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1つとして同じ薔薇はない? ~薔薇のフレーバーティーを飲み比べてみた~

 前々回、前回と薔薇の香りの茶葉を取り上げたのは、気まぐれではない。飲み比べを実施する前に、個々で味わっておきたかったからだ。今回は、第68回Bain de Roses Tea(ベイン デ ロージーズ ティー)、第69回Golden Rose Tea(ゴールデン ローズ ティー)と、イギリスの紅茶ブランドWhittard(ウィッタード)の紅茶English Rose(イングリッシュ ローズ)の合計3種を比較する。

左からBain de Roses Tea、English Rose、Golden Rose Tea


 
 いつものように名前を伏せた状態で比較を実施したが、香りを嗅ぐ以前に色が全く異なっている。私が抽出した後に、母がカップをシャッフルしているものの、明確な個性が出ているため個人的にはある程度見当が付く。その後、香りだけ比べた時点で、母も私も全て分かってしまった。もちろん味わってもみたが、確信を深めただけだった。同じ土俵に上げなくても良かったのでは、と思うレベルで三者三様だ。


 
 まず、第68回でも紹介したBain de Roses Tea(ベイン デ ロージーズ ティー)は、色が非常に薄い。同じ紅茶ならダージリンのファーストフラッシュと同等か、それ以上に淡い色合いをしている。目視では紅茶だと思えない人も、いる可能性があるレベルだ。香りを嗅ぐと、とても薔薇で、それ以外の印象はない。後味は若干、レモンのような爽やかさがあるように感じた。薔薇を堪能したい人におすすめしたいフレーバーだ。


 
 次に第69回のGolden Rose Tea(ゴールデン ローズ ティー)は、チョコレートのような甘さのある香りと味わいが特徴だ。今まで飲んだ中ではWeekend in Bombay(ウィークエンド イン ボンベイ)やNumber 2 Tea(ナンバー ツー ティー)が近い印象で、甘さの中に薔薇も感じられる、といった仕上がりだ。フレーバーティーの中で、薔薇の要素も感じたいという人に良さそうだ。


 
 最後にWhittard(ウィッタード)のEnglish Rose(イングリッシュ ローズ)は、今回の比較の中では上記2つの間のような立ち位置だった。薔薇を堪能しつつも、紅茶としての味わいも感じられる、非常にバランスが良いフレーバーティーだ。個性も強すぎはしないため、菓子や食事とのマリアージュを楽しむことも可能だと推測する。薔薇と分かる紅茶を探しているなら、この茶葉がぴったりだろう。


 
 
 飲み比べるまでは、もう少し似た味わいや香りを持っていると予測していた。しかし、実際は薔薇と1口に言っても全然違っており、各々のニーズに合わせて楽しめることが判明した。薔薇のフレーバーに関心があるなら、ぜひ今回の結果を参考にしていただけると幸いだ。
 
 

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