Ⅳ.足利チャリ列伝②
今日は3日目。
朝6:30に起きて7:00出発。
そして阿蘇山頂に登る予定だ。
ちゃんと時間通りに出発できて安心してたのも束の間。いきなり急勾配の坂が続いて開始10分でチャリを押して歩くハメになった。
いや、5分くらいやったかも。
ほんまに地獄みたいな道やったわ。
ただ走り続けてると、坂がどんどん緩やかになっていったから走りやすくなった。
何分漕いだやろう。
こんなとこまで漕ぐことができた。
まあまあ高いとこまで来たんちゃう?
その後も自転車をひたすら漕ぎ続けた。
霧で100m先が見えない状態になってきた。
多分標高がそこそこ高いから雲に覆われてるんやろうな。
こんな道を5kmくらい走ってやっと山頂に着いた。
うん、霧。
ただ山頂をもうちょっと進むと火口を見ることができる。
だから最後の一踏ん張り。頑張った。
火口まで行けば雲を突き抜けることができて、広大な雲海を見ることができるんじゃないかと思いながら。
ただ結果はまさに期待はずれだった。
これ、火口らしいです。
なんも見えへんのやが。
世界一のカルデラ拝みにきたんやぞ、こっちは1200mも登ってよ。
しかも気温もアホみたいに低い。
1°とかちゃうかな。
寒いし足は痛いし肺は痛いしカルデラは見れないしいいことない。
なんかこの"殺風景"を見た瞬間いきなり寒くなってきた。
なんというか今まで湧き出ていたアドレナリンがスッと引いていく感じ。
この気温の中ずっと半袖でいたのが信じられへん。
そこで今旅始めての長袖パーカーを羽織った。
その後は、ここ5年で一番イライラしながら坂を下っていった。
なぜか今日のダウンヒルは気持ち良くなかった。
で、途中で行きしなに寄り忘れた草千里に寄った。
そしたらあろうことか、霧が晴れてきたのだ。
同じ位置からの写真じゃないからわかりにくいけど、明らかに霧の量が減っている。
風で霧が流されていくあの光景は一生忘れることができないであろう。
後30分待ってたらカルデラ見れてたかも知れんのか…。
そんなこと思うと激萎えやった。
その後のことは正直そこまで覚えてない。
下りの途中で持ってきたおにぎり食ったのはかろうじて覚えているが。
あ、それに加えてセブンイレブンに寄っておにぎり食ったのも覚えとるわ。
その後は、とりあえず熊本駅目指して走った。
で、その途中でマクド見つけたから入った。
チキンフィレオセットが550→610に値上がりしてた。
やっぱスタグフレーションは厄介やわ。
そんなこと思いながら飯食ってたら「明日以降どうしよう」という考えが頭をよぎった。
正直阿蘇山行ったらその後の楽しみはない。
それは旅する前から気付いていたが。
でも普段の俺ならそんなこと深く考えない。
なんでやろう。
そうや。阿蘇山パワーもらってないからや。
宗谷岬行った時も帰りは地獄やったけど、広大な土地からパワーもらった感じがしたから走り切ることができた。
愛媛行った時も帰りのTo香川めんどくさかったけど、しまなみ海道の景色が頭に焼き付いてたから走り切ることができた。
ただ今回はどうだろう。
霧だらけの阿蘇山。なんも見えない。
なんのパワーももらってないんよな。
だからか、今後の旅のやる気が全く出てこない。
そこで思いついてしまった。
「「熊本から輪行して大阪帰るか」」
これはゲーセンのUFOキャッチャーと同じやと思った。
後もう少しで取れる!…うっ!もう100円ダ!!
この思考でどんどんサンクコストは増加していく。
これは今回の旅でも同じで「後もう少し進めば楽しい瞬間待っているかもしれない」という考えは、感情的サンクコストの増大に繋がりかねないと思った。
今の運の悪さも考慮するとね。
そう思ってから行動は早かった。
マックから熊本駅までの8kmくらいを一瞬で漕いで、すぐさまみどりの窓口に行ってチケットを買った。
買ってしまった。
いや、戦略的撤退とでもいうべきだろうか。
まあどちらにせよ俺の旅終了だ。
チケット買った後はイオンに行ってこのブログ書いて、いい時間になったからネカフェに入った。
そこで彼女お借りしますのスピンオフ読んだ。
桜沢墨ちゃん目線で描かれたかのかりやね。
墨ちゃん優しいし小動物みたいで可愛いから好きなんよな。
基本的に女子大生苦手な俺やけど、かのかりの女の子たちは割とみんな好きかも。
で、読んだ後は風呂入って晩飯食った。
今回はまたやよい軒。
3日のうち2回がやよい軒とはたまげたなぁ…。
生姜焼き定食を食った。
やっぱり美味かった。
うん。
その後はスーパーに行って明日の朝飯だけ買った。
帰ってきたあとは、かのかりの2期見てた。
旅行に行く前に途中まで見てたし、一気見したわ。
俺もかあちゃん死んだから、千鶴の気持ちが痛いほどわかったわ。
なんか意外と気丈に振る舞えるんよな。
ただあそこまで泣くもんなんか?とは思ったけれども。
まぁ単純に「悲しい→泣く」っていうシステム回路が俺の中に組み込まれてないから分からんのかもね。
でも今後に対する不安、絶望感があまりにもうまく描かれてて、まさか作者も両親4んでんちゃうかなとな思ったりした。
まあ、アニメ論評は置いとこう。
そのあとはすぐ寝ました。
そして最終日。
って言っても新幹線で帰るだけやが。
朝7:30におきて、8:00にネカフェ出た。
んで、熊本駅の近くの公園で自転車組み立てて9:00手前に駅到着。
新幹線に乗り込むと自分が座るはずの席におじさんが座ってる。
コミュ障やからあんま他人と話したくないのになぁ。
だから最低限のコミュニケーションで席をどいてもらった。
で、その後は何事もなく新大阪に到着。
新大阪駅の人気がないとこで自転車組み立てそのまま帰った。
…
俺は今回の旅で何を得たんだろう。
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