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Yunnan Golden Needles(ユンナン ゴールデン ニードルズ) ―良いお茶で新年の幕開けを。

 24日間に渡って毎日更新していたアドベントカレンダーも終わり、TWGのNoel! Noel! Tea(ノエル!ノエル!ティー)も掲載して、今年のクリスマスシーズンは紅茶の意味で充実していたと言える。さて、目の前に迫ってきたのは正月だ。今回は新たな年を迎えるのにぴったりな、ちょっと高い茶葉Yunnan Golden Needlesを紹介する。余談だが、以前取り上げたYunnan FOP(ユンナン エフオーピー)と同じ雲南省の紅茶だ。
 
 袋を開けると、細長い茶葉が入っていた。名前に付いている「needle(ニードル)」は「針」という意味なので、それが由来なのだろう。色の薄さは非常に淡く、薄い黄と黄土色の間くらいに見える。こちらも金色を意味する「golden(ゴールデン)」が付いている理由と言えそうだ。
 抽出してみると香りも味も穏やかで、茶葉の形状こそ違うものの、汎用性の高さが魅力的で同じ中国産であるImperial Keemun(インペリアル キーマン)に少し似ている印象を覚える。ただ、一緒に飲んだ際に母は、少し中国茶に通じる香ばしさを感じると言っていた。
 飲み方としてはまずストレートをおすすめしたいが、ミルクとの相性も良い。紅茶の持つこっくりとした風味に合うと思う上に、かなり前に紹介したRussian Breakfast Tea(ロシアン ブレックファスト ティー)に似たスモーキーな香りが感じられる。ちなみに、ストレートで楽しんでも母が指摘したような香ばしさはあるが、牛乳を入れることで一層引き立つようだ。最後にレモンは試していないものの、それなりにまとまりが出るのではないかと推測している。
 
 何にでも寄り添ってくれる茶葉のため、マリアージュもあまり悩む必要はない。食事と菓子どちらの場合でも、料理を主役に考えたら良いはずだ。サンドイッチやパスタなど好きなものとのペアリングを楽しんで欲しい。個人的には、クリームチーズにナッツやレーズンとベーコンを入れた物をパンに塗ってみた。チーズの持つこってり感やドライフルーツ達の果実味、それにベーコンの濃厚さといった複雑な味わいに対しても、フィットしてくれる上に後味をリセットしてくれるため、非常に合っていた。
 菓子の場合も、スイーツをメインに位置づけられたら良い組み合わせになるはずだ。ショートケーキやチョコレートケーキはもちろんのこと、チョコレートやキャラメルが入った濃厚な味わいのクッキーも良いと推測する。個人的にはクリスマスの残りである、チョコレートを練り込んだ焼き菓子のパネトンチーノと合わせてみたところ、結構良かった。
 
 最後に、Yunnan Golden Needlesは50gでS$51.50(約5150円)と高い部類に入る茶葉で、図り売りのみの販売となっている。新年に相応しいとは思うが、TWGには他にも雲南省の紅茶があり、それらの方が安価だ。もし、全く試したことがないのなら、低価格帯のもの先に味わってみた方が良いと推測する。しかし、味わい深い茶葉には変わりないため、新年を格式高く迎えたいのであれば、おすすめしたい紅茶ではある。
 


Yunnan Golden Needlesの量り売りが入った袋。

 

少し前に、美味しい紅茶の淹れ方の動画を制作しました。映像でチェックしたい方はこちらをご覧ください。↓

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「根掘り・葉掘り・茶掘り―紅茶探訪―」の次回連載は、2023年です。今年も大変お世話になりました。皆さま、良い年をお迎えください。

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