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バンコクでタクシーに忘れ物したらこうしましょう

タイのイサーン地方の名物料理にチムチュムという鍋料理があるのですが、先日、タイ人の友人に、行きつけの店に連れて行ってもらいました。

その店の様子については後日別の記事を書きたいと思いますが、色々な意味で結構満足して気分が上がっていたこともあり、その後、もう1軒はさみますが、そこ(MRTのRama 9駅の辺り)から結構離れているのに、エカマイエリアに飲みに行く事にしました。

タイはタクシーの料金が絶対的に安いだけでなく、一般的な交通手段であるMRTという地下鉄やBTSというモノレールの値段との比較という意味でも安いので、タクシーで移動しました。

これが大失敗の始まりでした。

忘れた当日の様子

チムチュム屋を出て少し散歩し、ライブバンドもあるローカルなレストラン(日本でいうと居酒屋的な位置づけでしょうか)で軽くビールを飲んでから、ラチャダーピセーク通りでタクシーを拾いました。

エカマイエリアに結構好きな、日本酒が色々ある和食の店があるのですが、そこに向かいます。
この店は私の家からあまり近くはないのと、税金の為だと思いますが美味しい日本酒はタイではかなり高いのとがあり、結構久しぶりだったのですが、その為もあり、店の前でタクシーを降りた瞬間、気分が高揚していました。

そしていざ店に入ろうとした瞬間、違和感を覚えました。
この日は、割とかさばる、割と高価なものを持ち歩いていたのですが、それが無いのです。
そして、タクシーのトランクの中に入れていたのを取り出し忘れた事に気が付きました。
と気が付いた時には、タクシーは100メートル位先に走り去っていました。
全力ダッシュで追いかけますが、全く追いつきませんでした。

対策① 警察に届け出る

翌晩、置き忘れたエカマイエリアから最寄りの警察署、トンロー警察署に行きました。
忘れ物をタクシーのドライバーさんが警察に届けてくれた場合に受け取れるようにする為です。

日中であればいたのかもしれませんが、日曜日の夜7時頃に訪れたこの時にいた警察官は皆ほとんど英語を話せない人達でした。
忘れ物をした時に一緒にいた友人に電話で通訳をしてもらえたので、手続きを済ませる事ができましたが、そういう事ができない場合、かなり大変な思いをしそうです。

警察署では、忘れ物をした時の様子を詳細に伝え、Information collection form というフォームに必要事項を記入します。
フォーム入力は英語で大丈夫です。
但し、この時の警察官が英語を読むのもダメだからか、フォームに書いた情報を一つ一つタイ語で質問されました。

この日先客はゼロでしたが、警察署には19:05に到着し、全て終えて警察署を出たのは19:50でした。
届け出たことで、ドライバーさんが警察に届けてくれた場合に警察から連絡をもらえるようにできた訳ですが、加えて、最後には、タイ語で書かれた紛失証明書的な書類をもらえました。
物を失くした時の補償を得られる保険(そういうものがあるのかどうか知りませんが)に入っている人の為のものだと思われます。

なお、助けてくれた友人いわく、タイでは忘れ物が警察に届けられる事はまずない、自身も財布やスマホ等これまで何回かタクシーに忘れ物をした事があるが、届けられた事は一回も無かった、とのことです。

なお、盗まれた訳ではないので、道路上に設置してある警察の監視カメラチェックをしたり等、積極的に探してくれたりはしないとのことで、そういう事をしたければ、自分で民間のどこかから監視カメラ映像を探すようにとのことでした。
言わずもがなですが、忘れ物をしたタクシーの会社名やナンバーを特定できると、タクシー会社に連絡したり等、探すのが大分楽になります。

対策② 現場近くの店に監視カメラチェックをお願いする

警察署で教えてもらえたということもあり、警察署を出た後、現場目の前のバーに行き、事情を説明し、大体の時間とタクシーの色を伝え、監視カメラのチェックをお願いしました。

店の外の道の様子をカバーする監視カメラも設置しているとのことで、快く引き受けてもらえました。
さすがに一緒に見ながらの確認まではさせてくれないとのことで(当然ですね)、自分の携帯番号を伝え、彼等にお願いすることにしました。

