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沖縄離島ひとり旅 scene3 〜アウェイな旅は、フリーランスの生き方に作用する〜

【1日目:波照間島】

暑さと喉の渇きで目が覚めた。そこは、とある民宿の一室。波照間島で予約した素泊まりができる宿だった。
朝の4時に起きてラピートに乗り、関空の第1、第2ターミナル間を無駄に歩いて往復し、その後は飛行機に乗り、バスは2回、脱北船のような船、宿の送迎車、今日1日でいろんな乗り物に乗った。旅の初日に既に疲れてしまい暑さで外に出る気すら起きず、宿に着いて間も無くガチで昼寝した。

そして宿の1時間100円の冷房が切れてしまい、暑さと喉の渇きで目が覚めてしまった。
近くの共同売店が15:00に開くと宿の主に聞きていたので、私はその時刻になると店に出向いてオリオンビールとスパム缶を買った。


自然の原理にあらがわない

沖縄の灼熱の太陽が容赦無く寝起きの私を照りつける。日陰の涼しそうな岩場があったので、そこに座って腹ごしらえをすることにした。
オリオンビールの缶を開けて気の済むまでゴクゴクと一気に飲んだ。喉に冷たいアルコールが染み渡る。寝起きでぼんやししていた脳が目を覚ます。
スパム缶の開け方が分からなかったので、生まれて初めてスパム缶の開け方をYouTubeで検索して知ることになった。

しばらくすると、スパムの匂いを嗅ぎつけたアリ達が集まってきたが、そんなことは気にしない。今回は、そういう自然の原理にあらがわない旅にしたいのだ。
水を買いに行けば自販機にヤモリが沢山へばりついている。トイレに行けば手足が無駄に長い巨大なクモがいる。集落を歩けば臭い果実が木の上から勢いよく降ってくる。それら全てはごく当たり前のこと。ここでは何事も受け入れて自然と共存していかないとやっていけないのだ。

日本最南端で、己を解放する

18:00頃、宿でブログを書いているだけだったのにお腹がすいてきた。今日は日本最南端の居酒屋と言われるお店で晩御飯を食べることにした。宿から歩いて5分ほどの場所にそのお店があった。お店の中に入ると既に店員さんが忙しそうに働いており、今日はもう予約がいっぱいで入れないと言われてしまった。20:00頃に空くかもしれないので、その時間帯にまた覗いてくれないかと若い娘さんに言われた。

今すぐビールを飲みたい気分だったので、そこまで待てるわけがない。私は宿近くの共同売店でオリオンビールと手作りのジーマミー豆腐を買い、お昼に買ったスパムの残りを持ってどこか海の見える場所へ移動して飲むことにした。どうせなら行き先は日本最南端の碑と呼ばれるスポット。日本の最南端の居酒屋で飲めないなら、私は更に南で飲んでやろうと目論んだ。

レンタルした自転車のカゴに食料を入れ、サドルがカチコチに硬い自転車にまたがる。イヤホンを装着し、Spotifyで流す曲は当然THE BOOMの「島唄」。夜7時過ぎ、日が沈み出して風も涼しくなってきた。

南へ続く長い一本道をひたすら自転車で走っていると、遠くの方に海が見え始めた。私は嬉しくなってスピードを加速させる。
途中、ヤギに会えたりサトウキビ畑を横目に風を感じたり、南の海を目指して自転車をただ走らせていると、自分が沖縄の大パノラマの一部になっている気がした。私以外、周りに誰もいない。イヤホンから聞こえてくる島唄を宮沢さんと一緒になって大声で歌っていると、あー来て良かったなぁ〜とジワジワ思う。

そして、辿り着いた日本最南端の有人島と呼ばれる場所では、空と海の大パノラマの世界が広がっていた。

今はみんなどこかへご飯を食べに行ってるのだろうか、そこには他に誰もいない。日本最南端を私ひとり独占して飲むオリオンビールは格別に美味しかった。手作りのジーマーミー豆腐もねっとりとしたコシがあり、甘いタレの味は私好みだった。離島という場所は、少し自転車を走らせれば行った先々が酒場と化す。

お腹が空けばスパムをかじり、海を見たければ自転車を走らせ、楽しい時は大声で歌う。全てが本能的で、思うことを思うがままに実行していく。自分がこの土地でどれだけ己を解放していけるのか、それが今は楽しみなのだ。

完全に日が落ちる前にそろそろ帰ろうかと思った時、空に大きな虹が出た。
沖縄離島の旅1日目にして、もう旅がフィニッシュしたような気分だ。

沖縄滞在中にブログを書く理由

今回のこの旅は私にとって特別な旅だ。会社を辞め、これからフリーランスでやっていこうという血気盛んな時期に、あえて仕事をせずに何もしない時期をつくる。都会を離れ、自然の中に身を任せてみる。

沖縄に友人が住んでいるわけでもなく、無免許でレンタカーも元チャも借りれない私が一人で離島へ行く。完全にアウェイであるが、きっといろんな人達とコミュニケーションを取りながら、助けてもらいながら私なりに工夫して旅を楽しんで行くだろう。
そのスタンスが、今後のフリーランスデザイナーとしての生き方に大きく影響しそうな気がするのだ。

今回の沖縄滞在中に、ブログを書きたいと前から思っていた。ひとり旅をしていると話し相手がいないが、こうしてブログを書いていると誰かに今日あったできことを話しているようで楽しい。自分だけが見る個人完結の日記よりも、人に読んでもらえるブログを書く方が、忘れそうな小さな記憶でさえも鮮明に表現できる。
私本人が忘れてしまいそうな記憶も、文章になればこの先もずっと生き続けてくれる。それって素晴らしいことだと思う。

書きたいことが山ほどある。
今日の出来事は、最低3日以内には書きとどめたい。なるべく記憶が新鮮なうちに。

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