#7 犬がいない生活は考えられない!生活も仕事も「ドッグファースト」で愛溢れるトリマー
芦屋町の商店街の中にある“ DOG SALON&CAFE ARALE ”は、犬のトリミング・ケアなどを行うサロン・カフェです。店主の中西美穂さんは、歴17年のベテラントリマーで、このお店は今年で12年目を迎えます。9割がリピーターであるこのサロンは、犬と飼い主にとって憩いの場となっています。そんな素敵な空間を創った中西さんに、トリマーになった理由やドッグファーストの生活のこと、犬好きの視点で考える芦屋港の活用についてお聞きしました!
Q どのようなトリミングを行っていますか?
スキンケア・健康に特化したトリミングをしています。毛穴の汚れを専用の機械で取り除き、保湿して肌の健康状態を保つような施術をします。肌が突っ張っていると気になってかきむしり、出血することもあるので保湿などで防ぎます。また、界面活性剤不使用のシャンプーを使い、販売しているドッグフードも無添加で健康に配慮しています。市販のドッグフードに含まれる添加物が、下痢やストレスに繋がることも多いですからね。
Q カフェはどのように利用できますか?
トリミングを待っている間に、飼い主さんたちがソフトクリームを食べたりドリンクを飲んだりしています。当店のお客さんは、遠賀郡内や北九州市などからも来られるので、ゆったり過ごしてもらいたいです。4~5人などで予約される方々には、水曜日に和風ランチを提供しています。昔犬を飼っていたという方や、飼っていないけど犬が好きという方も利用されます。
Q 犬用にどんなメニューがありますか?
犬に人気なのはハンバーグです!うちでは冷凍でいわし、鶏肉、牛肉、鹿肉のハンバーグを販売しているので、犬の好みによって選んでもらいます。
他にも、犬用の甘酒や味噌も販売しています。犬の健康についてずっと勉強していて、犬に不足しがちな栄養素をうちの商品で補えるようにしています。
Q なぜトリマーになり、お店を持ったのですか?
子どもの頃から動物が好きで、特に一人暮らしを機に飼い始め、今も4匹飼っている犬が大好きです。その気持ちから犬に関わる仕事をしたい!とトリマーを目指しました。専門学校では、1日中立ちっぱなしで貧血になったり、思ったより汚い現場だったりしてやめたいと思ったこともありました。でも、犬のいない生活や仕事が考えられず、自然とトリマーを続けています。トリマーはカットで月1回ほど犬に会えるので、獣医さんよりも頻繁に健康状態などを見てあげられるのも、やりがいです。
Q 店名「アラレ」の由来は何ですか?
芦屋町には高齢の方が多いので、覚えやすい名前がいいなということで、お菓子や某アニメから想起されるアラレと名付けました。よく「ペットの名前ですか?」と聞かれるのですが、ペットの名前にする予定はないですね(笑)
Q 中西さんのモットーは何ですか?
「早寝早起き、おいしいものを食べる、自然で遊ぶ」です!犬は暑さに弱いので、夏場は特に早朝の散歩が望ましく、そのために5時台に起きています。心にゆとりを持つために、おいしいものを食べたりキャンプへ行って自然と触れ合ったり、思いっきり遊ぶ時間を大切にしています。
Q 開業するまでの道のりは険しかったですか?
ドッグサロンは家の一部を改築すると開業できるので、ハードルはわりと低いです。コンセプトやお店の方向性・メニューなども、潔い性格のおかげですぐに決まりました!ただ、開業の瞬間までお客さんがどれくらい来てくれるのか分からず不安だったので、ポスターやHPを作成して集客を試みました。今では予約枠が全て埋まる日もあるほど、たくさんの飼い主さんに利用してもらっています。
Q 芦屋港のレジャー港化に、理想のイメージはありますか?
芦屋港活性化推進室の機運醸成事業(※)に携わったので、土地の活用などについて考えました。犬中心の生活を送っている身として、犬と一緒に食事ができるスペースや貸し切りドッグランがほしいです。ドッグランは、誰でも入れるようにすると犬同士のトラブルに繋がりかねないので、本当に仲のいい犬同士で入れるよう、貸し切り制にするのがおすすめです。
芦屋港エリアに犬と飼い主の憩いの場をつくり、災害時にはそこを避難所として活用できるのが理想です。日本は災害が多いので、ペットと一緒の避難所は重要です。別部屋で過ごすことはペットにとっても飼い主にとってもストレスになるので、共に過ごせる避難所ができたらいいな、と思っています。ペットとの避難はハードルが高いので、場所を確保するだけでなく訓練も必須ですね!
(※)芦屋港レジャー港化の中で、町の賑わい創出を目指す取り組み。中西さんはこの事業の中でキャンプのテストマーケティングに参加。
Q 犬のために、これから挑戦したいことはありますか?
飼い主さんに「本当に優しい犬との過ごし方」を知ってもらいたいです。ストレス軽減法や手作り食を知って、犬が長生きするように接してほしいです。また、北九州圏内では今トリマー不足なので、楽しく働き続けられる環境を作りたいです。立ちっぱなしの仕事ですが、スタッフが心にゆとりをもって働くことで、より犬に優しい対応ができるからです。
おまけ
撮影はちょっと・・・(照)という中西さんに、似顔絵で登場してもらいました!
トリマーというハードなお仕事の中でも、ドッグファーストなサービスやフードメニューから愛情が伝わってきました。併設されているドッグランは、脚に負担の少ないひのきチップを使っており、のびのびと走り回る犬たちがかわいくてたまりません!
(文―上田裕菜)
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