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日記

わたしは、日記が続かない性質のにんげんだ。

母はわたしが幼い頃から10年日記をつけていた。毎晩A4サイズの分厚い焦茶色の手帳を棚から出してペンを走らせていた。

母からは、わたしが死んだら棺に入れて燃やすのよ、中身を見てはいけない、と言われている。

小学生の時に母から日記をつけることを勧められて、日記帳を近所の文房具店まで買いに行った。

可愛い手帳にテンションが上がり、お気に入りのペンで書き始めてみたものの、3日と持たずやめてしまった。

まず、自分が書いた文章を読むのが小っ恥ずかしくて、書いた先から破り捨てたくなった。

そして、日記帳を親に見られたらと思うと恥ずかしさで死んでしまいそうになった。

そうして、日記を書くことをやめて20年。
日記が続かない性質のにんげんだと思い続けて20年。

わたしは子供の頃の夢を叶え、大人になり、結婚し、子供ができた。

30年と少しの人生だが、時代は変わり、自分も周りの環境も変化し続けている。
そして、毎日ものすごいスピードで成長していく我が子には驚かされてばかりいる。

見返したくはないけれど、今のこの瞬間の感情、この時代の温度感を言葉にして記しておいたら面白いのではないか、とふと思った。

そんな時に、中学生の頃から好きな作家、吉本ばななさんがnoteにいらっしゃることを知った。

ばななさんが選んだプラットフォームなら間違いない、とわたしは半ば人任せのような気持ちでアカウントを作った。

わたしは、日記が続かない性質のにんげんだが、エッセイのように徒然なるままに始めてみようと思う。

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