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【東洋医学のいろは】鍼の歴史は漢の時代(紀元前150年)に遡る

みなさん、こんにちは。

今日は鍼の歴史について簡単に説明したいと思います。
堅苦しい内容ではないので気楽に読んでくださいね。

鍼のはじまり

はりきゅうについて書かれた最初の医書は、中国の漢の時代(紀元前150年前後)の『黄帝内経(こうていだいけい)』まで遡ります。

この『黄帝内経』は、中国医学の思想体系が書かれた最古の医書と言われていますが、実は現存してない"幻の医書"なのです。

古い中国の医書は、歴史の過程で常に廃棄処分されており、原本がどこにも残っていません。

では、どうやってはりきゅうが伝えられてきたのか。

それは、『黄帝内経太素』という『黄帝内経』を改編してつくられた写本が、京都の仁和寺で発見されたことから、今日まで伝えられてきました。(この『黄帝内経太素』の原本も存在しません。)

ちなみに、この『黄帝内経』を編纂した『素問』『霊枢』をもとに、鍼灸学校で使用する教科書もつくられています。

日本に伝来したのは奈良時代

さて、中国医学が日本に伝来したのは、奈良時代です。仏教とともに伝来し、『大宝令』という法律の中に、医療に関する『医疾令』という規定がありました。その中で、医博士や医師と並び、はり師も存在していました。

そうなんです。東洋医学の歴史は西洋医学よりもず~っと古く、西洋医学が入ってきたのは長い歴史の中ではごくごく最近です。
それ以前は、医学といえば東洋医学が主体で、鍼や灸で治療していました。

鍼灸は経験則に基づく医学

現代では、鍼灸は科学的ではないから医学ではない、などとよく言われますが、その鍼灸の機序は徐々に解明されつつあります。もちろん、その多くがまだまだ謎に包まれたままですが、鍼を刺す・灸を据えることで身体の中でどのような変化が起きているのか、わかってきたことも多くあります。
(このお話はまた別の記事で書きますね)

それでもやはり、エビデンスに基づく医療が主体の現代では、鍼灸治療は根拠のないものとして医療の枠組みの中になかなか入れてもらえません。

でも、考えてみてください。

漢の時代から脈々と、こんなにも長い間、廃れることなく受け継がれてきたのには理由があるはずです。
それは、鍼灸治療の効果を多くの人が実体験し、認めてきたからです。

鍼灸は長い歴史の中で確立されてきた、経験則による医療です。

昔の人たちは、人の身体をよくよく観察していました。限られた資源の中で、痛みや不調をどうやって治したらよいか、人の身体をじっくり観察して治療法を導き出してきたのです。

ツボのはじまりは「阿是穴(あぜけつ)」と言われていて、「あ~そこそこ」という、いわゆる押されて気持ちのいい場所、痛ギモから始まったと言われています。



わたしは、いつか鍼灸治療が科学的に解明される日がくると思っています。いま、少しずつ鍼の効果機序が解明されつつある中で、まだ西洋医学がそのレベルまで追いついていないだけだと思います。

鍼灸を勉強するようになり、今の医学の常識では説明できないような現象を何度も見てきました。

西洋医学の中でも、今の医学の常識では考えられないようなことがときどき起こります。

病を治療するのが西洋医学。
人を治療するのが東洋医学。

わたしは、東洋医学は人を診て、その人の自然治癒力を高める手助けをする医療だと思っています。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
良い一日を!





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