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高齢な親と障害のある子の2人暮らしの場合に検討したい「任意後見制度」

任意後見制度は、本人の判断能力がまだ正常の段階で、将来、判断能力が衰えてしまったときに備えるための制度です。

より具体的に言えば、親にまだ十分な判断能力がある時期に、将来的に判断能力が不十分な状態になった場合に備えて、あらかじめ「本人自ら」が選んだ「任意後見人」に、親自身の療養看護や財産管理などについて代理権を与える「契約」をするのです。

本人と任意後見人になる人がする契約を「任意後見契約」といいます。任意後見契約は、公証人の作成する公正証書で締結しなければなりません。

任意後見の効力は、本人の判断能力が不十分になってから、手順を経て始まることになります。

具体的には、任意後見人になることを引き受けた人(「任意後見受任者」といいます)や親族が、本人の判断能力が不十分となり任意後見事務を開始する必要が生じたときに、家庭裁判所に対して、任意後見人を監督する「任意後見監督人」を選任してほしいという旨の申立てをします。

それを受けて家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると、その時点で任意後見受任者が正式に「任意後見人」となるのです。

任意後見監督人は、任意後見人がきちんと職務を行なっているかをチェックし、家庭裁判所に定期的に報告をおこないます。

仮に不正行為などが判明した場合には、任意後見人の解任などが検討されることになります。

このように、任意後見は、信頼する人を本人があらかじめ自分で選び、自分の判断能力が不十分になったときに、誰に自分の療養看護や財産管理を任せるかを設計できるというメリットがある制度といえます。

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