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「虎に翼」雑記帳📺 第44話

「ほんの短い間でしたが、とてもやさしいいい男でした」と訪ねてきた復員兵に言われ、「しっかりするんだよ」と屋台の女将さんに声をかけられ、新聞に載っていた“日本国憲法”に励され、1人で食べ涙を流しそして前を向く寅子。

無事に日本に戻ってこられた復員兵が、戦時中の仲間に頼まれて形見の品を遺族に届けるシーン。終戦直後を舞台にしたドラマや映画でよく見る風景だ。泥棒の子供に取られまいと必死なのも、このお守りが鞄に入っていたから。遺族の前では、自分が生き残ったことすら罪深く感じる人も多かったのではないだろうか。せっかく助かった命なのだから、彼の行く末を祈らずにはいられない。

たまたま行った屋台の女将さんも、寅子のただならぬ様子で察してくれたのだろう。おそらく彼女自身も、いろいろあるに違いない。そんな人はどこにでもいる時代だ。

思い出の河原で女将さんが持たせてくれた焼き鳥を食べても、もう一緒に食べる優三はいない。初めて涙を流す寅子の目に、タレの染みた新聞の“日本国憲法”の記事が目に入る。
優三を想い出し、ひと時泣いて、悔しがって、悲しんで・・・
そして、寅子の泣き顔からは次に進もうとする決意が見えた。
(2024年5月30日放送 44話)

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