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わたしにはねこがいない 言ってやれよ

わたしは何者にもなれないし

あなたも何者にもなれない

それを早く教えてあげるべきなのではないかと思った

あなたは作家にはなれないし

アーティストにはなれない

なにかを登り詰めていくことも

ランキングに載ることもない

あなたは何者にもなれない

ジャンプの主人公にも

サブキャラにも

そのさらにサブキャラにもなれないし

なんならその世界で息を吸うことを許されたモブキャラにもなれない

二次創作をしようと

イラストを描こうといいね!はもらえない


世界はそうな風にできてる

才能がない主人公が、才能のあるものに見出されて

長い長い物語(ストーリー)を経て、努力する

なんてチャンスもやってきはしない

あなたは

あなたのいる世界の、上にも斜めにも行けはしないのだ


何者にもなれず

努力し輝く場もなく

それでもあなたは働き

納税し、生きていかなければならない


唯一、もしあなたが恵まれているのだとしたら

何者にもなれないこと、に絶望したりしない

という今のメンタルと人生状態が

ある一定の人々よりは遥かに幸せ、と定義づけられると思う


世界のどこかには

自分は何かにおいて特別でなければ

生きている意味が摩耗するようになくなる人間がいて

それを、見つけたくてずっといるものがいる

家族や友人に恵まれてるとはいえないからだろうか

それはわからない

それでもじぶんのなかに、僅かでも

ごくわずかでも光る何かがないと

あと、もう生きていても仕方ないと思っている人間がいる

それはナルシズムとはまったく違っているもので。

ナルシストはある程度自分を好きで

肯定して、その上さらに、だから好かれない性質なのだと思う


自分がどこか特別であることを

誰にも言わずに切望している人間がいる


でも何年生きても見つけられないのだ

有り体にいえば、神さまのギフトはあなたにはなかったとも言えるし、手元に配られた人生のカードがぼんやりしたものだったのだ

だから仕方がない

だれか言ってやればいいのに

それでも生きていく

食べる眠る働く納税する食べる寝る働く納税する

そうやって人生まわしていって、生きていくしかないことを

そして唯一の救いと言えるのは

それが出来ていて、少なくとも自分の生活をまかなっているのなら


それ以上、がんばること

求めることはしなくてもいいのだと

それでいいんだ

食べる寝る働く納税する(あと風呂に入る)が出来ていたら、しんどければ、それ以上人生に、自分の人生に負荷をかけなくてもいいんだよ


だれか言ってやれよ、教えてやれよ


世界は輝いて、努力する伸びしろがある人間がいて、特別な人間がいて、そのほかは何にもなくて、働き蟻のようにしているのだ、そしてその他少数にサボる人間や悪さする人間がいて、全てがぐるんぐるんとかき回され、ぐちゃぐちゃになりながらも循環し、ニンゲン社会は成り立っている

だから、それだけでいいんだ

哀しいことに

本当は多数は

何にもなれない

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