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スカートめくり宣言

 最近、テレビで「聲の形」というアニメ映画を見て「イジメ」について考えさせられました。私が小学校の頃も、中学校の頃も、それほど陰湿ではないものの確かに「イジメ」は存在しました。

 小学生の頃のことです。確か音楽の時間のことだったと思います。突然、担任の先生が怒って言いました。

ミスズちゃんがクラスのみんなにイジメられています。このクラスにミスズちゃんをイジメていない人は一人もいないんですか!

 そしてクラスのみんなが指さしたのは、少年アシタカだけでした。私だけがイジメてなかったんですけど、それは別に私が良い子だったという訳ではありません。ただの鈍感なアホ少年だっただけです笑。ミスズちゃんがイジメられているのも気づいていなかっただけなのです。だから私がイジメることも無かったんです笑。

 当時、アホ少年アシタカが通う小学校は、なぜか「スカートめくり」が流行していました。大流行です笑。男子が女子のスカートをめくって、キャッキャ言って騒いでいました。女子の方も「喜んでる?」て感じでふざけてる感じでした。
 そんな中、ミスズちゃんは一人泣いていました。誰もミスズちゃんのスカートをめくろうとしなかったからです。「誰も私をめくってくれない。」と言って泣いていました。
 普通、逆だろとも思いましたが笑

 当時、私はまだ母親と一緒にお風呂に入っていました。そして、お風呂の中で私は母に言いました。

アシタカ:「最近、学校でスカートめくりが流行ってるんだけど。」
母:「へー。」
アシタカ:「僕も明日から、スカートめくりデビューする!」

 純粋無垢というより、何てアホな宣言をしたことでしょう。
 世の中には、「ポツダム宣言」とか、「関白宣言」とか、いろんな宣言がありますが、たぶん「世界中で一番アホな宣言」だったと思います笑。

 そして、母が言いました。

母:「思う存分やりなさい。」

 やはり蛙の子は蛙。いやアホの親はアホでした笑。

 かくして次の日のデビュー戦から私は輝かしいデビューを飾るのですが、私は他の男子と少し違いました。
 そう、私は誰もが近づこうともしなかったミスズちゃんのスカートをめくったのでした。

 別に「スカートめくり」の名に於いて平等の精神があったからではありません。ミスズちゃんを誰も相手にしないから空いていた訳でも、3蜜を避けようとした訳でもありません。
 ただ、他の男子が嫌っていても、私はミスズちゃんを嫌いじゃなかっただけです。好きという訳でもありませんでしたが汗。周りに合わせなかっただけです。

ミスズちゃん:「アシタカ君のエッチ!」

アシタカ∶「えー!」
        
 もちろん、激しくぶん殴られたのでした汗
 あのー、泣いてたの誰でしたっけ?

 だけどそんなことをしているうちに、徐々に彼女を無視する人が減って行きました。例えアホ少年が相手でも、誰からも無視されるのが一番辛かったと思います。ミスズちゃんも少しずつ明るさを取り戻して行きました。

 大人になってから、一度だけ彼女に会ったことがあります。
 某観光地のお土産物屋さんで彼女は働いていました。久しぶりに出会いましたが、目が合った瞬間、彼女は私に微笑んでくれました。
 もし、小学生の頃、私が彼女を他の人達と一緒になってイジメていたとしたら、目が合っても、たぶん視線を外していたことでしょう。周りと合わせる方を選ばなくて良かったと思った瞬間でした。自分で正しいと思う方を選ぶ。誰が何と言おうとも。

しかし、

ほんと、「スカートめくり最強!」

そこじゃ無いか笑
 

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