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どう書くのが正しい?障害?障がい?障碍?

世間を見てみると、「障がい者」と表記しているところもあれば、「障碍者」と表記しているところもあります。


「あれ?」と思われた人もいるのではないでしょうか。


例えば、大阪市は、平成25年9月から順次「障がい」と表記することを決定しました。


「どう書くのが正しいの?」と思う方もいるかもしれません。


例えば、「障害」は遅くとも江戸末期には使用されていたとされていますし、「障碍」も、読み方は「しょうげ」ですが、平安末期から使われている用語です。


「悪魔、怨霊などが邪魔すること。さわり。障害」という意味で使用されており、明治期には「しょうがい」と読まれていました。


しかし、「碍」は常用漢字から外れたこと、また、昭和24年、国立身体障害者厚生指導所設置法・身体障害者福祉法と、「害」が採用され、現在、法律においては「障害」を使うことが一般的になりました。


しかし、「害」は害悪や害虫などあまり良い印象を受けるものではなく、社会の価値観を助長するのではないか、という声もあって、近年「しょうがい」の表記をどうするのか、様々な意見を出されています。


「碍」がよい、という声もある一方、語源を考えると適切ではないという声もあります。


また、官公庁などでは「障がい」と表記されることが多くなってきましたが、そちらもひらがなに置き換えてしまうことで逆に壁を作ってしまっている、と考える人たちもいます。


もちろん、「障害」も、障害者自身が「害悪」ではなく、社会にある多くの障害物や障壁こそが「障害者」作り出してきた、という考えのもと、「害」を使うのは間違いではない、という人たちもいるのです。


平成22年に国が行った一般の方々への意見募集では、障害・障碍がともに4割、障がいが1割と、国民の意見も分かれています。


この議論は、現時点で決着はついていませんし、まだまだ時間のかかる問題だといえるでしょう。

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