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ミルクボーイの笑いのメカニズム分析

M-1で優勝したミルクボーイってご存知ですか?

ボケ担当・駒場 孝(左)さんと、ツッコミ担当の内海 崇(右)さんの二人からなるお笑い漫才コンビ。彼らのネタ、『コーンフレーク』ではM-1グランプリ史上最高得点を獲得し、会場を沸かせました。笑いの素人である僕が、勝手にその面白さの分析をしてみました。(あくまでも個人的な意見です)

◯「笑い」のピーク
 一番大きな「笑い」と生み出しているのは、あくまで「ほなコーンフレークとちゃうかー」もしくは「コーンフレークやないかい」のタイミングと抑揚の部分だと思います。逆に言うと、それ以外のトークは、全てこのフレーズに笑いを起こすための布石と言っても過言ではないと思います。 

◯コントロールはどっちか?
 漫才のリズムをつくっているペースメーカーは、向かって左の駒場さんだと僕は思います。それは、「分からへねん」「俺もコーンフレークと思うてんけどな」「オカンが言うには」というフレーズで、うまく「静」の部分をつくりだしながら、漫才のタメをつくっているように感じるからです。彼がひょうひょうとしながらも、クライマックスに向けアクセルの調整を行なっていることで、「笑い」が大きくなっていると思います。

◯ストーリーの妙
 彼らのネタには勝ちパターンがあります。上記の通り、「ほなコーンフレークとちゃうかー」あるいは「コーンフレークやないかい!」を繰り返すことで、笑いが指数関数的に積み上がっていき、同じフレーズでも後半になればなるほど効果が増大していきます。単発の「笑い」ではなく、すべてが繋がりストーリーとして計算された「笑い」になっていると思いました。

◯オチが軽い
 彼らの漫才で唯一の不思議は、最後の落ちが弱いことです。最後の最後で大爆笑が起きることはありません。僕が思うにこれは、あえてストロングフィニッシュしていないのだと思います。ストロングフィニッシュを意識するばかりに、ストーリーを変えてしまうことは彼らの勝ちパターンのバランスを崩してしまうというリスクがあったんではないかと思います。

このミルクボーイの「笑い」には、とても計算されたアルゴリズムがあるように思いました。


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