見出し画像

非対面営業で困る事

 コロナ禍で営業のあり方もすっかり変化した。生命保険日本社大手の明治安田生命は、日本社本体としては初となるwebでの保険販売をスタートすると発表した。既存の直販チャネルとどうバッティングしないように、ビジネス設計するのか?難しい問題がある。特に価格設定。お客様からすると、当然web経由で購入した方が、営業マンから買うより安くないと不自然である。しかしそうなると、営業マンからいろいろ聞いて最後の最後で、お得なwebから買ってしまうという人が多発しそうだ。家電量販店でいろいろ実物をみてまわり、最後はECサイトで安いのを買うというパターンと同じだ。家電と保険は商品特性が異なり、実際に保険を使う時のことを考えたり、商品の複雑性を考えると担当者の必要性が高く、営業マンから買う意義は十分にある。でも、消費者がそれをしっかり理解しているかや理解していても先のことなので目先の価格の安さに引っ張られてしまうのではないかというと疑問が残る。

◯これまでの常識は、これからの非常識
 最近では“オンライン営業”も増えている。そこで問題点として意外に多く聞こえてくるのが「雑談ができないこと」である。要件だけを話すようになり、効率が良過ぎてむしろ疲れるという。(オンラインミーティングのあとにどっと疲れる経験は誰しもあるだろう。)対策としては、

・意識的に間を取る
・相手が考える時間を敢えて設ける
・相手が雑談したくなるネタを仕込んでおく
 など

リアルで対面時に無意識でやっていたことは、オンラインでは無意識ではできない。もっと言えば、全く同じようにはできない。コミュニケーションのあり方を再考する必要がありそうだ。

オンライン営業の利点として、効率的に営業ができるとよく言われる。移動時間も費用もかからないため、1日にできる商談数が多くなるという。そこがそもそも間違いなのかもしれない。移動時間はゼロになったものの、その分「オンライン疲れ」というマイナス面が出てきており、プラマイ0になるからだ。このように考えると「オンライン疲れ」は前提条件として考えるべきものであり、その上で商談を設計する必要がある。オンラインで雑談が難しいのであれば、雑談をしなければいい。オンライン営業が疲れるのであれば、もっとコンパクトに終わるトークにすればいい。その上で、アポも移動時間がないからと言って詰め込むのではなく、余裕をもったスケジュールとして、体力が回復できる時間を意識的につくる。

今までの常識を、オンラインで実現することに固執してはいけないのである。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?