」
「魚しか食べないペンギンに何がわかるんだ!」
心無い言葉が浴びせられる度に、胸が締め付けられる。ロイの言葉が頭をよぎる。「人間社会は複雑で、ペンギン族が簡単に理解できるような世界じゃない」
支持率は一向に上がらず、僕は次第に自信を失っていった。ペンギン族であることを理由に、僕の訴えはまともに聞いてもらえない。
「もう、やめようかな…」
僕は弱音を吐いてしまった。すると、選挙スタッフの一人、エミリーが僕の肩をそっと抱き寄せた。
「ペッパー、大丈夫。あなたはペンギン族の希望なのよ。諦めないで」
エミリーは僕を励まそうとしてくれたが、気持ちは晴れない。ペンギン族である僕が、人間社会で大統領になれるはずがないんだ…
その時、あるアイデアが閃いた。僕はペンギン族特有のユーモアと機転を活かして、演説の内容を一新することにした。
「皆さん、こんにちは!ペンギン大統領候補のペッパー・アイスバーグです!」
僕は聴衆に向かって、深々と頭を下げた。そして、こう続けた。
「私はペンギンですが、アメリカを愛しています!確かに、私は魚が好きです。でも、ステーキだって食べられますよ!…ええ、少し食べにくいですが…」
僕はわざとぎこちなくステーキを食べる仕草をして見せた。聴衆からクスクスと笑いが漏れる。
「私はペンギン族の代表として、人間社会とペンギン族の橋渡しになりたいと思っています。私たちは共に、この地球を守っていかなければなりません!」
僕は熱意を込めて訴えかけた。すると、嘲笑していた人々の表情が徐々に変わり始めた。僕の言葉に耳を傾け、真剣な眼差しで僕を見つめる人々が増えていく。
「ペンギンでも、大統領になれるかもしれない…」
僕は再び希望の光を感じながら、演説を続けた。

第三部

熱気に包まれた大統領選挙の最終演説会場。幾重にも重なる人々の熱気は、南極の凍えるような寒さとは全く違う。僕はスポットライトを浴び、演台に立っていた。今、僕の言葉は全米へと届けられている。
「皆さん、こんばんは!ペンギン大統領候補のペッパー・アイスバーグです!」
大歓声と拍手が会場を揺るがす。僕は深呼吸をして、心を落ち着かせた。ペンギン族と人間社会の未来がかかっている。
「私は、この選挙キャンペーンを通して、多くのことを学びました。人間社会の素晴らしさ、そして、ペンギン族として、自分にできることの大きさ…」
僕はこれまで出会った人々、そして、南極に残してきた家族の顔を思い浮かべた。
「私はペンギンです。でも、アメリカを愛しています。そして、すべての人の幸せを願っています!」
会場は静まり返り、僕の言葉だけが響き渡る。
「地球温暖化は、ペンギン族にとって大きな脅威です。しかし、それは人間社会にとっても同じです。私たちは共に、この地球を守っていかなければなりません!」
僕はペンギン族ならではの視点から、環境問題の深刻さを訴えかけた。
「ペンギン族は、助け合いの精神を大切にしています。私たちは、困っている人がいれば、種族を超えて手を差し伸べます。人間社会にも、そんな優しさが必要です」
僕は平和と共存の大切さを訴えた。会場からは、共感の拍手が湧き起こる。
「私は、ペンギン族初のアメリカ大統領を目指しています。しかし、それは、ペンギン族だけが幸せになるためではありません。人間社会とペンギン族が手を取り合い、より良い未来を築くためです!」
僕は力強く宣言した。会場は再び熱狂に包まれ、割れんばかりの拍手と歓声が鳴り響いた。
選挙の結果は、明日わかる。僕が大統領になれるかどうかは、まだわからない。しかし、僕は確信していた。
この選挙キャンペーンを通して、ペンギン族と人間社会の距離は確実に縮まった。そして、僕自身も、大きく成長することができた。
僕は、希望に満ちた表情で、会場を見渡した。僕らの未来は、まだ始まったばかりだ。


原案:葦沢かもめ
執筆:Gemini 1.5 Pro (プレビュー版、Google AI Studio)

おまけ

ちょっと文体を変えてやってみた。意図した文体通りにはなりませんでしたが、第一幕と第三幕の冒頭が呼応しているのがいい感じ。文脈把握能力は高そうなので、長編でも検証したいですね。

ペンギン大統領候補、南極からやってきた!

