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キッズラインの生きる道

 ベビーシッター大手マッチングアプリ「キッズライン」のベビーシッター2人が立て続けに子供への性犯罪で逮捕された。「キッズライン」経沢香保子社長の対応について、世間から様々な声が寄せられている。僕が見る限り、その声はほとんどが批判するものとなっている。社長としての能力やスタンスを疑う声も多い。これらの意見が正しいのかや的を得ているのかは抜きにして、僕が気になっているのは、

「プラットフォームの役割として、その上起こるサービスや商品の品質をどこまで担保するのか?」

ということである。話の前提としては、プラットフォーマーとサービスや商品の売り手は別々である。

僕の個人的な見解としては、プラットフォーム事業者にはそこまでの責任は負えないだろうと思う。(ここで言いたいのは、規約やポリシーに責任範囲が明文化されているとかいないとかいう話ではない。)そんな責任の重いビジネスを誰もやりたがらない。amazonでも売っている商品の品質についてのクレームは受け付けないのと一緒だ。

今回のキッズラインのケースでは、相手が小さな子供ということ、犯罪であるということ、より杓子定規に上記のように割り切れない部分もある。しかし、大前提はプラットフォーマーはそこまで介入はできないだろう。

そこまで介入するのであれば、現在のキッズラインの良さ(強み)である低価格、スピード感、お手軽さという要素は削られていくことになるだろう。それでは本末転倒であり、このサービスの存在理由が萎んでしてしまう。

しかし、このような事件が起こると親としてはなかなかこのサービスを使おうという気になれない。

話は少し逸れるが、幼稚園や保育園、介護施設などでも同様の事件が起こっているとニュースでよく聞く。その場合は、施設の運営者や責任者、監督責任者がその責めを負うことになる。ではキッズラインの場合は、その責めを負う人が誰なのか?という話である。

◯親とキッズラインで協力するしかない
 キッズラインには、もちろん現場で監督する人は存在しない。そのため、このリスクを親とキッズラインが少しずつ補填する必要があると思っている。つまり、親はカメラを家の中に設置したり、1時間に一回は報告の電話を入れさせたり、常に状況を把握しシッターを牽制する努力が必要だ。キッズラインは採用だろう。面接だけでなく、過去の職場へのヒアリングやSNSチェックなど、考えうるすべての情報を収集し、裏の顔が存在しないかを確認する。Zoomでの抜き打ちチェックなんかもいいかもしれない。常に監視しているのはリソース的にも大変だと思うので、いつでもZoomは繋ぎっぱなしにしておき、任意のタイミングで抜き打ちチェックを行う。これは非同期でもいいかもしれない。このように、親とキッズラインの双方が少しずつセキュリティを高める工夫をするしかないと思っている。

◯テレワークがプラスに働くかも?
 もっとも、世の中の流れとしてテレワークを推進していることが追い風となり、そもそもこの問題は解消するかもしれない。出社せずに家で仕事をする場合、ベビーシッターに来てもらって、親は別室で仕事ということであれば安全だろう。

◯信用スコアが高い人しか就けない職種にする
 また、僕が近い将来スタンダードになると思っている信用を数値化した経済がこの問題の解決策のひとつになるだろう。中国では、人々の社会的な信用度をスコアとして数値化するシステムがスタンダートになり、スコアが上がればローン金利が下がったり、病院で優待されるなどのメリットがある反面、信用度が下がれば公共交通機関の利用が制限されるなどの厳しい“罰則”もあるそうだ。この信用スコアが高い人しか、シッターとして登録できないという仕組みにすればいいのだ。そして、その分時給も上げるが利用者の負担ではなく、いくらか国が補助を出すのだ。







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