親子がともに老いてからの厳しい現実
家庭の事情により、高齢者が高齢者の介護をせざるえない状況は「老老介護」と呼ばれています。
先が見えない状況の中で、家族が共倒れになったり、介護疲れによる心中事件があったりと大きな社会問題になっています。
そして、年老いた親が障害者のめんどうを見ている状況について、最近は「老障介護」という言葉が使われることもあります。
こちらも非常に深刻な問題です。
親の立場としては、障害者の子どもには、自分がいなくなったあとの生活の場を、できれば早めに確保してあげたいと考えているでしょう。
自分が元気なうちに見つけられればいいですが、現実には適切な場所が身近にないなどで、結局自分が年をとり、衰えていった子どもを手元に置いたままにしてしまうというケースも多いのです。
そして中には、先の見通しを立てられずに、自分が死ぬときにはこの子も一緒に、といった悲しい事件も起きています。
「きょうされん(旧・共同作業所全国連絡会)」の調査によれば、40代の知的障害者のうち、半数を超える方がいまだに親と同居をしております。
また、50代前半でも3割を超えています。
子どもが50代ということは、親は70~80代以上になっているでしょう。
年老いた親の肉体的、精神的負担はいかばかりかと思います。
ほんとうに厳しい現実があると痛感します。
(障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」渡部伸著)
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