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【#10】水は海に向かって流れる

「労働なんかしないで 映画鑑賞だけで生きたい」のコーナーでは私が行き当たりばったりで視聴した映画について書いた小感記事です。

第10回は2023年6月9日に公開された前田哲監督作品「水は海に向かって流れる」について書いていく。

あなたとの恋の時は雨が降っている

叔父の家(シェアハウス)に居候することになった高校生の直達。
そこにはOL、漫画家、女装占い師、海外を放浪する大学教授と個性豊かな住人たち。
直達はシェアハウスに住むOL・榊に恋をするが、恋は一生しない榊にはとある理由があった。
果たして直達の恋の行方はいかに。

まず恋愛映画なのだが、私的には食べ物がすごく美味しそうに見えた。
ポトラッチ丼、BBQ、カレー、生卵。ピザ、ステーキ、美味しい食べ物と言えばのものばかりで伝わりにくいだろうが、本当に美味しそうだったw
ポトラッチ丼ができた経緯は悲しいものではあるが、それを聞いたら食べたくなくなるが見た目はえげつなく美味しそうw
作品だけでなく、食べ物にまでカオスな要素があるのは逆に良いね。

恋愛の要素に関しては、榊と幼馴染の楓の存在が輝いたのもあるので主人公がとても青春していた。
主人公の直達はいい子ではあるが、彼のいい子じゃないシーンが2カ所あり、1つのシーンはぶっ飛んでいて見ている方からすると、直達の気持ちがダイレクトに伝わるので良かった。
ヒロインでOLの榊さんは序盤は不愛想ではあったが、自分の過去と向き合い、徐々に感情がでたりと素敵なヒロインであった。
感情が見えてからは、こっちのもんよと言わんばかりに良いカットが多かった。
この映画は榊さんの変化を楽しむものかもしれないと思う私がいた。
私的には河原で話し、最後にリア充におなりと頭撫でるシーンがエモかった。
直達と同じクラスの楓は可哀相な所はあるが、榊のとある言葉に敏感になったりと、年相応の可愛さのようなものが見られた。
年上の榊と同級生の楓、どちらも怒らせる事ができる直達はある意味羨ましい。

出会いは雨。
乱雑に作る丼は絶品。
ミスター・ムーンライトからできるトライアングル。
絵に描いたような恋愛漫画。
恋をしないの過去と向き合う二人。
いい子じゃないです、いい子だよ。
そういえば一緒にいる時は雨だった。
そんな二人の雨を見てるとタイトルが染みわたる。
この映画の感じ方は十人十色、その色は見るものによっては青にならないのもこれまた良い。

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