残念ながら、タクシーの特定はできませんでしたとの連絡でしたが、翌晩には電話をかけて来てくれました。

ちなみに

警察署での手続き、現場近くのバーへのお願いを終えた後、悲しみを癒すため、クラフトビールでも飲むかと、BTSアソーク駅近くにあるCraftという店に行きました。

店の前でタクシーを降りてすぐ、向かいにATMが見え、現金をあまり持っていない事に気付き、お金をおろそうと道を渡ろうとしたら、私の右手前方を、スクーターに乗った2人組の警官が、私の目をみながらのろのろ運転していました。
流石に警官の走行を遮って道を横断してATMに行くのも何だかあれなので、そのバイクが通り過ぎた瞬間に道を渡るべく、そのバイクを見ながら通り過ぎるのを待っていたのですが、警官と目が合った瞬間に呼び止められ、職質を受けました。

パスポートチェック、何してるかチェック、カバンの中身チェックと一通り受けました。
カバンの中には前日のデートの護身用として持っていたゴムが入っていたのですが、それを見つけた警官が「Good」、と。
どういう意味でしょう。こういうものをちゃんと持ち歩くなんて折り目正しいヤツだな、Good、なのか、楽しい時間を過ごせて良かったな、Good、なのか、今でも分かりません。

なお、終わり際に、外側からのタッチによるポケットの中身チェックがあったのですが、左ポケットから右ポケットに移行する際にガッツリとち●こもタッチされました。
いやいや、流石にもう鎮まってるでしょ、さすがに。

この日は何だか警察と縁がある日でした。

対策③ ラジオ局に連絡する

私が警察署に届け出に行くのと並行して、忘れ物をした時に一緒にいた友人が、ネットでラジオ局FM91の事を見つけてくれ、連絡をしてくれていました。

http://www.fm91bkk.com/lost-found

同ラジオは、交通情報入手等の為に多くのタクシードライバーが聞いているラジオなのですが、タクシーに忘れ物をした場合に連絡をすると、その事をラジオで流してくれ、該当するドライバーさんから連絡があった場合につないでくれるという、とんでもなく有難いラジオ局です。

そしてなんと、このラジオ局のおかげで、あの時のドライバーさんと繋がれました。
更になんと、このドライバーさんは非常に良い人で、こちらがラジオ局に連絡してラジオで流してもらう前に、忘れ物があった旨、同ラジオ局に連絡をしてくれていました。

なお、ネットで日本語のページを検索すると、そういうサービスを提供してくれているラジオ局の連絡先として電話番号1137が紹介されており、私も今回何度もトライしましたが、一切繋がりませんでした。
電話番号が変わったか、1137で受け付けていたラジオ局がもうそういうサービスは提供していないか、なのかもしれません。

謝礼

ドライバーさんと繋がれ、忘れ物を渡してもらうアポを設定しました。
英語を話せない人だったので、忘れ物をした際に一緒にいた友人にアレンジしてもらい、立ち合いもしてもらう事にしました。

平日の午後8時半に待ち合わせ、ドライバーさんも仕事の合間に来てくれるので忙しかろうと思い、遅れてくるかもしれない事を見越し、近くのビールバーで飲みながら待ちました。

ドライバーさんは午後10時頃に到着し、無事、忘れ物を受け取りました。

ネット情報によると、忘れ物を届けてもらえた場合の謝礼は、1,000バーツを超えるものの場合はその5%、超えないものの場合はその10%というのが一般的なようです。
とは言え、日本人的感覚だと謝礼を渡すと逆に失礼な気がし、お菓子とか何か物を贈った方が良いような気もしたので、今回色々助けてもらっている友人に聞いてみました。

失礼なんてことは一切無い、現金の方が嬉しいはずだ、とのことでした。

なので、端数を切り上げた1,000バーツをドライバーさんに渡し、丁寧にお礼を言ったところ、素で怪訝な表情をされました。
この人は本当にナイスな人で、忘れ物をラジオ局に届け出てくれ、実際に忘れ主の所に持ってきてくれただけでなく、タイでは一般慣習になっている謝礼なんて一切予期していなかったようです。

若干失礼になってしまったかもしれないような感じだったのですが、それでもどうしても感謝の気持ちを伝えたく、拙いタイ語で感謝を伝えもしましたが言葉だけでは伝わり切らないので、お礼を添えて、どうにか受け取ってもらえました。

タイの方々に感謝です。
ドライバーの方を筆頭に、ラジオ局の方々、色々助けてくれた友人、現場近くのバーの店員の方々、警察の方々。
有難過ぎます。

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