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ツノのない鬼

東京都豊島区雑司が谷(ぞうしがや)にある「鬼子母神(きしもじん)堂」は、子宝、安産、子育ての神さま。

鬼子母神の「鬼」の字には、一画目のツノがないのが正しい表記。

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角(ツノ)がないことについては、こんなお話がある。

その昔、鬼子母神はインドで訶梨帝母(カリテイモ)とよばれ、王舎城(オウシャジョウ)の夜叉神の娘で、嫁して多くの子供を産みました。
しかしその性質は暴虐この上なく、近隣の幼児をとって食べるので、人々から恐れ憎まれました。
お釈迦様は、その過ちから訶梨帝母を救うことを考えられ、その末の子を隠してしまいました。その時の訶梨帝母の嘆き悲しむ様は限りなく、お釈迦様は、「千人のうちの一子を失うもかくの如し。いわんや人の一子を食らうとき、その父母の嘆きやいかん」と戒めました。そこで訶梨帝母ははじめて今までの過ちを悟り、お釈迦様に帰依し、その後安産・子育の神となることを誓い、人々に尊崇されるようになったとされています。
当山の鬼子母神像は、鬼形ではなく、羽衣・櫻洛をつけ、吉祥果を持ち幼児を抱いた菩薩形の美しいお姿をしているので、とくに角(つの)のつかない鬼の字を用い 「雑司ケ谷鬼子母神」と尊称しております。

(※「法明寺」さんのサイトより引用させていただきました。)

雑司が谷は私が生まれた街。
小学校低学年のころ、この「鬼子母神」のお話を紙芝居にしたものを先生が読んでくれた。
〝地域のことを知りましょう”のような授業の中で。

小さな子どもをむしゃむしゃ食べている女鬼の絵のインパクトがすさまじく、40年以上経った今でもうっすら憶えている。

神さまなのに「鬼」の字が使われていること、正式には鬼の字にツノがないことを知って、深く納得した。

鬼子母神堂には、数えきれないほど行っている。

小学校の頃の図工「写生」の時間
自分が子どもの頃の夏祭り、10月の御会式
夫との独身時代のデート
夫と結婚してからの散歩
子どもが授かりますようにとお願いしに行った
境内にある〝猫ばぁばの駄菓子屋”をのぞきに行った(買ってはいない)
友達の安産をお願いに行った(安産だった)
自分の妊娠、ありがとうと御礼に行った
自分の流産、残念でしたの報告に行った
自分の出産、がんばりましたの報告に行った
子どものお宮参り
ママ友の手術成功のお願いに行った(成功した)
子どもと散歩
子どもと遊び
子どもと〝猫ばぁばの駄菓子屋”をのぞきに行った(買った)
子どもの七五三
子どもの夏祭り、10月の御会式(屋台で散財)
家族で散歩がてらのお参り(地域の七福神めぐりと兼ねて)
…………


週末、反抗期の長男とのバトル(口喧嘩)で鬼だった自分。
私のツノもとってほしい。

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鬼子母神堂までの参道「ケヤキ並木」

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「学校行くの嫌だな、めんどくさいな」
兄弟からぶつぶつ文句が飛び交う月曜日の朝。

鬼子母神堂からの帰り道、「ガリガリ君(ソーダ味)」を買いました。
もうそろそろ帰ってきそうです。

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