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第66回グラミー賞回顧(前編)マイリー・サイラスはどうしてあのティナ・ターナーを思わせる露出の多い服を着たのか?


はじめに

前編と後編に渡って、第66回グラミー賞授賞式におけるアメリカのスーパースター達のパフォーマンスを観て、筆者が考えた事を記す。
前編では「マイリー・サイラス」。
後編では筆者の「音楽の父」である「スティーヴィー・ワンダー」に注目して取り上げる。

今年の傾向

 
 筆者は、すっかり洋楽に疎くなった中年リスナーだが、毎年WOWOWでグラミー賞中継を観て最新まとめとして確認する恒例の儀式になっている。
 リアルタイムでは観られなかったが、直後にWOWOWオンデマンドで観ることが出来た。

 一般芸能マスコミでは日本人の受賞があるかどうかがどうしてもネタになるが、今回は非常に大きな話題が他にあった。
 主要4部門ノミネートの殆どが女性である。
 ほんの数年前までヒップホップ勢がランキングを席巻していたが、ジャンルを問わず女性アーティストの活躍が目立った。

バービーのサントラの大ヒット


 その軸にあったのは映画『バービー』の世界的大ヒットにある。
 筆者も映画館へ観に行った。
 全米では7月の同日に公開された原爆の父と呼ばれた科学者の伝記映画『オッペンハイマー』と合わせて「バーベンハイマー」と呼んで非公式のイラストも出回ったことで日本では炎上した。
 日本人にとって原爆をジョークに扱つかわれて欲しくない心情が可視化された点では良かった。
 しかし、これが『バービー』の日本での興行のおける失敗に繋がったかもしれないと、筆者個人は悔しい。
 だが、日本は先進国と呼ばれるのにはまだまだ男尊女卑が激しいだけではない。
 バービーが馴染みが薄くリカちゃん人形の方が女性の情操教育に使われていた日本の事情も大きかったのではなかったか?
 筆者個人はリカちゃん人形を買って貰った記憶はなく、ドイツから出ているレゴによく似たプレイモービルで遊んでいた事を記憶の隅から取り出すことが出来た。

 『バービー』のサントラにも参加したビリー・アイリッシュ“What Was I Made For? [From The Motion Picture “Barbie”]が主要部門の内、年間最優秀楽曲を受賞した。

 

マイリー・サイラスとティナ・ターナー


 筆者が授賞式のパフォーマンスで注目したのが

マイリー・サイラス(1992年11月23日生れ)の“Flowers”である。
 

2024年のグラミー賞授賞式で『フラワーズ』を熱唱するマイリー・サイラス イラストby龍女

 今回は去年亡くなったあるアーティストと同じような衣装で驚かせた。

ティナ・ターナー イラストby龍女

 ティナ・ターナー(1939年11月26日~2023年5月24日)である。

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