10歳、初めてスターバックスに行く
次男が、どうしても一度行ってみたい場所があると言ってきた。
「お客さんは大人が多くて、緑の女の人の絵が描いてあるところ」
この説明を聞いてギョッとし、一瞬、変な想像をした母を許してほしい。
お、おんなのひと?みどりの?
「人魚みたいなひと」
それは何のお店かな?
「飲みもののお店。たぶんコーヒー」
ようやくスターバックスだと理解した。
次男と、スターバックスに行ってみることにした。
飲みものの種類が多いから、行く前に公式サイトでメニューを見ておこうと提案。
冷たいのか温かいのか。
上に何か乗っているのか、乗っていないのか。
「フラペチーノっていうのを飲んでみたい」
ざっくりと"フラペチーノ"に決める。
お店にもメニューがあるから、その時の気分で決めればいいねとウキウキしながら店舗に向かう。
おしゃれな店内に緊張気味な次男。
スターバックス、実は私も少しだけ緊張する。
店員さん達が美男美女だよね。
みんな親切だよね。
メニューの写真を見て「抹茶クリームフラペチーノ」をセレクト。
彼は抹茶味が大好きなのだ。
サイズを聞かれ、「初めてなので、まずはいちばん小さいのにしておこうか?」とshortを注文。
カウンターから受け取り、テーブルに持っていくと
「うわー、思っていたよりも大きい!」
喜ぶ次男。
ひと口味わって、
「ああ、思ったよりも甘い! 大人のお店だから、僕もっと苦い抹茶かと思ったんだ」
店内を見渡すと確かに大人ばかり。
一組だけファミリーらしき三人連れ。
女の子はまだ小さい。
椅子から立ち上がったり座ったりしている。
たしかに大人の雰囲気。
お仕事中。
音楽、動画鑑賞。
読書。
おひとりが多い。
店舗のある場所によっては、ファミリー層やお子様達もいるかもしれない。
私達の行ったお店は、完全に大人層だった。
次男はフラペチーノをくるくるかき混ぜて、美味しそうに飲んでいる。
初めてのスターバックスはどう?
と聞くと、
「美味しかった。また来たい」
「このお店の感じがいいね」
最後の一滴まで味わって、にこやかに言う。
「今度はね、僕、作るところを見たいんだ」
次男には先に座席を確保してもらって、私が注文したものを後から持って行った。
そうそう、作るところもいいんだよ。
店員さん達の流れるような動き、プシューッと湯気や音を立てるマシーン、美しいホイップ、ぜんぶ見惚れちゃうから。
いつかは、お友達や好きな人と来たり、ひとりでのんびりコーヒーを楽しみに来るかもしれない。
その時までもう少しだけ、一緒の時間を楽しませてね。
みどりのおんなのひとのお店で。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?