【エッセイ】野良猫を見つけた
野良猫を見つけた。
まだ昼と呼ぶには早い時間。
お隣さんの倉庫で、ごみ袋を敷布団にしてぐっすりと眠っていた。
十分ほどかけて、買い出しから帰ってきた頃には、あの子の姿はもうなかった。
あの子は今も気ままに生きているのだろうと思った。
寝床を選ばず、飯を選ばず、行く先をも選ばない。
生きるという目的のためだけに、日々を気ままに生きているんだろうと。
無職の生活を続けてから、おおよそ一年が経つ。
今は人とある程度話せるようになったし、傷病手当をもらい終えた辺りから就活にも取り