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生命保険で配当がもらえる!?

日本生命保険は2019年度決算で、8年ぶりに契約者向けの配当を減らすとのこと。長寿化による死亡者の減少を背景に、これまで生命保険の配当額は増加傾向にあったが、新型コロナウイルスの感染拡大で運用難に拍車がかかり、長寿化の恩恵を打ち消し始めたとのこと。

◯[基礎知識]保険料を決める3つの予定率
 予定率は、以下の3つについて計算されます。

 1.予定利率
 2.予定死亡率
 3.予定事業比率

1.予定利率とは
 保険会社は、保険料の一部を運用しています。この運用による収益率をあらかじめ見積もった率を予定利率といいます。
2.予定死亡率とは
 性別や年齢ごとの人口に対する1年間の死亡者数の割合を予測したものを予定死亡率といいます。
3.予定事業費率とは
 保険の運営や管理をするために必要な費用(たとえば、新契約の募集、契約の保全など)の割合を予測したものを予定事業費率といいます。

◯予実のギャップが生じる
 上記1〜3の予定率は、あくまでも予定なので実際にかかった費用とは異なります。

「予定よりも資産運用がうまくいった」
「予定よりも死亡する人が少なく保険金の支払いが少なくすんだ」
「RPAを導入して、予定よりも事務コストが安くすんだ」

これらの場合、差益が生じます。これを契約者へ還元するのが配当です。

◯すべての生命保険で配当がもらえる訳ではない
 生命保険の配当は、どの保険でも必ず受け取れるわけではありません。配当のある「有配当」保険と、配当のない「無配当」の保険があります。ただし、有配当の保険でも運用環境や保険会社の経営状況によっては、配当金が出ないこともあります。

◯配当の有り無しで保険料に差が出ます
 まったく配当が出ないより、毎年でないにしても配当がもらえる方が得だと思われる方、ちょっと待ってください。配当がでるタイプの生命保険の方が保険料が高いってご存知ですか?これを知らずに、「有配当=お得」と思っている人がいたら、ちょっと心配です。

◯まとめ
 配当がある/ないって話はそこだけ切り取ると株の話をしているような気持ちになります。損した、得したの世界です。日本の生命保険加入率は9割くらいだったと思いますが、その人たちの中で生命保険に入る理由が「配当がもらえるから」という人がいったい何人いるのでしょうか?多分、一人もいないでしょう。(もしいたとしたら、購入する金融商品を間違えていると思います)保険は、「万が一に備え自分の大切の人たちのためにお金を捨てること」というのが僕は本質だと思っています。だから、貯蓄性もなくていいし、当然配当もいりません。それよりも同じ保障を買うなら、保険料が1円でも安い方がいいです。お金を増やしたいとか、得したいのであれば、違う金融商品や不動産を買った方がいいと思っています。1つの商品に、あれもこれもと欲張って2つ、3つのメリットや効果を求めない方がいいと思っています。だって、そんな美味しい話なかなかないですもん。

生命保険のメリットは、成立したその日から少ない掛け金で大きな保障をもてることであり、このメリットは生命保険以外で代替することができないものだと思っています。

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