見出し画像

フードデリバリーのクレーム対応が先進的過ぎた件

タイでは、現在はレストランは普通に営業しているのですが、コロナ問題によりレストラン内での飲食が禁じられていた(=デリバリーはOK)時期がありました。
その時以降、今も、デリバリーを高頻度で利用しています。

レストランのカバレッジが私の好みに合うように感じるので、私はほぼあるフードデリバリーを利用しています。

そんな風にロイヤルカスタマーになっているフードデリバリーですが、先日注文した料理が届かなかったというトラブルが発生しました。

しかも、その時のクレーム対応の様子が、料理が届かなかった事自体はもうどうでも良くなる位に先進的で印象的でしたので、その時の様子についてまとめてみたいと思います。

結論から書くと、当社は、AI等を駆使wして(多分)、クレームに真摯に耳を傾ける体を装いつつ、実のところはクレームを入れる人が根負けしたり忘れたりするのを待つ戦略を取っているようです。

当社をディスっているのではなく、やられた直後はそういう風には思えませんでしたが、企業としてある意味最も経済合理性のあるやり方なのではないかと思います。
今回の私もそうですが、そういう目にあっても結局以前と同じように当社のサービスを利用しています。

当日① 突然 “Delivered”に

当社のサービスはかなり便利です。
注文する店を選ぶ段階から画面上に所要時間を表示してくれる上、これまでの経験上、7割方、その所要時間プラスマイナス30%位(所要30分表示だと20~40分という事なので、かなり高精度と言っていいと思います)で届けてくれます。

又、注文後実際に到着するまで、ドライバーの現在地を示す地図を表示してくれ、所要時間のカウントダウンをしてくれます。

普段はそんな頼れるアイツなのですが、この時は、『あと5分で到着します』位の所で突然ステータス表示が『Delivered』になりました。
配達を未だ受けていないだけでなく、到着しましたの電話も受けていません → なのでドライバーに連絡を取れません(ドライバーの電話番号は客に知らされません)。

仕方なく、当社のHelp Chat機能を使ってクレームを入れる事にしました。
ちなみに、当社は、バンコクではコールセンターを設けておらず、何が起こってもリアルタイムで電話で問い合わせる事は不可能な仕組みを取っています。

当日② 即Help Chatに連絡したら、すぐに返金するぜ!、と

チャットしてみると、ドライバーが配達完了していないのに誤って“Delivered”ボタンを押してしまいました、その後ドライバーがどこに行ったのか当社も分かりません、でも大丈夫心配すんな!(※)、すぐに返金するぜ!(※)、的なコメントを得ました。
たしか3~5営業日で着金するという話だったように記憶しています。

※: 実際にこんな感じの軽いノリのセリフを言ってきます。客の気分を落ち込ませない為の配慮なのかもしれません。

ちなみに、今回の件で何度かHelp Chatとメッセージのやり取りをしましたが、100%毎回、まだ質問が残っているし話は終わったねと言ってないのに、Chat担当者は突然Chatをクローズしてきます。

しかも、このHelp Chatは、過去のチャット履歴を残さない仕組みになっているので、どんなやり取りをしたのか、後日、客も振り返る事ができませんし、当社側も簡単には参照する事ができないようになっています。
言質を取られないようにしたいのかもしれません。

後述しますが、実際、後日、『トラブルが発生して24時間以内にクレームをいれなかったあなたが悪い(=上述の通りトラブル発生直後にクレームを入れています)、なので返金はしない』とか言われました。

数日後 返金されず、今から私のBest Priorityで返金します、と

軽いノリで返金しますと言われたのですが、1週間以上待っても返金されません。
なので再度Help Chatにクレームを入れました。

上述の通り過去の履歴を残さないチャットなので、『ドライバーが配達完了していないのに誤って“Delivered”ボタンを押してしまいました、その後ドライバーがどこに行ったのか当社も分かりません』というトラブルがあった当日の様子はチャット内で共有されておらず、『その件ならDeliveredになってます。配達しました。』と。

