20190904_手紙文_拝啓_その後ますます_自筆_SM

お習字―手紙文「拝啓 その後ますますお元気ですか……」2019年9月3日

さてお習字も始めてから早7か月が過ぎようとしています。新たに今度は「手紙文」というものが始まりました。

手紙文では、漢字は「草書」、仮名は「変体仮名」を使うそうです。まず、そもそも私には読むことすらできません…… 読めないのに書けるのでしょうか。

9月3日のお手本は「拝啓 その後ますますお元気ですか 先達はあか(りまして)」。下記はわたしのものです。

なんとか先生のお手本をまねして書いてみました。まだ草書、変体仮名になれないので、いまいち自分でどのような文字を書いているのか確信が持てません。それが線の思い切りのなさに出ているように見えます。

変体仮名

これは「その後」だそうです。「後」は草書ですがなんとなく字体で想像がつきます。しかし仮名の「の」はまったくわかりません。仮名には複数の字母、仮名の元になった漢字があるそうです。飛鳥・奈良時代に「万葉仮名」として漢字を日本語に当て字していた頃は、複数の漢字がひとつの「音(おん)」を表すのに使われていたそうです。それが平安、鎌倉とくだるにあたり、だんだんと略字体、今のひらがなのかたちに変化していき、また使う字母が統一されてきたようです。

この「の」は「能」が字母だそうです。なるほど、そう言われてみると、作りの「ヒ」のしたの部分が右側に表現されています。

上は「す」、下も「す(か)」です。上の「す」は「春(しゅん)」の変形したもの、下はいつもおなじみの「す」ですが、これは「寸(すん)」の変形したものです。
下の「(す)か」は「可」だそうです。たしかにくるりと円を描いている部分が「口」を表しているように見えます。

先生に、たとえばこの「春」と「寸」の「す」のつかい分けにはなにか規則があるのか聞いてみました。

規則があるのではなく、前後の文字とのバランスを考え、その場その場でつかい分けます。細い字が続いた場合にはボリュームを出すために「能」の「の」のような幅のある字を使います。慣れてくると、いくつかの候補の変体仮名の中から自然に適切なものを選ぶようになります ― 先生

なるほど。しかし、それぞれの仮名にどのような変体仮名の選択肢があるのかが分かりません。
すると、先生は勉強用の本があると教えてくださいました。

古典かな字鑑

左はカバー、右の紺色のものが本体です。中身はこんな感じです。

これは「ひ」のページです。なんと「ひ」には9種類もの字母があるではありませんか。「比」「悲」「非」「飛」「日」「避」「妣」「備」「火」。とても憶えられそうにありませんが、先生によると皆好みの変体仮名があって、いつも使うものは限られてくるので、すべて覚える必要はないそうです。よかった。

また勉強することが増えました。とにかく毎日お稽古を続けます。


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