わが子にふさわしい制度を見きわめる
障害のある人の財産を守り、管理するために、以下の制度や契約方法があります。
●法廷後見制度
●任意後見制度
●日常生活自立支援事業
●公正証書遺言
●財産管理等委任契約と尊厳死宣言書
●福祉型信託制度
当然ですが、それぞれにメリットとデメリットがあり、利用する人の状況によって向き不向きがあります。
「法定後見制度」は、財産保護にはたいへん強い効力がありますが、費用的にも相応の負担がありますし、特に若い障害者の場合は長い期間の後見が必要で、後見人の担い手を探すのは難しいのが現状です。
「任意後見制度」は、後見人や契約内容を自ら決められる自由があり、まず親が契約を結ぶことにより、子どもの後見へとつながる継続的な見守りができますが、これも費用の点や長い期間の見守りは悩みの種です。
「公正証書遺言」により、基本的には親の資産を希望通りに子どもに残せますが、そのお金の管理は別途必要ですし、「福祉型信託制度」は受託者を決めることで管理もしてもらえますが、本当に信頼できる受託者が見つかるか、また税金の問題でのむずかしさがあります。
「日常生活自立支援事業」は、少ない費用で手軽にお願いできますが、サービスの範囲は限られています。
どれも100%安心、というものはありません。
しかし、ただ悩んでいるよりも、まずはさまざまな制度を知って、自分たちの状況に最もふさわしいものはどれかを探してみましょう。
将来のためのきっかけがきっと見つかると思います。
(障害のある子の家族が知っておきたい「親なきあと」渡部伸著)
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