第一幕:ペンギンの挑戦

ワシントンD.C.、俺の選挙事務所の一室。窓の外には、ペンギンにとっては眩しすぎるほどの太陽がさんさんと降り注いでいる。アスファルトからは陽炎が立ち上り、排気ガスと熱気でむせかえるような空気が流れている。
「ああ…、南極が恋しいなぁ」
思わず故郷の風景を思い浮かべる。青い空の下、どこまでも続く白い雪原。キリリと冷たい空気、そして新鮮な魚介類…。いやいや、今はそんな感傷に浸っている場合じゃないんだ。
俺はペンリー。南極ペンギン共和国からやってきた、アメリカ大統領候補だ。…と言っても、世間的には泡沫候補扱いだけどね。
「今日も演説か…。はぁ…」
机の上の演説原稿には、人間の政治システムや歴史、経済政策といった、正直チンプンカンプンな単語が並んでいる。南極で政治学を専攻した俺だが、アメリカ大統領選ともなると話は別だ。
「そもそも、なんで俺がこんなこと…」
ため息をつきながら、窓の外を眺める。行き交う車、高層ビル群、騒がしい人の群れ…。ここには、俺の故郷にはないものがたくさんある。それは刺激的であると同時に、とてつもない不安と孤独を感じさせるものだった。
最初のうちは、物珍しさからメディアも取材に来てくれた。だが、愛らしいペンギンの候補者なんて、所詮は話題作りでしかない。政策の中身よりも、蝶ネクタイの柄や、よちよち歩きの方が注目を集める始末。
「くそう…、俺だって真面目に訴えたいんだ!」
ペンギンだって、高度な文明を築き、独自の文化と歴史を育んできた。人間社会の抱える問題だって、他人事とは思えない。温暖化の影響は、南極の環境を蝕み、ペンギン社会の未来をも脅かしているんだ。
「どうすれば、俺の声は届くんだ?」
焦燥感に駆られ、思わず事務所の中を歩き回る。すると、壁に飾られた一枚の写真が目に入った。それは、故郷の海で、仲間たちと泳ぎ回っている俺の姿だった。
「そうだ…!」
閃いた俺は、すぐに選挙キャンペーンマネージャーのリンダに電話をかけた。
「もしもし、リンダ? 明日は Potomac 川で演説をするぞ! いや、演説じゃない。泳ぐんだ!」
電話の向こうで、リンダは怪訝そうな声をあげた。だが、俺は構わず続けた。
「心配するな! ペンギンは泳ぎのプロだ! きっと、みんなを驚かせてみせる!」
ペンギンらしく、大胆な行動で注目を集める。それが、今の俺にできる唯一の突破口だったんだ。

