【かもめAI小説塾】連想からアイディアを作ろう
今回は、連想をすることで物語のアイディアを作る方法を紹介します。
連想してみよう
『華氏451度』や『火星年代記』で有名なSF作家、レイ・ブラッドベリは、名詞のリストを作り、その名詞を選んだ理由や、そこから連想するイメージを元にストーリーを作っていたと語っています [1]。ここでは、その創作法を応用してみましょう。
アイディアを連想するフレームワークに「マインドマップ」という手法があります。これは中心に出発点となる単語を置いて、その周りに連想する単語を書いて線で結び、さらにその周りに……と続けていって、最終的にクモの巣状に単語のネットワークを作るという方法です。
紙のメモ用紙でも、パソコン上のテキストエディタでもいいので、あなたが今までに生きてきた経験や思い出、感情、好きな作品などを思い浮かべながら、自分の心に引っかかる名詞を並べてみましょう。例えば、筆者なら「ガラス、風船、地図、石ころ……」といった感じです。
それができたら、さらにそこから連想の中心となる単語を選んで、そこから連想する内容を書き出してみます。先程の例で「ガラス」を選ぶなら、「ビン、試験管、窓、水槽……」という感じでしょうか。さらに「試験管」から「理科室」を思い出し、「水槽」から「メダカ」をイメージしていくと、「ガラス、試験管、理科室」や「ガラス、水槽、メダカ」という単語のつながりができます。これを小説のアイディアとして入力してみましょう。もしかしたら、あなたのイメージに沿ったアイディアが生まれるかもしれません。
生成例)
もちろんです!以下に、「ガラス、試験管、理科室」をテーマにした短編小説のアイディアを5つ提案します。
秘密の実験
理科室でひそかに行われている夜間の実験。主人公は偶然その実験を目撃し、そこで生成される謎の青い液体に興味を持つ。その液体は人の記憶を操作できるという驚異的な効果があることを知り、それを利用して学校内の問題を解決しようとするが、次第に事態は思わぬ方向へ転がっていく。最後の試験管
地球外から送られたとされる未知の試験管が理科室の引き出しの奥で発見される。試験管内の物質は、触れるものすべてをガラス化する特異な性質を持っている。学校はそれを隠し続けていたが、その秘密が学生によって明らかにされることから、彼らは自分たちの道徳と科学の限界に挑むことになる。ガラスの予言
ある日、理科室で行われた化学実験が失敗し、その結果、試験管から漏れ出した液体がガラス板に奇妙な模様を描く。その模様が未来の出来事を予言しているという噂が広がり、生徒たちはその予言を解読し、次に起こる出来事を予測しようとする。透明な迷路
新しい理科教師が生徒たちとの最初のプロジェクトとして「透明な迷路」の作成を提案。生徒たちは試験管と特殊なガラスを使って、光と影を操る複雑な迷路を作り上げる。このプロジェクトを通じて、協力と創造性の重要性を学びながら、互いの隠された才能や弱点に気付くことになる。禁断の実験
学校の伝説に語り継がれる禁じられた実験が、ある生徒によって再現されることに。その実験はガラスと試験管を使って特殊な光を生み出すもので、その光には人を別の次元へと導く力があるとされていた。興味本位で実験を始めた生徒たちが見たものは、想像を超える異世界の光景だった。
これらのアイディアを基に、興味深い短編小説を書かれることを願っています。それぞれのアイディアが想像力を刺激し、創作のインスピレーションにつながれば幸いです。
この方法に慣れてきたら、日頃から気になるものをメモしておき、そのストックの中からお題を選ぶとよいでしょう。その言葉を選んだというところに「自分らしさ」が芽生えるはずです。
マインドマップは、別にAI執筆でなくても使える手法なので、もちろん自分だけで小説を書く場合にも使えます。こうした引き出しをひとつひとつ自分の中に蓄えておくことが、クリエイターとしての実力にもつながります。
この方法をただ「こうすればAIを使ってうまくアイディアを出せる」と覚えるのではなく、「アイディアを出す方法の一つにマインドマップがあり、AIに指示する時にも活用できる」と応用が利く形で覚えておきましょう。
この方法からさらに一歩も二歩も進んで高度なこともできるようになりますが、それはまた次回。
参考
[1] レイ・ブラッドベリ. サム・ウェラー, 『ブラッドベリ、自作を語る』(小川高義訳), 晶文社, 2012
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