かなり繰り返し粘ったところ、ようやくもっと調べてくれたようで、『分かりました。返金します。今から私のBest Priorityで本件処理します。』と。
たしか3~5営業日で着金するという話だったように記憶しています。

前回『大丈夫心配すんな!、すぐに返金するぜ!』と言っておきながら、返金の手続きは一切取っていなかったという事です。

更に数日後 返金されず、『本件はDeliverされました』の無限ループに

Best Priorityで返金しますと言われたのですが、1週間以上待っても返金されません。
なので再度Help Chatにクレームを入れました。

上述の通り過去の履歴を残さないチャットなので、『ドライバーが配達完了していないのに誤って“Delivered”ボタンを押してしまいました、その後ドライバーがどこに行ったのか当社も分かりません』というトラブルがあった当日の様子はチャット内で共有されておらず、『その件ならDeliveredになってます。配達しました。』と。
何度も粘ったのですが、都度、コピペしたかのような、全く同じフレーズで『その件ならDeliveredになってます。配達しました。』と。

今回も、『私のBest Priorityで返金します』と言っておきながら、返金の手続きは一切取っていなかったという事です。

そして今回も上述の通り、やり取りがまだ終わってないのに突然チャットがクローズされてしまいました。

かなり憤ったのですが、憤っても何にもならないので、他に当社に連絡する手段は無いか探したところ、Websiteにメールアドレスが載っていました。
チャットでこんな感じなのでメールでもダメだろうという気持ちもありつつ、ダメ元で、メールで今回の件のクレームを入れました。

更に数日後 再び『本件はDeliverされました』の無限ループに

数日後にメールの返信があったのですが、そこでもまた、その件ならDeliveredになっています、配達しています、なので返金できません、と。

それに対し、『いやいや、人の話を聞きなさいと。デリバリーされなかったから返金するよう言っているんですよ。』 → こっちの説明は一切聞かず、『本件オーダーは以下の宛先にデリバリー済みなので返金しません。Sorry、残念だ、次は期待にこたえたい。』の無限ループ状態に。
このSorry、残念だ、次は期待にこたえたい、がこちらを益々イラつかせます。

最後の方では、『トラブルが起きてすぐにクレームを入れなかったあなたが悪い。返金しない。』とも。
トラブルが起きた直後にクレームを入れているのですが、その確認はしないようです。

何度も粘ってようやく、重い腰を上げてちゃんと確認をしたのか、『ドライバーが配達完了していないのに誤って“Delivered”ボタンを押してしまいました』事を認め、返金するとのコメントを得ました。

賢い会社です

配達ミスや、返金が遅れたという事自体はどうでも良いのですが、そういうミスに対するクレームを受けつける気を持たない点が腹立ちます。

想像になってしまいますが、このHelp Chatは何だか自動応答(こういうセリフのクレームが来たらこういうセリフを返す)で対応している風です、少なくともやり取りの内の大半は。
なので、返金してくださいと言ったら、『大丈夫心配すんな!、すぐに返金するぜ!』というメッセージが自動応答的に返ってくるのですが、返金する手続きには一切入らない。

また、サラリーマンの平日の昼ですから、ランチを注文して30分待って届かず、クレームの対応に更に数十分かけたらそれでもうランチ時間は終了です。
おかげさまでこの日は昼食を取り損ねたのですが、当社に、返金すれば良いってものではない、という事を理解してもらう事はできないようです。

返金するぜ!という無責任なコメントは何度か得ましたが、料理を届けなった事自体への謝罪はほとんどありませんでした。

とか思ったのですが、いやいや、この会社は賢いんです。

本件の翌日の時点で既にもう当社のサービスを利用している私がいました。
憤りはしたものの、私がこの会社に求めているのは『憤りのない生活』ではなく、『美味しい食べ物の便利なデリバリー』です。
憤ったとは言え、『美味しい食べ物の便利なデリバリー』を受けられる点に変わりはありません。

当社は、クレームがでるようなオペレーションをしてもしなくても、それに真摯に対応してもしなくても、サービスを利用するヤツは利用するし、しないヤツはしない、という事が分かっているようです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?