第二幕:政治の荒波

俺の選挙事務所は、連日押し寄せる報道陣とボランティアで溢れかえっていた。殺到する取材依頼の対応に追われるリンダは、疲労困憊しているものの、どこか誇らしげな顔をしている。
「ペンリー、あなたって人は…!」
昨日のPotomac 川でのパフォーマンスは大成功だった。スーツ姿のまま川に飛び込み、悠々と泳ぎ切る俺の姿は、全米中の注目を集め、ニュースやSNSで拡散された。
「ペンギンが泳ぐのは当たり前だろ?」
俺は少し照れくさそうに笑った。しかし、人間社会では、それが大きなインパクトを与えたようだ。俺の演説会場は、連日満員となり、熱狂的な支持者で埋め尽くされるようになった。
「ペンリー大統領!」
「ペンギンパワー!」
会場に響き渡る歓声、握手を求める人々の熱気。それは、紛れもなく本物の熱狂だった。しかし、その熱狂の裏側で、大きな闇が蠢いていることを、俺はまだ知らなかった。
「ペンリー候補、あなたに対する捏造記事が出回っています!」
リンダが血相を変えて事務所に駆け込んできた。手には、今日の新聞が握られている。一面には、大きく見出しが躍っていた。
「ペンリー候補、南極で巨額の資金洗浄疑惑!」
記事の内容は、全くのデタラメだった。南極ペンギン共和国は、助け合いを重視する共同体主義社会であり、そもそも金銭の概念すら存在しない。
「一体誰がこんなことを…?」
混乱する俺に、リンダは静かに告げた。
「ジョンソン大統領です。彼はあなたの勢いを恐れて、あらゆる手段を使ってあなたを陥れようとしています」
現職のジョンソン大統領は、汚職まみれの悪徳政治家だ。権力にしがみつくためには、どんな汚い手を使うことも厭わない。
「どうするんだ、ペンリー…」
リンダは不安げな表情で俺を見つめる。俺は、ペンギンらしく、正直に事実を伝えようと決意した。
「記者会見を開くぞ! そして、全てを正直に話すんだ!」
リンダは驚いた顔をしたが、すぐに力強く頷いた。
「わかりました。私も全力でサポートします!」
記者会見場には、多くの報道陣が集まった。俺は、緊張しながらも、落ち着いてマイクの前に立った。
「私は、南極ペンギン共和国の代表として、アメリカ大統領選に立候補しました。人間社会とペンギン社会が共存できる未来を、私は心から望んでいます。そして、私は正直に生きてきました。記事の内容は、全て事実無根です!」
会場は静まり返った。ペンギンである俺が、人間の政治の場で、ここまで正直に発言することが、彼らは予想だにしなかっただろう。しかし、俺は続けた。
「私は、ペンギンです。嘘をつくことなどできません! 私は、これからも正直に、誠実に、選挙活動に取り組んでいきます!」
会場から、大きな拍手が巻き起こった。それは、ペンギンの正直さが、人間の心を動かした瞬間だった。

第三幕:希望への挑戦

ワシントンD.C.、俺の最終演説会場。巨大なホールは、熱狂的な支持者で埋め尽くされ、星条旗と南極ペンギン共和国の国旗が、会場を埋め尽くす人々の熱気で揺れている。
「ペンリー! ペンリー!」
地鳴りのような歓声の中、俺は演壇に上がった。ジョンソン陣営の妨害工作にも負けず、ここまで来られた。今、この瞬間、アメリカの歴史を変えるチャンスが目の前にある。
「皆さん、こんばんは! ペンリーです!」
会場は、割れんばかりの拍手と歓声に包まれる。俺は、深呼吸をして、落ち着いて語り始めた。
「私は、南極ペンギン共和国からやってきました。人間社会とペンギン社会の未来のために、アメリカ大統領を目指しています!」
俺の言葉に、会場は静まり返る。人々は、真剣な眼差しで俺を見つめている。
「人間とペンギンは、違う生き物です。文化も、歴史も、違います。でも、地球という同じ星に住む仲間です」
俺は、力強く訴えかける。
「温暖化の影響は、南極の環境を蝕んでいます。ペンギンたちの未来も、危ぶまれています。私たちは、手を取り合い、この危機を乗り越えなければなりません!」
会場から、大きな拍手が沸き起こる。人々は、ペンギンである俺の言葉に、真剣に耳を傾けている。
「私は、アメリカ大統領として、人間とペンギンが共存できる社会を実現したい! 誰もが、差別や偏見なく、幸せに暮らせる世界を作りたい!」
俺の言葉に、会場は熱狂の渦に包まれた。人々は立ち上がり、ペンギンと人間の未来をかけた戦いに、共に立ち上がることを誓い合った。
選挙の結果は、僅差でジョンソン大統領の再選となった。会場に、落胆の声が響き渡る。しかし、俺は、晴れやかな気持ちだった。
「ペンリー、よく頑張ったわ」
リンダは、涙ぐみながら俺の肩を叩いた。
「ありがとう、リンダ。でも、これは終わりじゃない。始まりなんだ」
俺は、未来への希望に満ちた表情で言った。
「ペンギンと人間が、共に手を取り合う未来。その実現に向けて、俺はこれからも戦い続ける!」
ペンギン大統領の夢は、叶わなかった。しかし、俺の挑戦は、アメリカ社会に大きな変化をもたらした。人々は、ペンギンとの共存について、真剣に考え始めた。そして、ペンギンと人間が手を取り合い、共に未来を創造していくための第一歩を踏み出したのだ。


原案:葦沢かもめ
執筆:Gemini 1.5 Pro (プレビュー版、Google AI Studio)

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